GTK2版MATEとGTK3版MATEのメモリー使用量の比較
以前紹介した通り「Ubuntu MATE 16.10」では、デスクトップ環境である「MATE」が「GTK3」でビルドされるようになります。現在「Ubuntu MATE 16.04」で提供されている「MATE」は、「GTK2」でビルドされています。
「MATE」公式ブログにて、GTK2版MATEとGTK3版MATEのメモリー使用量の比較が行われています。
OS | MATE | GTK+ | メモリー使用量 |
---|---|---|---|
Ubuntu MATE 16.04 | MATE Desktop 1.12.1 | GTK2 | 353.0MiB |
Ubuntu MATE 16.04 | MATE Desktop 1.14.1 | GTK2 | 358.4MiB |
Ubuntu MATE 16.10 pre α | MATE Desktop 1.14.1 | GTK3 | 351.7MiB |
メモリー使用量の結果から、GTK3版MATEのメモリー使用量が最も少ないことが分かります。
また全体的に見てもメモリー使用量にそれほど大きな差がないことも分かります。
GTK2よりGTK3の方がメモリー使用量が多いはず
普通に考えればGTK3は、HiDPIのサポートなどモダンな機能や新しい機能が追加されているため、GTK3版MATEの方がメモリー使用量が大きくなるはずです。Ubuntu MATE 16.10で変わったこと
「Ubuntu MATE 16.10」では、GTK3版MATEの採用以外にもいくつか変更点があります。Tildaがログイン時に自動起動しなくなった
「Ubuntu MATE 16.04」では、ユーザーのログイン時に「Tilda」が自動起動していました。一方「Ubuntu MATE 16.10」では、「Tilda」が自動起動しないようになりました。
ローカルDNSリゾルバーの仕組みが変わる
「Ubuntu MATE 16.04」では、ローカルDNSリゾルバーに「dnsmasq」を利用しています。ネットワークマネージャーが「dnsmasq」を起動し、名前解決に使用しています。
一方「Ubuntu MATE 16.10」ではローカルDNSリゾルバーの仕組みが変わり、「libnss-resolve」経由で「systemd-resolved」が使用されます。
GTK3のみ提供
「Ubuntu MATE 16.04」では、GTK2版のソフトウェアとGTK3版のソフトウェアが混在しており、両ツールキットが読み込まれます。一方「Ubuntu MATE 16.10」では、GTK3版のソフトウェアのみ提供されるため、GTK3ツールキットのみが読み込まれるようになります。
これらの変更がメモリー使用量の削減につながっているのではないか、とのことです。
純粋なMATEの比較では、GTK3版のMATEのメモリー使用量が上
純粋なMATEの比較では、GTK2版MATEよりGTK3版MATEの方がメモリー使用量が上回ります。とは言え上記でのメモリー使用量の結果を見ても、大きな影響を与えるほどメモリーの使用量に大きな差はないため、「Ubuntu MATE 16.10」は引き続き軽量なフレーバーとして活用できるでしょう。