Ubuntu 32bit版とUbuntu 64bit版の性能比較
PhoronixでUbuntu 32bit版とUbuntu 64bit版の性能比較が行われています。- Ubuntu 16.04 LTS 32-bit vs. 64-bit Linux Performance
- Using 64-bit Linux Software To Reduce Power Consumption?
スペック
ベンチマークに使用したPCのスペックです。項目 | スペック |
---|---|
CPU | Intel Core i7-4558U @ 3.30GHz |
チップセット | Intel Haswell-ULT |
メモリー | 8GiB |
OS | Ubuntu 16.04(32bit/64bit) |
Linux Kernel | 4.4.0-11-generic |
Xサーバー | 1.18.1 |
詳細は、上記リンクを参照してください。
Linuxゲームのベンチマーク
Linuxゲームのベンチマークでは、ほんの少しUbuntu 64bit版の方がパフォーマンスが良くなる傾向にありますが、ほとんど変わりません。このベンチマークでは、数値が大きいほど性能が良いということになります。
動画のエンコードとカーネルビルドのベンチマーク
動画のエンコードとカーネルビルドのベンチマークでは、すべての項目においてUbuntu 64bit版の方がパフォーマンスが良いです。特に動画のエンコードでは、最大で1.4倍程度の差がでています。
「More Is Better」と記述されているベンチマークでは、数値が大きいほど性能が良いということになります。
一方、「Less Is Better」と記述されているベンチマークでは、数値が小さいほど性能が良いということになります。
データ処理のベンチマーク
データ処理のベンチマークでも、すべての項目においてUbuntu 64bit版の方がパフォーマンスが良いです。「OpenSSL v1.0.1gRSA 4096-bit Performance」では、4.4倍もの差がついています。
消費電力のベンチマーク
消費電力のベンチマークでも、すべての項目においてUbuntu 64bit版の方が消費電力が小さくなる結果が出ています。各ベンチマークの「Min」が最小消費電力、「Avg」が平均消費電力、「Max」が最大消費電力です。
平均消費電力で見ると、1ワットから5ワット程度の差がでています。
32bit版と64bit版どちらを選ぶか
ベンチマークの結果を見る限り、Ubuntu 64bit版を選ぶのが良いでしょう。他にも以下の項目を検討して決めると良いかと思います。
1.Ubuntu 64bit版を利用できるPCである
Ubuntu 64bit版を利用できるPCでなければ、そもそもUbuntu 64bit版をインストールすることはできません。2.メモリーが十分にある
Ubuntu 64bit版をインストールできるハードウェアでも、メモリーの搭載量が少ないPCでは動作に不満が出るかと思います。インストールしたUbuntu上でどのようなアプリを動作させるかにもよりますが、最低でも4GiB以上、できれば8GiB以上のメモリーが欲しいところです。
3.利用したいアプリがUbuntu 64bit版でも利用できる
利用したいアプリがUbuntu 32bit版上でしか動作しないとなると、Ubuntu 32bit版を選ぶしかありません。Ubuntu 64bit版では32bit版のアプリを動作させる仕組みがあり、多くの32bit版のアプリは動作するでしょう。
もし利用したいアプリが32bit版しかない場合は、Ubuntu 64bit版でも動作するか調べておくと良いです。
補足
「Google Chrome」など、Ubuntu 32bit版をサポートしないアプリが出始めており、今後この傾向が強くなっていくかもしれません。十分な性能を持つPCであれば、まずUbuntu 64bit版を検討してみると良いかと思います。
インストール済みのUbuntu 32bit版をUbuntu 64bit版へそのまま移行するような手段は提供されていないため、Ubuntuを継続的に利用するのであれば、将来を見越してUbuntu 64bit版を選択するのも良いでしょう。