Linux Mint 18の変更点や新機能の紹介
「Linux Mint」の月刊ニュースにて、「Linux Mint 18」(開発コード:Sarah)の変更点や新機能が紹介されています。Cinnamon 3.0とMATE 1.14採用
「Linux Mint 18」では、4月にリリースされた「Cinnamon 3.0」と「MATE 1.14」を採用します。X-Appsの採用と既存アプリの置き換え
デスクトップ環境間及びディストリビューション間で同じアプリを提供するため、「X-Apps」プロジェクトにより開発されたアプリを「Linux Mint 18」に採用します。テキストエディターの例
例えばテキストエディターに注目してみます。「Cinnamon」のデフォルトのテキストエディターは、「gedit」です。
一方、「MATE」のデフォルトのテキストエディターは、「pluma」です。
「X-Apps」プロジェクトでは「xed」を開発し、既存のデフォルトのテキストエディターの代わりに「xed」を「Linux Mint 18」に採用します。
新しいアプリの一覧
現在の予定では、以下のアプリが採用されます。新しいアプリ | ベースアプリ | 置き換えとなるアプリ | 備考 |
---|---|---|---|
xplayer | totem | totem | マルチメディアプレーヤー |
xed | pluma | gedit pluma |
テキストエディター |
xviewer | eog | eog eom ristretto |
画像ビューワー |
xreader | atril | atril evince |
ドキュメントリーダー |
リリースマネージメントの変更
リリースマネージメントが変更され、リリースプロセスの簡略化及びディスクイメージの生成プロセスが変更されました。ディスクイメージの種類が整理された
今までは、テスト向けも含め18種類のディスクイメージが提供されていました。- β版 4つ
- 安定版 8つ
- OEM版 2つ
- NoCodec版 2つ
このうち、OEM版とNoCodec版のディスクイメージのリリースが行われなくなります。
代わりに他のディストリビューションと同様、ディスクイメージはコーデック無しでリリースされます。
また同様にOEMインストールも、通常のディスクイメージでサポートされるようになります。
従って提供されるディスクイメージは、以下の12種類になります。
- β版 4つ
- 安定版 8つ
リリーサイクルの整理
今までリリースに関するイベントは、以下の5種類がありました。- βリリース
- Cinnamon/MATE安定版リリース
- OEM/NoCodecリリース
- アップグレードパス
- Xfce/KDE安定版リリース
OEM版とNoCodec版の削除により、以下の4種類に変更されます。
- βリリース
- Cinnamon/MATE安定版リリース
- アップグレードパス
- Xfce/KDE安定版リリース
OEM版とNoCodec版を削除する理由
OEM版や既存のコーデック入ディスクイメージの提供は、非常にコストがかかる割にLinux Mintの改善にほとんど繋がっていないためです。そのためOEM版とNoCodec版を削除し、通常版のディスクイメージからコーデックを外し(すなわちNoCodecになる)、OEMのインストールサポートを統合します。
コーデックをインストールするには
コーデックをインストールするには、ようこそ画面でマルチメディアコーデックをクリックします。もしくはメニューから、「サウンドとビデオ」>「マルチメディアコーデックのインストール」をクリックします。
インストール時にマルチメディアコーデックをインストールすることも可能です。
Ubuntu 16.04ベースになる
「Linux Mint 18」は、「Ubuntu 16.04」をベースとして開発が行われます。2年ぶりのリリースとなるため、多くの更新されたソフトウェアや新しいカーネル、システム等が盛り込まれます。
これにより新しいハードウェアがサポートされ、また既存のハードウェアの動作も改善されます。
Ubuntu 16.04の変更点は、以下を参考にしてください。
新しいテーマの導入
「Linux Mint 18」では、新しいテーマである「Mint-Y」テーマが導入されます。「Mint-Y」テーマはフラットなデザインのテーマです。
「Mint-Y」テーマは、非常に人気のある「Arc」テーマと「Moka」テーマを基にしています。
ただし現在のテーマである「Mint-X」テーマから見た目を急激に変化させないように、状況を見て「Mint-Y」テーマを導入します。
デフォルトのテーマはMint-X
「Linux Mint 18」のデフォルトのテーマは、引き続き「Mint-X」テーマです。ですので「Linux Mint 18」の見た目は、「Linux Mint 17」と同じです。
「Linux Mint 18」では、「Mint-X」テーマと「Mint-Y」テーマをデフォルトでインストールします。
Mint-Yテーマをデフォルトにしない理由
「Mint-Y」テーマをデフォルトにしない理由は、ユーザーの評判を確認するためです。ユーザーに「Mint-Y」テーマを使ってもらい、フィードバックして欲しいとのことです。
機が熟すのを待って、デフォルトのテーマを「Mint-Y」テーマに切り替えます。
HiDPIのサポート
HiDPIのサポート及びサポートが改善され、多くのアプリでHiDPIのサポートが行われました。βリリースのスケジュール
「Linux Mint 18」のβリリースは、6月に行われます。日にちの明確な設定はありません。
βリリースができる段階になったらディスクイメージが提供され、βリリースのアナウンスが行われます。
正式リリースの日程は決まっておらず、おそらく正式リリースは7月から8月頃になると思われます。