GRUB2の再インストール
「高度なオプション」からGRUB2を再インストールします。GRUB2を再インストールすることで、PC起動時にGURB2が起動するようにします。
GRUB2が起動しない時や、後からWindowsをデュアルブート構成でインストールし、Ubuntuが起動しなくなった時に有効な修復方法です。
以下の内容は、BIOS環境での内容です。
設定項目は複数のタブに渡るため、順を追って見ていきます。
注意
環境によっては、設定項目が一部異なることがあります。1.GRUB2の再インストールの指定
まず「主なオプション」タブをクリックし、「GRUB再インストール」のチェックをオンにします。これで「Boot Repair」は「GRUB再インストール」を行うようになります。
2.ブートマネージャーの設定とファイルシステムのチェック
続いて「主なオプション」タブでブートマネージャーの設定やファイルシステムのチェックの指定を行います。ブートメニュー再表示
チェックをオンにすると、「GRUB2」やWindowsのブートマネージャーのブートメニューを表示する時間を指定することができます。GRUB2の例
ファイルシステムの修復
チェックをオンにすると、修復を行う前にファイルシステムのチェックと修復を行います。チェックを行うファイルシステムの対象は、「ext4」だけでなく「FAT32」や「NTFS」なども対象になります。
注意 1
チェックをオンにすると、以下の警告が表示されます。「Boot Repair」でのファイルシステムのチェックに限らず、壊れたファイルを検出するとそれらのファイルは破損ファイルとして処理されます。
特に不安定な環境で利用している人は事前にバックアップを取りましょう。
注意 2
ファイルシステムが「NTFS」の場合、Ubuntuから完全なファイルシステムの修復を行うことができません。「Boot Repair」では、可能な範囲で修復を行い、次回Windows起動時にWindowsが「chkdsk」を実行するようにします。
Wubiのファイルシステムを修復
Wubiのディスクイメージが検出された場合、修復を行う前にWubiのディスクイメージのチェックと修復を行います。3.ブートローダーのインストール先の指定
次に「GRUBの位置」タブをクリックし、GRUB2のインストール先を指定します。デフォルトで起動するOS
インストールするブートマネージャーをメニューから選択します。選択したOSによっては、以下の画面が表示されます。
この画面が表示された場合、ライブメディアからUbuntuを起動して作業を行う必要があります。
GRUBを全ディスクに配置
「GRUB2」のブートローダーを全HDDのMBRにインストールします。自分でブートローダーのインストール先HDDを選択したい場合、「GRUBを置く場所」を選んでください。
GRUBを置く場所
GRUB2のブートローダーをインストールするMBR(HDD)をメニューから選択します。sda(107GB)はリムーバブルディスクです。
環境によりHDDがリムーバブルディスクかどうかを指定するチェックボックスが表示されます。HDDがUSB外付けディスクなど、リムーバブルディスクならチェックをオンにします。
チェックをオンにしたHDDは、「GRUBを全ディスクに配置」選択時にブートローダーのインストール対象からはずされます。
4.GRUBのオプションを設定する
「GRUBのオプション」タブをクリックして、GRUBの設定や起動オプションの指定等を行います。通常デフォルトの設定のままで良いですが、環境によっては設定の変更が必要になります。
GRUBをパージして、再インストール
チェックをオンにすると、「GRUB2」パッケージを一旦削除し、再インストールを行います。「GRUB2」パッケージの再インストールは、表示される案内に従って手動で行う必要があります。
余程酷い壊れ方をしていない限り、「GRUB2」パッケージの再インストールは必要ありません。
GRUBを最新バージョンに更新します
チェックをオンにすると、「GRUB(GRUB Legacy)」を「GRUB2」へバージョンアップします。Ubuntuはすでに「GRUB2」なので、このオプションを使用することはないでしょう。
このオプションの詳細は省略します。
GRUB Legacy
チェックをオンにすると、「GRUB2」を「GRUB(GRUB Legacy)」へダウングレードします。特別な環境でもない限り、「GRUB」にダウングレードする必要はありません。
このオプションの詳細は省略します。
MBRの後に余分なスペースをリセット
MBR(セクター0)と最初のパーティションの開始セクターの間には、未使用のセクターが存在します。「MBRの後の余分なスペース」とは、この未使用のセクターのことを指します。
例えば古いPC(Windows XP時代のPCなど)では、最初のパーティションの開始セクターは63で、新しいPCでは開始セクターが2048になります。
ただ未使用とは言っても、MBRやパーティションが使用していないセクターというだけで、このセクターの一部は、「GRUB2」が利用します。
また、FlexNetのようなソフトウェアも、このセクターの一部を利用します。
ここでもし競合が発生すると、各ソフトウェアが正常に動作しなくなります。
このオプションは、GRUB2をインストールする前にこれらのセクターをゼロクリアし、GRUB2が正常に利用できるようにします。
ただし、それ以外のソフトウェアは正常に動作しなくなる可能性があります。
例えばFlexNetは、ソフトウェアライセンスを管理するソフトウェアです。
FlexNetはこれらのセクターに管理情報を書き込みます。
これらのセクターをクリアしてしまうとライセンス未取得として扱われたり、期待した動作を行わなくなるでしょう。
このオプションを使用する際は、十分に注意・検討してください。
GRUB_GFXMODEをコメント解除
「GRUB_GFXMODE」はGRUB2起動時の解像度を指定するオプションです。デフォルトでは以下のようにコメント行になっており、このオプションは無効になっています。
#GRUB_GFXMODE=640x480
このオプションを有効にします。
もし「GRUB2」のブートメニュー表示時に、ディスプレイに何も表示されなくなる時は、このオプションを有効にすると状況が改善することがあります。
現象の例としては、
- PCが起動する
- BIOS画面やメーカーのロゴが表示される
- 「GRUB2」が起動するがディスプレイに「シグナルが検出されません」と表示される
- ディスプレイがオフになる
- Ubuntuが起動するとディスプレイが表示される
と言ったところでしょうか。
ATAディスクのサポート
チェックをオンにすると、「--disk-module=ata」オプションを指定して「GRUB2」をインストールします。通常このオプションは必要ありませんが、一部の古いPCで「GRUB2」起動時に以下のようなエラーが出る時に有効なオプションです。
- Error: unknown file system
- error: Out of disk
カーネルオプション追加
ブートメニューのUbuntuの起動項目に、カーネルオプションを追加します。追加するカーネルオプションは、メニューから選択します。
カーネルをパージして、最後のカーネルを再インストール
Linux Kernelのパッケージを全て削除し、再インストールします。余程酷い壊れ方をしていない限り、Linux Kernelのパッケージの再インストールは必要ありません。
GRUBの設定ファイル編集
「GRUB2」の設定ファイルを直接編集します。ボタンをクリックするとテキストエディターを起動し、以下のように「/etc/default/grub」ファイルが開きます。
必要に応じて編集し、保存します。
基本的にデフォルトのままで問題ありません。
5.その他のオプションを設定する
最後に「その他のオプション」タブをクリックし、各種設定を行います。Windowsのブートファイルを修復
Windowsのブートファイルの修復を行います。「boot.ini」ファイルの修復(Windows XP)やブートマネージャー(Windows XP以降)の修復を行います。
上記以外の項目について
「Boot Repairの動作設定を行う」を参考にしてください。6.修復を行う
以上で設定は終わりです。後は画面右下の「適用」ボタンをクリックします。
修復が開始されます。
修復の流れは「おすすめの修復でブートローダーを修復する」を参考にしてください。
ファイルシステムの修復について
「2.」で「ファイルシステムの修復」を有効にしている場合、以下の画面が表示されます。表示されている通り、全てのアプリを終了し「OK」ボタンをクリックします。
画面が大きすぎてボタンが押せない時は
この画面が大きすぎて「OK」ボタンが押せない時は、「エンターキー」を押してください。7.修復完了
修復が完了すると、以下のような画面が表示されます。修復した内容を調べたい時は、ログを開き「Settings chosen by the user」を検索します。
「Settings chosen by the user」以降に修復した内容が出力されます。
以上で完了です。