設定ファイルの作成例
一例として設定ファイルを作ってみます。設定ファイルを作るにあたり、センサーチップ名と各センサー機能の識別名(feature name)を調べる必要があります。
また各センサー機能の役割をセンサーチップやハードウェアのデータシート等で調べる必要があります。
ただしここで作成する設定ファイルは、各センサー機能の役割は無視します。
また対象とするセンサーチップ名は「nct6776-isa-0290」とし、一部のセンサー機能のみを対象とします。
1.「sensor」コマンドの実行
端末で「sensors -c /dev/null」コマンドを実行し、センサーチップ名と各センサー機能の識別名を表示します。コマンドの実行結果から、センサーチップ名は「nct6776-isa-0290」だと分かります。
各センサー機能の識別名は「in0」「in1」…だと分かります。
ちなみにデフォルトの設定ファイルで「sensors」コマンドを実行した結果は以下になります。
2.設定ファイルの作成
「/etc/sensors.d」フォルダー内に「Mysensors3.conf」ファイルを作成し、以下のように記述します。chip "nct6776-*"
label in0 "MyIn0"
label in1 "MyIn1"
label in4 "MyIn4"
label in5 "MyIn5"
label fan2 "CPU Cooler"
set in1_min 2.0 * 0.90
set in1_max 2.0 * 1.10
set in4_min 1.0 * 0.90
set in4_max 1.0 * 1.10
set in5_min 1.7 * 0.90
set in5_max 1.7 * 1.10
set fan2_min 200
「chip」ステートメント
ここで対象とするセンサーチップ名を指定します。「*」はワイルドカードです。
「label」ステートメント
センサー機能の名称を指定します。分かりやすい名称を指定すると良いでしょう。
フォーマットは以下の通りです。
label センサー機能の識別名 名称
「set」ステートメント
センサー機能の許容値の最小値と最大値を指定します。最小値や最大値はデータシート等を参照してください。
フォーマットは以下の通りです。
set センサー機能の識別名_min 数値
set センサー機能の識別名_max 数値
数値の部分は数値だけでなく、計算式も利用できます。
他にも利用できるステートメントはたくさんありますが、省略します。
編集したらファイルを保存します。
3.設定ファイルの反映
setステートメントを反映するため、以下のコマンドを実行します。sudo sensors -s
setステートメントを記述しない場合は、この手順を飛ばします。