Recursiveマージストラテジーで、行末の空白文字を無視し、複数の空白文字を同一文字とみなし、リベースする
「Recursiveマージストラテジー」で、行末の空白文字を無視し、複数の空白文字を同一文字とみなして差分を作成し、「リベース」を行うことができます。空白文字とは、半角スペースやタブのことです。
複数の空白文字を同一文字とみなすとは、例えば、連続した2文字の空白文字と連続した10文字の空白文字を同一文字とみなす、ということです。
通常のリベース
まずは比較のため、「Recursive」マージストラテジーを利用した「リベース」結果を見てみます。1.ブランチの確認
現在のブランチ構成を確認すると、以下のようになっています。現在のブランチは、「fix」ブランチであることが分かります。
同様に、「HEAD」は「fix」ブランチを指していることが分かります。
2.ブランチの構成
現在のブランチの構成を図にすると、以下のようになっています。「fix」ブランチを「master」ブランチにリベースするため、リベース対象の「コミットオブジェクト」は、以下のようになります。
- Commit4
- Commit5
3.masterブランチのcommon.txtファイルの中身
「master」ブランチの「common.txt」ファイルの中身は、以下のようになっています。グレーの「・」は、半角スペースを表しています。
4.fixブランチのcommon.txtファイルの中身
「fix」ブランチの「common.txt」ファイルの中身は、以下のようになっています。グレーの「・」は、半角スペースを表しています。
5.リベースの実行
「端末」から以下のコマンドを実行し、リベースを行います。
git rebase --verbose --merge --strategy=recursive master
6.マージコンフリクトの発生
以下のように、「master.txt」ファイルで「マージコンフリクト」が発生します。7.master.txtファイルの中身
「マージコンフリクト」が発生した「master.txt」ファイルの中身を見てみると、差分が衝突した箇所に「コンフリクトマーカー」が挿入されています。行末の空白文字を無視し、複数の空白文字を同一文字とみなし、リベースする
行末の空白文字を無視し、複数の空白文字を同一文字とみなし、リベースします。「1.」から「4.」までは、上記と同じです。
5.コマンドの実行
コマンドのオプションは、以下のオプションを指定します。ショートオプション | ロングオプション | オプションの値 |
---|---|---|
-s | --strategy= | recursive |
-X | --strategy-option= | ignore-space-change |
「端末」から、以下のコマンドを実行します。
コマンドの詳細は、「ファイルの変更内容を異なるブランチに結合するコマンドの説明」を参考にしてください。
ポイントは、赤字の箇所です。
git rebase --verbose --merge --strategy=recursive --strategy-option=ignore-space-change master
6.コマンドの実行
以下のように、リベース結果が表示されます。7.ブランチの確認
現在のブランチ構成を確認すると、以下のようになっています。「fix」ブランチが指す「コミットオブジェクト」の識別子が、「1.」と異なっています。
8.ブランチの構成
現在のブランチの構成を図にすると、以下のようになっています。「Commit4」の変更内容を元に、「Commit4’」が新規に生成されています。
「Commit5」は差分がなかったため、空のコミットオブジェクトになり、リベース先でコミットされていません。
「Commit4」と「Commit5」は、いずれも削除されています。
9.master.txtファイルの中身
リベース後の「master.txt」ファイルの中身を見てみます。差分がなかったため、リベース先の内容がそのまま採用されています。