マージ実行時、Rerereによるマージコンフリクトの解消を行い、マージコンフリクトが発生したファイルをステージングエリアに追加する
マージ実行時、Rerere(Reuse recorded resolution)による「マージコンフリクト」の解消を行い、「マージコンフリクト」が発生したファイルをステージングエリアに追加します。Rerere(Reuse recorded resolution)
「マージコンフリクト」発生時、ユーザーは「マージコンフリクト」が発生したファイルを手動で編集し、「マージコンフリクト」の解消を行います。「Git」は、ユーザーが行ったファイルの編集結果を記録しておくことができます。
次回以降のマージにおいて、もし同じ内容の「マージコンフリクト」が発生した場合、ファイルの編集記録から、自動的に「マージコンフリクト」の解消を行うことができます。
この仕組みのことを、Rerere(Reuse recorded resolution)といいます。
マージとRerere
「git merge」コマンドでマージを行うと、自動的にRerereによる「マージコンフリクト」の解消を行います。オプションの指定の有無は関係ありません。
ファイルの編集記録
Rerereを利用して自動的に「マージコンフリクト」を解消するには、事前にファイルの編集結果を記録しておく必要があります。Rerereを有効にした状態で「マージコンフリクト」が発生し、「マージコンフリクト」が発生したファイルを編集すれば、ファイルの編集結果が記録されます。
ここでは例として、以下の編集結果を記録しています。
1.マージコンフリクト発生時のファイル
「マージコンフリクト」発生時、ファイルの中身は以下のようになっています。2.マージコンフリクトの解消とファイルの編集
以下のようにファイルを編集し、「マージコンフリクト」解消後、コミットしています。コマンドの実行例
コマンドの実行例です。1.ブランチの確認
現在のブランチ構成を確認すると、以下のようになっています。現在のブランチは、「master」ブランチであることが分かります。
同様に、「HEAD」は「master」ブランチを指していることが分かります。
ここでは例として、「master」ブランチに「fix」ブランチをマージします。
2.ブランチの状態
ブランチの状態を図にすると、以下のようになります。見ての通り、この状態で「master」ブランチに「fix」ブランチをマージすると、「3ウェイマージ」によるマージになることが分かります。
3.コマンドの実行
コマンドのオプションは、以下のオプションを指定します。オプション |
---|
--rerere-autoupdate |
「端末」から、以下のコマンドを実行します。
コマンドの詳細は、「ファイルのマージを行うコマンドの説明」を参考にしてください。
ポイントは、赤字の箇所です。
git merge --verbose --rerere-autoupdate fix
4.コマンドの実行結果
「3ウェイマージ」によるマージの結果が表示されます。「マージコンフリクト」発生後、「マージコンフリクト」が発生したファイルに対し、自動的にRerereによる自動マージが行われます。
Rerereによる「マージコンフリクト」の解消が行われても、コミットが自動的に行われることはありません。
5.ワーキングディレクトリーの確認
「ワーキングディレクトリー」の状態を確認すると、Rerereによる「マージコンフリクト」の解消が行われたファイルが、「ステージングエリア」に追加されています。6.マージコンフリクトが発生したファイルの中身
「マージコンフリクト」が発生したファイルの中身を見ると、以下のようになっています。Rerereによる「マージコンフリクト」の解消が行われています。
7.コミットを行う
「マージコンフリクト」が発生すると、自動的に「マージコミット」は行われないため、自分でコミットを行います。8.マージ後のブランチの確認
マージ後のブランチを確認すると、以下のようになっています。「master」ブランチの「ブランチヘッド」が指す「コミットオブジェクト」の識別子は、「マージコミット」で生成した「コミットオブジェクト」を指しています。