マージコミットでPGP署名を行う
「マージコミット」でPGP署名を行います。「マージコミット」でPGP署名を行うと、「マージコミット」で生成される「コミットオブジェクト」にPGP署名が行われます。
PGP署名を指定するコマンドのオプションについて
PGP署名を指定するコマンドのオプションは、以下のオプションを指定します。ショートオプション | ロングオプション | オプションの値 |
---|---|---|
-S | --gpg-sign | 秘密鍵を特定する情報 |
秘密鍵を特定する情報
秘密鍵を特定する情報を指定します。例えば、以下の情報が指定できます。
- 秘密鍵の所有者の名前
- 秘密鍵の所有者のメールアドレス
- 秘密鍵の鍵ID
-Sオプションの利用について
「-S」オプションを利用して秘密鍵を指定する時は、オプションとオプションの値の間にスペースを入れず、詰めて記述してください。例えば、以下のような記述方法になります。
git merge -Skledgeb@kledgeb.com --verbose fix
オプションの値を省略した場合
オプションの値は省略することができます。オプションの値を省略した場合は、以下の設定を元に秘密鍵を特定します。
- user.name
- user.email
- user.signingKey
PGP署名に使用する秘密鍵について
ここでは例として、以下の秘密鍵を使用して署名を行います。1.署名に使用する秘密鍵
署名に使用する秘密鍵は、自分の環境で作成した以下の秘密鍵を使用します。2.秘密鍵のプロパティー
秘密鍵のプロパティーは、以下のようになっています。コマンドの実行例
コマンドの実行例です。1.ブランチの確認
現在のブランチ構成を確認すると、以下のようになっています。現在のブランチは、「master」ブランチであることが分かります。
同様に、「HEAD」は「master」ブランチを指していることが分かります。
ここでは例として、「master」ブランチに「fix」ブランチをマージします。
2.ブランチの状態
ブランチの状態を図にすると、以下のようになります。見ての通り、この状態で「master」ブランチに「fix」ブランチをマージすると、「3ウェイマージ」によるマージになることが分かります。
3.コマンドの実行
コマンドのオプションは、上記を参考にしてください。「端末」から、以下のコマンドを実行します。
コマンドの詳細は、「ファイルのマージを行うコマンドの説明」を参考にしてください。
ポイントは、赤字の箇所です。
git merge --gpg-sign=kledgeb@kledgeb.com --verbose fix
4.コミットメッセージの入力
「3ウェイマージ」によるマージが行われ、かつ、「マージコンフリクト」が発生しなかったため、「マージコミット」が行われます。通常のコミットと同様に「コミットメッセージ」を入力します。
「コミットメッセージ」を入力したら、ファイルを上書き保存してテキストエディターを終了します。
5.パスフレーズの入力
秘密鍵のロックを解除するため、秘密鍵のパスフレーズを入力し、「ロック解除」ボタンをクリックします。6.コマンドの実行結果
「3ウェイマージ」によるマージの結果が表示されます。また、署名に使用した秘密鍵の情報が表示されます。
7.マージ後のブランチの確認
マージ後のブランチを確認すると、以下のようになっています。「master」ブランチの「ブランチヘッド」が指す「コミットオブジェクト」の識別子は、「マージコミット」で生成した「コミットオブジェクト」を指しています。