リリースノートから変更点や既知の問題をピックアップ
「Ubuntu 16.10」のリリースノートから変更点や既知の問題をピックアップします。ここではデスクトップユーザー向け(Ubuntu Desktop)の内容を中心にピックアップします。
リリースノートは以下を参照してください。
1.サポート期間は9ヶ月
「Ubuntu 16.10」は通常リリースとなるため、サポート期間は9ヶ月になります。従って2017年7月までサポートが提供されます。
1つ前のバージョンである「Ubuntu 16.04」はLTSリリースであるため、5年間の長期サポートが提供されます。
長いサポート期間や安定性を重視する人は、「Ubuntu 16.04」を利用すると良いでしょう。
2.Unity 7がデフォルトのセッション
引き続き「Unity 7」がデフォルトのセッションになっています。3.Linux Kernel 4.8採用
「Ubuntu 16.10」では、「Linux Kernel 4.8」をベースとした「Linux Kernel」を採用しています。「Ubuntu 16.04」では「Linux Kernel 4.4」が採用されていましたから、4回バージョンアップをしていることになります。
「Linux Kernel 4.5」〜「Linux Kernel 4.8」までの主な変更点は、以下を参照してください。
バージョン | リリース日 |
---|---|
Linux Kernel 4.5 | 2016/3/13 |
Linux Kernel 4.6 | 2016/5/15 |
Linux Kernel 4.7 | 2016/7/24 |
Linux Kernel 4.8 | 2016/10/2 |
4.gnupg2採用
今までは「gnupg」を採用していましたが、「Ubuntu 16.10」では「gnupg2」を採用しています。「gnupg2」は署名などPGPの操作や管理を行うソフトウェアです。
5.LibreOffice 5.2の採用
オフィススイートである「LibreOffice」は、「LibreOffice 5.2.2.2」が採用されています。またデフォルトで「GTK+3」を利用した実装が使用されます。
LibreOffice Writer 5.2の新機能紹介動画
例えば、以下の機能が追加や改善がなされています。
- シングルツールバーモード
- 相互参照タブでフィルターを選択
- 再設計されたブックマークダイアログウインドウ
LibreOffice Calc 5.2の新機能紹介動画
例えば、以下の機能が追加や改善がなされています。
- 新しい表計算関数
- XLS/XLSX と ODF 1.2 の互換性を保つワイルドカードのサポート
- ローカルスコープにある名前付き式や範囲を他のシートで使用
- シートコピー時の名前付き式や範囲のコピー
- 数値の書式の改善
LibreOffice Impress 5.2の新機能紹介動画
6.ソフトウェアの更新がPPAのchangelog表示に対応
今まで「ソフトウェアの更新」はPPAのchangelogの表示には対応していませんでしたが、「Ubuntu 16.10」ではPPAのchangelogも表示されるようになります。7.多くのGNOMEアプリが3.22にアップデート
多くのGNOMEアプリが3.22にアップデートされました。「Nautilus」等一部のアプリは、3.20のGNOMEアプリを採用しています。
8.Nautilus 3.20の採用
デフォルトのファイルマネージャーである「Nautilus」は、「Nautilus 3.20」を採用しています。9.ユーザーセッションがsystemdへ移行
今までユーザーセッションに「upstart」を採用していましたが、「Ubuntu 16.10」では「systemd」を採用しています。10.Unity 8をデフォルトでインストール
次世代のデスクトップ環境である「Unity 8」とディスプレイサーバーである「Mir」がデフォルトでインストールされるようになりました。「Unity 8」は「Developer Preview」という位置づけです。
α版やそれ以前の扱いですので、常用には向きません。
既知の問題
既知の問題です。1.Wifiのアクセスポイントを表示しない
OEMエンドユーザーモード(OEMインストール)において、ネットワークインジケーターがWifiのアクセスポイントを表示しません。回避策は、PCを再起動することです。
2.Bluetootドライバーが全く機能しない
「Dell」製ノートPCの「XPS13 9434」にて、Bluetootドライバーが全く機能しません。3.GTK+テーマの表示が崩れる
「GTK+ 3.20」にて「GTK+テーマ」の仕様が変更されました。そのため「GTK+テーマ」の開発者は、その仕様に合うようにテーマを修正する必要があります。
「Ubuntu 16.04」で正常に表示されていた「GTK+テーマ」でも、「Ubuntu 16.10」では表示が崩れる可能性があります。
多くの人気のある「GTK+テーマ」は「GTK+ 3.20」と互換性を確保するように修正が行われています。