Unity 8登場
「Ubuntu 16.10」では、「Developer Preview(Technical Preview)」という位置づけで「Unity 8」がデフォルトでインストールされています。次世代のディスプレイサーバーである「Mir」に対応したGPUドライバーがインストールされている環境で「Unity 8」を利用することが出来ます。
Unity 8でログインするには
「Unity 8」でログインする方法です。1.デスクトップ環境選択の表示
ログイン画面でデスクトップ環境選択ボタンをクリックします。2.Unity 8の選択
「Unity8」をクリックします。3.ログインする
以下のように「Unity 8」アイコンが表示されます。後は普通にログインするだけです。
Unity 8デスクトップ画面
「Unity 8」でログインすれば、以下のように「Unity 8」デスクトップ画面が表示されます。ランチャー
画面左端にマウスカーソルを移動させると、ランチャーが表示されます。一番上の「Ubuntu」ボタンをクリックすると、「Scopes」ウィンドウが表示されます。
Scopesウィンドウ
「Scopes」ウィンドウからアプリを起動できます。システム
インジケーターの「システム」ボタンをクリックすれば、以下のようにユーザー切り替えやログアウトなどセクションに関する操作が可能です。なんとなくデザイン(見せ方・使わせ方)が「Budgie」に似ていますね。
時刻と日付
インジケーターの「時刻と日付」ボタンをクリックすれば、カレンダーや時刻が表示されます。サウンド
インジケーターの「サウンド」ボタンをクリックすれば、音声ボリュームの調整が可能です。ネットワーク
インジケーターの「ネットワーク」ボタンをクリックすれば、無線LANなどネットワークの設定が可能です。「Bluetooth」の設定もここから行えます。
補足
日本語環境で「Unity 8」を利用すると、スクリーンキャプチャー作成時に画面がフリーズしてしまうため、上記では英語環境で「Unity 8」を利用しています。日本語環境で「Unity 8」を利用すれば、各項目は日本語で表示されます。
Unity 8の注意事項
「Unity 8」の利用に関する注意事項です。1.Developer Previewである
「Unity 8」は「Developer Preview」です。すなわち「Unity 8」はまだ完成しておらず、α版やα版以前の出来であるということです。
フリーズしたり、アプリが起動できなかったり、そもそもログイン出来なかったりと、様々な不具合に遭遇する可能性が高いです。
普段作業に利用しているPCで「Unity 8」の積極的な利用はおすすめしません。
2.GPUドライバーがMirに対応している必要がある
「Unity 8」は「Mir」ディスプレイサーバー上で動作します。「Mir」は既存の「Xサーバー」を置き換える新しいディスプレイサーバーです。
「Unity 8」を利用するには、GPUドライバーが「Mir」に対応している必要があります。
少なくとも現状ではオープンソースのGPUドライバーを利用する必要があり、また、すべてのGPUドライバーが「Mir」に対応しているとは限りません。
3.Unity 8はVTY8で動作する
「Unity 7」+「Xサーバー」は「VTY7」で動作していましたが、「Unity 8」+「Mir」は「VTY8」で動作します。(Ctrl+Alt+F8)Unity 8の紹介
「Unity 8」の紹介です。Unity 8の紹介動画
「Unity 8」の紹介動画です。Ubuntu 16.10(開発コード:Yakkety Yak)では、Unity 8テクニカルプレビューのデスクトップセッションが登場した。
Unity 8はここ数年間Ubuntu PhoneやTabletで採用されており、その機能は急速に進化してきた。
Unity 8により、スマフォやタブレット、そしてデスクトップのような異なるフォームファクターを分け隔てなく横断的に利用できるようになる。
今やUbuntu 16.10を利用しているユーザーは、ログイン画面から直接Unity 8セッションでログインできるようになった。
ウィンドウ管理
ウィンドウのリサイズ
「Unity 8」はタッチディスプレイで良く動作するように設計されています。3本指で開いているアプリのウィンドウをタッチしてみてください。
ウィンドウをリサイズするポインターがウィンドウの周りに表示されます。
簡単にウィンドウのリサイズを行うことが出来ます。
ウィンドウの切り替え
画面の右端にマウスカーソルを移動させると、以下のようにウィンドウの切り替えが可能です。「Alt + Tab」キーでもウィンドウの切り替えが可能です。
スコープの利用
デフォルトでは、「Unity 8」は「Apps」スコープのみ利用可能になっています。スコープとは、アプリやファイルなどある特定の対象を検索対象とし、検索を行うソフトウェアのことです。
他にも多くのスコープがインストールされており、ユーザーはそれらのスコープを有効にすることが出来ます。
1.スコープの一覧
「Scopes」ウィンドウの下中央にある矢印ボタンをクリックし、一番下までスクロールします。2.スコープの有効化
「Also installed」に利用可能なスコープの一覧が表示されます。利用可能にしたいスコープの右側にある星アイコンをクリックすれば、そのスコープが有効になります。
有効になったスコープは、「Home」セクションのリスト内に配置されます。
メインスコープに戻るには
メインスコープに戻るには、「Scopes」の左上の「Manage」をクリックします。マルチメディアスコープを利用するには
スコープから動画や音楽を再生したり、メディアプレーヤーを起動することが出来ます。1.必要なソフトウェアのインストール
「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo apt install mediaplayer-app mediascanner2.0 unity-scope-mediascanner2 ubuntu-restricted-extras
2.スコープの有効化
上記の手順を参考に「ミュージック」と「ミュージックとビデオ」スコープを有効にします。3.動画や音楽のスキャン
メディアスキャナーが動画や音楽のスキャンを行います。スコープに動画や音楽が表示されない時は、ログインし直してください。
4.音楽の一覧
ミュージックスコープを表示すると、アートワークがあればアートワーク付きで音楽の一覧が表示されます。5.音楽の再生
一覧から音楽をクリックすれば、その音楽がスコープから再生されます。6.動画の再生
同様にビデオスコープから動画の再生も可能です。がっかりするにはまだ早い
「Unity 8」に様々な期待を持っている人はたくさんいるかと思います。しかし現状の「Unity 8」を以ってがっかりするのはまだ早いです。
「Unity 8」は「Developer Preview(Technical Preview)」ですし、まだまだ”これから”といった印象です。
少なくとも現状の「Unity 8」は、デスクトップユーザーにとって使い勝手は良くありません。
「Unity 8」は「Unity 7」からメジャーアップデートしただけでなく、「Xサーバー」から「Mir」への変更も含まれています。
「Mir」の出来やGPUドライバーの対応状況も使い勝手に影響します。
次期LTSリリースである「Ubuntu 18.04(2018年4月リリース予定)」に向けて「Unity 8」がどう変わるのか、興味ある人は今後も注視していくと良いでしょう。
最初の「Unity 8」の安定版リリース後に「Unity 7」+「Xサーバー」の環境と比較して、何ができるようになったのか、何ができなくなったのか、見てみると良いかと思います。