アレイの設定を変更する
作成済みのアレイの設定を変更することができます。アレイの設定とは、メタデータの設定(情報)のことです。
多くのメタデータの設定は、アレイの作成時に行われます。
これらの設定の一部は、後から変更することができます。
アレイの設定を変更するタイミング
アレイの設定の変更は、アレイの構築時に行います。従ってアレイの構築とアレイの設定の変更は一緒に行います。
アレイの構築に関するオプションについて
アレイの構築に関するオプションは、「アレイを構築する」を参考にしてください。ここではアレイの構築に関するオプションは紹介しません。
ここで紹介するオプションは、アレイの設定の変更に関するオプションです。
変更可能な設定
以下の設定を変更することができます。アレイのUUID
アレイを一意に識別するアレイのUUIDを変更します。アレイの名称
「アレイの名称」を変更します。アレイのホームホスト
アレイの「ホームホスト」を変更します。アレイのダーティーマーク
アレイに「ダーティーマーク」を設定します。これにより再同期が行われます。
ユーザーから見れば、設定の変更というよりアレイの修復です。
内部ビットマップの無効化
「ライトインテントビットマップ」を有効にし「内部ビットマップ」を設定したアレイで有効です。「内部ビットマップ」が破損しており、アレイ構築時に破損した「内部ビットマップ」によりアレイの構築が失敗する時は、これにより「内部ビットマップ」を無視してアレイを構築することができます。
ユーザーから見れば、設定の変更というよりアレイ構築時のトラブル対処です。
コマンドのフォーマット
「mdadm」コマンドのフォーマットは以下になります。赤字の箇所が設定の変更に関するオプションです。
mdadm <モード> <論理ボリューム> <アレイを識別するオプション> <アレイの構築オプション> <設定変更のオプション> <設定値のオプション>
ショートオプションとロングオプションについて
モードやオプションの記述方法には、「ショートオプション」と「ロングオプション」の2種類があります。どちらを利用しても良いでのですが、ここでは意味が分かりやすい「ロングオプション」を使用します。
モード
モードは、「mdadm」の動作モードを指定します。アレイの設定の変更はアレイの構築時におこなうため、以下のモードを指定します。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-A | --assemble | --assemble |
論理ボリューム
論理ボリュームのデバイスファイルを指定します。既存の論理ボリュームのデバイスファイルと重複しないデバイスファイルを指定します。
デバイスファイルのフォーマット
以下のフォーマットで指定すると良いでしょう。/dev/md/アレイの名称
記述例
- /dev/md/MyArray
- /dev/md/Data
- /dev/md/Backup
設定変更のオプション
以下のオプションを記述し、変更する設定の対象を指定します。ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-U | --update= | --update=name |
以下の値を指定することができます。
変更する設定 | 指定する値 |
---|---|
アレイのUUID | uuid |
アレイの名称 | name |
アレイのホームホスト | homehost |
アレイのダーティーマーク | resync |
内部ビットマップの無効化 | no-bitmap |
設定値のオプション
設定する値を指定するオプションです。変更する設定 | ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|---|
アレイのUUID | -u | --uuid= | --uuid=69a7bf39:2dc32623:3e9ac3e6:8f105c7e |
アレイの名称 | -N | --name | --name=RAID1Array |
アレイのホームホスト | なし | --homehost | --homehost=myHost |
アレイのダーティーマーク | なし | なし | なし |
内部ビットマップの無効化 | なし | なし | なし |