Nautilus スクリプト
Nautilus スクリプトはNautilusの機能を拡張する仕組みの一つで、主にファイル処理の機能を拡張することができます。以下の画面はNautilus スクリプトの一つである「Audio files converter」です。
スクリプトと付くように、Nautilus スクリプトはシェルスクリプトやPythonなどスクリプト言語を利用して作成されることがほとんどです。
自分で作成することもできます。
スクリプトメニュー
Nautilus スクリプトを特定のフォルダーに配置すると、ファイルやフォルダーを右クリックした時に表示される「スクリプト」メニューに表示されます。各スクリプトをクリックすると、選択されたファイルやフォルダーに対し処理が行われます。
スクリプトメニューに表示されるスクリプト名は、スクリプトファイルのファイル名になります。
Nautilusとスクリプトの関係
Nautilusは「スクリプト」メニューでクリックされたスクリプトに、選択されたファイルやフォルダーの情報を渡します。この情報を受けてスクリプト側で処理を行います。
Nautilus スクリプトの配置場所
Nautilus スクリプトの配置場所です。Ubuntuのバージョンにより異なります。
Ubuntu 12.04/Ubuntu 12.10
Ubuntu 12.04やUbuntu 12.10では、「~/.gnome2/nautilus-scripts」フォルダーにNautilus スクリプトファイルを配置します。ファイルは実行権限がついている必要があります。
ちなみに実行可能なファイルへのソフトリンクでもOKです。
Ubuntu 13.04以降
Ubuntu 13.04では、「~/.local/share/nautilus/scripts」フォルダーにNautilus スクリプトファイルを配置します。同様にファイルは実行権限がついている必要があります。
実行可能なファイルへのソフトリンクでもOKです。
Nautilus スクリプトの環境変数
Nautilusはスクリプトに選択されたファイルやフォルダーの情報を環境変数で渡します。例として以下のファイルを選択しています。
「エクストラペイン」では以下のようにファイルを選択しています。
左側のペインがアクティブになっています。
NAUTILUS_SCRIPT_SELECTED_FILE_PATHS
選択されたファイルのパスです。ローカルにあるファイルが選択された場合のみ有効です。
複数のファイルが選択された場合、各パスは改行で区切られます。
例
/home/ubuntu/ドキュメント/ODP プレゼンテーション.odp/home/ubuntu/ドキュメント/ODS スプレッドシート.ods
NAUTILUS_SCRIPT_SELECTED_URIS
選択されたファイルのURIです。複数のファイルが選択された場合、各URIは改行で区切られます。
例
file:///home/ubuntu/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/ODP%20%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3.odpfile:///home/ubuntu/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/ODS%20%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88.ods
上記をURIデコードすると、以下のようになります。
file:///home/ubuntu/ドキュメント/ODP プレゼンテーション.odp
file:///home/ubuntu/ドキュメント/ODS スプレッドシート.ods
NAUTILUS_SCRIPT_CURRENT_URI
現在のパスのURIです。例
file:///home/ubuntu/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88上記をURIデコードすると、以下のようになります。
file:///home/ubuntu/ドキュメント
NAUTILUS_SCRIPT_WINDOW_GEOMETRY
Nautilusのウィンドウのサイズと位置です。フォーマットは「ウィンドウの幅xウィンドウの高さ+X座標+Y座標」です。
UIを表示するスクリプトは、この値を参考にウィンドウの表示位置を決定します。
例
693x408+294+93この場合、以下のようになります。
ウィンドウの幅 | 693ピクセル |
ウィンドウの高さ | 408ピクセル |
X座標 | 294ピクセル |
Y座標 | 93ピクセル |
もし座標が-(マイナス)になる場合、以下のようになります。
693x408+-294+-93
NAUTILUS_SCRIPT_NEXT_PANE_SELECTED_FILE_PATHS
非アクティブの「エクストラペイン」で選択されているファイルのパスです。ローカルにあるファイルが選択された場合のみ有効です。
複数のファイルが選択された場合、各パスは改行で区切られます。
Ubuntu 13.04のNautilusでは「エクストラペイン」が存在しないため、この環境変数は使われません。
例
/home/ubuntu/ドキュメント/ODT ドキュメント.odtNAUTILUS_SCRIPT_NEXT_PANE_SELECTED_URIS
非アクティブの「エクストラペイン」で選択されているファイルのURIです。複数のファイルが選択された場合、各URIは改行で区切られます。
Ubuntu 13.04のNautilusでは「エクストラペイン」が存在しないため、この環境変数は使われません。
例
file:///home/ubuntu/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/ODT%20%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88.odt上記をURIデコードすると、以下のようになります。
file:///home/ubuntu/ドキュメント/ODT ドキュメント.odt
NAUTILUS_SCRIPT_NEXT_PANE_CURRENT_URI
非アクティブの「エクストラペイン」のパスのURIです。Ubuntu 13.04のNautilusでは「エクストラペイン」が存在しないため、この環境変数は使われません。
例
file:///home/ubuntu/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88上記をURIデコードすると、以下のようになります。
file:///home/ubuntu/ドキュメント