Linux Mint
2017年4月の「Linux Mint」月刊ニュースにて、「Cinnamon 3.4」の変更点が紹介されています。Linux Mint 13のサポート終了
「Ubuntu 12.04」ベースの「Linux Mint 13」のサポート期間が終了しました。今後「Linux Mint 13」にアップデートは提供されません。
今現在「Linux Mint 13」を利用しているユーザーは、早急にサポートされているバージョンへと移行してください。
「Linux Mint 13」は「Ubuntu」のようなアップグレード方法が利用できません。
重要なファイルをバックアップ後、サポートされている「Linux Mint」をクリーンインストールしてください。
現在サポートされている「Linux Mint」のバージョンは、以下のようになっています。
OS | サポート期間 |
---|---|
Linux Mint 18.1 | 2021年4月までサポート |
Linux Mint 17.3 | 2019年4月までサポート |
「Linux Mint 18.1」がおすすめです。
Linux Mint 18.2の開発コード
「Linux Mint 18.2」の開発コードは「Sonya」です。同じ開発チームにいる友人の亡くなられた夫人の名前から付けられた開発コードとのことです。
LMDEでMATE 1.18がもうすぐ利用可能に
今週中に「LMDE」で「MATE 1.18」が利用できるようになります。「MATE 1.18」は「GTK+3」でビルドされます。
「MATE 1.18」の変更点は、以下を参考にしてください。
「MATE」の「GTK+3」への移行に伴い、「mintMenu」も「GTK+3」へ移行します。
Cinnamon 3.4の変更点
「Cinammon 3.4」の変更点です。Cinnamon Settings Daemonのマルチプロセス化
「Cinnamon Settings Daemon」は、パワーマネージメントやXの設定、入力デバイスやモニターの解像度、そして画面の回転など、デスクトップ環境で利用される様々な機能を管理・設定するソフトウェアです。「Cinnamon 3.4」で採用される新しい「Cinnamon Settings Daemon」は、マルチプロセス化されます。
今までの「Cinnamon Settings Daemon」は、「cinnamon-settings-daemon」がシングルプロセスで動作していました。
そのため何か問題が起き「Cinnamon Settings Daemon」はクラッシュすると、「Cinnamon Settings Daemon」が提供している機能全体が動作しなくなります。
また1つのプロセスで様々な機能を提供・実行していたため、原因の追求や切り分けが困難な状態になっていました。
マルチプロセス化により「Cinnamon Settings Daemon」で使用する各プラグイン(機能を提供するモジュール)は、自身のプロセスで動作するようになります。
これによりCPUやメモリーの使用量の変化の把握や、クラッシュ等の問題を切り分けやすくなります。
またプラグインがクラッシュしてもその影響はそのプラグインのみに限定されるため、デスクトップ全体が機能しなくなる状況を避けやすくなります。
Nemoのマルチプロセス化
「Nemo(ファイルマネージャー)」もマルチプロセス化されます。「Nemo」は2種類のプロセスに分割され、デスクトップアイコンやデスクトップの背景を表示・管理するプロセスと、ファイルマネージャーのプロセスに別れます。
CJSのパフォーマンス改善
「CJS(Cinnamon Javascript Interpreter)」の性能とメモリー使用量の改善のため、「CJS」は新しいバージョンの「GJS」で再構築されます。「mozjs24」及び「mozjs38」との互換性が確保されます。
「LMDE」では引き続き「mozjs24」が使用される予定ですが、「Linux Mint 18.2」では「CJS」はバックポートされた「mozjs38」上で動作します。
Nemoでデスクトップグリッドが採用されるかもしれない
「Nemo」でデスクトップグリッドが採用されるかもしれません。Cinnamon Spices
「Cinnamon Spices」のWebサイトが完成しました。GoogleアカウントやFacebookアカウント、及びGithubアカウントで認証し(OAuth)、ログインできるようになりました。
また各「Cinnamon Spices」に対してコメントしたり、「いいね」を投票できるようになりました。
品質向上
「Cinnamon Spices」は継続的にGithubでメンテナンスが行われており、各アプレットやデスクレット、機能拡張やテーマが以前よりも期待通りに動くようになっています。また翻訳が日々行われており、多くの言語に対応しました。
ディスプレイマネージャーをLightDMに変更
「Linux Mint 18.2」ではディスプレイマネジャーに「LightDM」を採用します。Slick-Greeterの開発
「LightDM」で使用するグリーターは、「Slick-Greeter」が使用されます。「Slick-Greeter」は「Unity-Greeter」をフォークして開発されています。
「Unity-Greeter」は「Ubuntu(Unity)」や「GNOME」と密接に関係しているため、そのまま「Unity-Greeter」を採用することができません。
「Slick-Greeter」の見た目は「Unity-Greeter」に似ていますが、以下の利点を提供します。
- 特定のディストリビューションに依存しない
- すべてのパネルアプレットは内蔵されており、外部のインジケーターは読み込まれない
- いかなるsettings daemonも読み込まれない
- HiDPIのサポート
- セッションの有効性チェック
- PrintScreenキーによるスクリーンショットの作成に対応
- lightdm-settingsによりGUIで設定を変更可能
セッションの有効性チェックでは、もしデフォルトや選択されたセッションがシステムに存在しない場合は、グリーターが「/usr/share/xsessions」から既存のセッションを調べ、無効なセッションを有効なセッションで置き換えます。