望遠鏡のガイドプラグイン
望遠鏡のガイドプラグインは、望遠鏡の観測位置を調整するプラグインです。PCと望遠鏡を接続し、「Stellarium」から望遠鏡の観測位置を調整することができます。
例えば天体望遠鏡で土星を観測したければ、「Stellarium」で土星を選択し土星が観測できる方向に天体望遠鏡の向きを変更する変更することができます。
このプラグインは天体望遠鏡にslew(go to)コマンドを送信し、天体望遠鏡の向きを変更します。
また天体望遠鏡から現在位置を取得し「Stellarium」に表示します。
ただしgo toコマンド以外のコマンドは送信しないため、細かな制御までは行えません。
また天体を追跡する機能はありません。
注意
太陽に観測位置を合わせないように注意してください。「Stellarium」は太陽を選択しても警告を表示しません。
太陽を観測する装置が天体望遠鏡に装着されていなければ、太陽を観測位置に合わせないように注意してください。
夜間の観測をおすすめします。
プラグインの有効化
プラグインを有効にするには、「プラグイン」タブから「望遠鏡のガイド」を選択し、プラグインを有効化します。望遠鏡の設定
望遠鏡のガイドプラグインを利用する前に、プラグインの設定を行う必要があります。1.望遠鏡一覧
現在登録されている望遠鏡の一覧です。事前に望遠鏡を登録しておく必要があります。
2.望遠鏡番号
望遠鏡の番号です。上から順番に1から番号が付けられます。
「Stellarium」で選択されている位置に望遠鏡の観測位置を合わせたい時に、「Ctrl + 番号」キーで望遠鏡の観測位置を合わせることが出きます。
3.状態
「Stellarium」と望遠鏡の接続状態が表示されます。「Connected」と表示されれば「Stellarium」と望遠鏡が接続されている状態です。
「Stellarium」から望遠鏡を操作するには、 「Connected」になっている必要があります。
ただし接続されていないにも関わらず「Connected」と表示されるケースがあります。
4.接続タイプ
「Stellarium」と望遠鏡の接続形態の種類が表示されます。Type | 概要 |
---|---|
local, Stellarium | ローカルPCに望遠鏡が接続されており、 Stellariumから直接望遠鏡に接続する。 |
local, external | ローカルPCに望遠鏡が接続されており、 Stellariumは別のプログラムを経由して望遠鏡に接続する。 |
remote, unknown | 別のPCに望遠鏡が接続されており、 Stellariumはネットワークを経由して望遠鏡に接続する。 |
virtual | Stellariumの仮想望遠鏡に接続する。 |
5.望遠鏡名
望遠鏡の名称です。望遠鏡の名称はユーザーが任意の名称を指定します。
6.接続/切断
「1.」で選択されている望遠鏡と接続・切断します。「Stellarium」から望遠鏡を操作するには、まず望遠鏡と接続する必要があります。
接続されている望遠鏡と切断すると、「Stellarium」から操作できなくなります。
7.Configure
「1.」で選択されている望遠鏡の設定画面を表示します。8.Add
新規に望遠鏡を追加します。9.削除
「1.」で選択されている望遠鏡を削除します。望遠鏡を追加する
「8.Add」ボタンをクリックすれば、望遠鏡を追加することができます。1.接続タイプの選択
望遠鏡の接続タイプを選択します。Stellarium, directory through a serial port
デバイスファイルを指定して直接望遠鏡に接続するタイプです。External software or a remote computer
別のプラグラム(サービス)を指定して望遠鏡に接続するタイプです。Nothing, just simulate one
仮想望遠鏡です。望遠鏡をシミュレートしますが、主にデバッグ向けの機能です。
2.望遠鏡の基本設定
「Telescope properties」で望遠鏡の基本設定を行います。Name
望遠鏡の名称を入力します。Connectyion delay
望遠鏡の観測位置変更時、「Stellarium」上で接眼レンズのレチクル(十字線・目盛線)が望遠鏡の観測位置に合わせて移動ます。この移動にムラがある場合、ここの数値を増減させて調整してください。
Coordinate system
望遠鏡が使用する天球座標を選択します。項目 | 座標 |
---|---|
J2000 | J2000.0分点の天体の赤道座標です。 |
Equinox of the date (JNow) | 現在設定されている日付を分点とした 天体の赤道座標です。 |
Start/connect at startup
チェックをオンにすると、「Stellarium」起動時に望遠鏡に自動的に接続します。チェックをオフにすると、ユーザーが手動で望遠鏡に接続する必要があります。
3.デバイスの設定
「1.」で「Stellarium, directory through a serial port」を選択した場合、「Device settings」でデバイスの設定を行います。Serialport
望遠鏡のデバイスファイルを入力します。Device model
望遠鏡のモデルもしくは互換性のあるモデルを選択します。4.サービスの設定
「1.」で「External software or a remote computer」を選択した場合、「Connection settings」で接続設定を行います。ホスト
望遠鏡が接続されているPCのホスト名かIPアドレスを入力します。TCP port
サービスのポート番号を指定します。5.UI設定
必要に応じてUI設定を行います。Use field of view indicators
チェックをオンにすると、「Stellarium」に表示される望遠鏡の観測位置の照準の周りに、「Circle size」で指定されたFOVの円を描画します。「Circle size」にはFOVの角度を入力します。
複数の角度を入力するには、各角度を「,」で区切って入力します。
6.望遠鏡の追加
望遠鏡の設定が完了したら、画面左下の「了解」ボタンをクリックします。動作設定
設定画面の「オプション」タブをクリックすると、動作設定を行うことができます。Show telescope labels
チェックをオンにすると、「Stellarium」に表示される望遠鏡の観測位置の照準に、望遠鏡の名称を表示します。Show telescope reticles
チェックをオンにすると、「Stellarium」に望遠鏡の観測位置の照準を表示します。Show field of view indicators
チェックをオンにすると、望遠鏡の観測位置の照準の周りにFOVの円を描画します。Log telescope driver messages to file
チェックをオンにすると、望遠鏡との通信ログをファイルに出力します。Use telescope server executables
チェックをオンにすると、望遠鏡と通信する時に使用する外部プログラム(ドライバー)を使用できます。外部プログラムはユーザーが用意する必要があります。
Executables directory
望遠鏡と通信する時に使用する外部プログラムが配置されているフォルダーを指定します。外部プログラムは、ファイル名が「TelescopeServer」で始まる実行可能なファイルでなければなりません。
望遠鏡のガイドプラグインの使い方
望遠鏡のガイドプラグインの使い方です。1.天体の選択
望遠鏡の観測位置を特定の天体に設定したい場合は、その天体を選択します。天体選択後に「Ctrl + 望遠鏡の番号」キーを押すと、望遠鏡の観測位置がその天体に移動します。
2.座標指定画面の表示
メインツールバーから「望遠鏡を指定座標に移動」をクリックします。3.望遠鏡の観測位置の指定
以下の画面が表示されるので、望遠鏡の観測位置を指定します。1.Right Ascension
J2000.0分点の天体の赤道座標の赤経を指定します。座標の単位は「5.」で変更できます。
2.Declination
J2000.0分点の天体の赤道座標の赤緯を指定します。座標の単位は「5.」で変更できます。
3.現在の天体
現在選択している天体の座標を「1.」と「2.」に反映します。4.Center of the screen
画面の中央の座標を「1.」と「2.」に反映します。5.座標の単位
「1.」と「2.」で使用する座標の単位を選択します。6.望遠鏡
操作対象の望遠鏡を選択します。接続済みの望遠鏡のみ指定できます。