読み込み専用のアレイを読み書き可にする
読み込み専用にしたアレイを読み書き可に変更することができます。読み込み専用と読み書き可は切り替えて使用することができます。
アレイを読み書き可にすると、アプリは論理ボリュームにデータを書き込むことができるようになります。
注意
アレイの論理ボリュームが使用中だった場合、アレイを読み書き可にしても反映されません。例えば論理ボリューム上のパーティションをマウントしている状態では、アレイを読み書き可にしても、読み込み専用のままです。
作業を行う前に、パーティションをアンマウントするなど論理ボリュームを使用しているアプリなどがないか確認しましょう。
コマンドのフォーマット
「mdadm」コマンドのフォーマットは以下になります。mdadm <モード> <論理ボリューム>
ショートオプションとロングオプションについて
モードやオプションの記述方法には、「ショートオプション」と「ロングオプション」の2種類があります。どちらを利用しても良いでのですが、ここでは意味が分かりやすい「ロングオプション」を使用します。
モード
モードは、「mdadm」の動作モードを指定します。アレイを読み書き可(Misc Mode)にするので、以下のオプションを指定します。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-w | --readwrite | --readwrite |
論理ボリューム
論理ボリュームのデバイスファイルを指定します。複数の論理ボリュームのデバイスファイルを指定する場合は、各論理ボリュームのデバイスファイルをスペースで区切ります。
/dev/md/RAID0Array /dev/md/RAID1Array /dev/md/RAID4Array
glob
物理ボリュームの指定は、globに対応しています。例えば上記の記述は、以下のように記述することもできます。
/dev/md/RAID[014]Array
アレイを読み書き可にするコマンドの例
アレイを読み書き可にするコマンドの例です。環境について
以下のアレイを作成した環境でコマンドを実行しています。1.アレイの確認
アレイが読み込み専用になっているかアレイの状況を確認します。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ cat /proc/mdstat Personalities : [linear] [multipath] [raid0] [raid1] [raid6] [raid5] [raid4] [raid10]
md127 : active (read-only) raid1 sdd2[0] sdf2[3] sde2[1]
102272 blocks super 1.2 [3/3] [UUU]
unused devices: <none>
md127 : active (read-only) raid1 sdd2[0] sdf2[3] sde2[1]
102272 blocks super 1.2 [3/3] [UUU]
unused devices: <none>
赤字の箇所を見ると、アレイが読み込み専用になっていることが分かります。
2.読み書き可
以下のコマンドを実行し、アレイを読み書き可にします。
sudo mdadm --readwrite /dev/md/RAID1Array
3.アレイの確認
アレイの状況を確認します。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ cat /proc/mdstat Personalities : [linear] [multipath] [raid0] [raid1] [raid6] [raid5] [raid4] [raid10]
md127 : active raid1 sdd2[0] sdf2[3] sde2[1]
102272 blocks super 1.2 [3/3] [UUU]
unused devices: <none>
md127 : active raid1 sdd2[0] sdf2[3] sde2[1]
102272 blocks super 1.2 [3/3] [UUU]
unused devices: <none>
(read-only)が非表示になり、アレイが読み書き可になったことが分かります。
4.ファイルをコピーしてみる
論理ボリューム上に作成したパーティションをマウントし、ファイルをコピーしてみます。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ cp -v /home/ubuntu/ダウンロード/MyData50MiB.dat /media/ubuntu/RAID1_Volume
`/home/ubuntu/ダウンロード/MyData50MiB.dat' -> `/media/ubuntu/RAID1_Volume/MyData50MiB.dat'
`/home/ubuntu/ダウンロード/MyData50MiB.dat' -> `/media/ubuntu/RAID1_Volume/MyData50MiB.dat'
読み書き可になっていることが分かります。