Ubuntuソフトウェアセンターの廃止
Ubuntu 16.04で「Ubuntuソフトウェアセンター」の廃止が検討されています。「Ubuntuソフトウェアセンター」は、ユーザーがアプリケーションのインストールやアンインストールを行う時に利用するソフトウェアです。
リポジトリーの管理も行え、パッケージ管理システムのGUIフロントエンドとして動作するソフトウェアです。
あれから6年
「Ubuntuソフトウェアセンター」はUbuntu 9.10で初めて搭載され、2009/10/29にリリースされました。Ubuntu 15.10でも、「Ubuntuソフトウェアセンター」がデフォルトでインストールされ、アプリの紹介やインストール等を支援してきました。
この6年の間、「Ubuntuソフトウェアセンター」は機能の追加や改善が施され、現在に至っています。
この「Ubuntuソフトウェアセンター」が、時期バーションであるUbuntu 16.04で廃止される予定です。
Ubuntuソフトウェアセンターの機能を振り返る
「Ubuntuソフトウェアセンター」には、「Synaptic」や「apt-get」のようなソフトウェアと同種のソフトウェアである、というイメージがあるかと思います。「Ubuntuソフトウェアセンター」には、それらのソフトウェアにはないデスクトップユーザーに向けた様々な機能を提供しています。
これらの機能は、「Synaptic」や「apt-get」から利用することはできません。
ソフトウェアのレビュー機能
ユーザーがソフトウェアのレビューを行い、ソフトウェアの評価を行える機能があります。ユーザーは星の数などソフトウェアのレビューを見て、アプリの評判を知ることができます。
またこの機能を利用して、アプリを人気順にソートする機能も提供しています。
ソフトウェアのおすすめ機能
ユーザーがインストールしたソフトウェアから、そのユーザーに向けたおすすめのソフトウェアを提案する機能があります。販売されているソフトウェアの紹介とインストール
販売されているソフトウェアの紹介と、そのソフトウェアのインストールを支援する機能が提供されています。ソフトウェアの販売は、メーカーなど法人だけでなく、個人も「Ubuntuソフトウェアセンター」を通じて有償で販売することができます。
中にはプロプライエタリーソフトウェアを無償で提供しているところもあります。
「Google Play」や「App Store」と似たようなサービスですね。
詳細は「Other forms of submitting apps」を参考にしてください。
購入したソフトウェアはユーザーが作成したUbuntu Oneアカウントで管理され、後で購入したソフトウェアを再インストールすることもできます。
異なるPCに同じアプリのインストール環境を構築する
あるPCのアプリ環境を、別のPCに構築する機能が提供されています。新しいPCに既存のPCと同じアプリ環境を構築したい時に利用する機能です。
Unityランチャーにアプリのアイコンを作成
アプリをインストール完了時に、Unityランチャーにアプリを起動するアイコンを作成します。例えば、「Leafpad」をインストールしてみます。
インストールが完了すると、以下のようにUnityランチャーにアプリを起動するアイコンを作成します。
Ubuntuソフトウェアセンターを取り巻く状況
「Ubuntuソフトウェアセンター」を取り巻く状況を見てみます。アプリの販売ができなくなった
「Ubuntuソフトウェアセンター」を通じてソフトウェアの販売ができなくなりました。この機能は、ソフトウェアを販売している開発者や、販売されているソフトウェアを購入したユーザーに十分な周知が行われないまま、Ubuntu 15.04から無効になっています。
従ってUbuntu 15.04以降のユーザーは、販売されているソフトウェアを購入できなくなりました。
以前のUbuntuのバージョンで購入したソフトウェアは、ユーザーが使用しているUbuntuのバージョンにそのソフトウェアが対応していれば、引き続き利用できます。
debからsnappyへ
Canonicalは、開発者が販売するソフトウェアのパッケージ形態を、debパッケージからsnappyパッケージへ移そうとしています。既存のdebパッケージは、ソフトウェアの販売に向いていないとのことです。
そのため、Ubuntu Desktopでアプリを販売する既存のシステムを、Ubuntu Phoneで利用するシステムで再構築するため、リソースをシステムの再構築に注いでいます。
ソフトウェアをUbuntuで販売しようとしている開発者は、このシステムが構築されるまで待つ必要があります。
Ubuntu MATE 15.10からUbuntuソフトウェアセンターがインストールされなくなった
Ubuntu MATE 15.10では、デフォルトで「Ubuntuソフトウェアセンター」がインストールされなくなりました。「Ubuntu Software Center has been removed from the default install of Ubuntu MATE 15.10」を参考にしてください。
後からユーザーが自分で「Ubuntuソフトウェアセンター」をインストールすることはできます。
Ubuntu 16.04ではSoftwareがインストールされる
Ubuntu 16.04では、「Ubuntuソフトウェアセンター」の代わりに、「Software(gnome-software)」がデフォルトでインストールされる予定です。参考
- Commercial software FAQs
- Ubuntu developer portal | Publish
- Software
- Canonical is letting the Ubuntu Software Center wither and die