PowerShell Core v6.0.0-beta.1がリリースされました
2017年5月9日に「PowerShell Core v6.0.0-beta.1」がリリースされました。今まで「PowerShell (Core)」は、α版での提供でした。
本リリースからβ版での提供に変わります。
PowerShellの紹介
「PowerShell」の紹介は、以下を参考にしてください。リリースノートと変更点
リリースノートと変更点は、以下を参照してください。変更点をいくつかピックアップします。
1..NET Core 2.0への移行
「.NET Core 2.0(.NET Core App 2.0.0 preview1)」に移行しました。「.NET Core 2.0」は、「.NET Standard 2.0」と互換性のあるフレームワークです。
.NET Standardとは
「.NET Standard」とは、すべての「.NETプラットフォーム」で実装すべきAPI群を定義した仕様です。「.NET Standard」により「.NETプラットフォーム」の共通項を一元化し、機能や実装の分散を避けることができます。
「.NET Standard」は「.NETプラットフォーム」におけるPOSIXみたいなものです。
例えば「.NET Core」や「.NET Framework」は「.NETプラットフォーム」に該当します。
従って「.NET Core」は「.NET Standard」に基づき実装されたフレームワークということになります。
.NET Standard 2.0
「.NET Standard」はいわゆる仕様書ですが、仕様書自身にもバージョンがあります。「.NET Standard 2.0」は、バージョン2.0ということになります。
この「.NET Standard 2.0」に対応した「.NET Core」のバージョンは、「.NET Core 2.0」になります。
そして「.NET Standard 2.0」に対応した「.NET Framework」のバージョンは、「.NET Framework 4.6.1」になります。
PowerShell CoreとWindows PowerShell
「PowerShell Core」は、「.NET Core」を利用している「PowerShell」のことです。一方「.NET Framework」をフル活用している「Windows」の「PowerShell」は、「Windows PowerShell」と呼ばれます。
従ってここで紹介している「PowerShell」は、「PowerShell Core」のことを指しています。
多くのモジュールやコマンドレットが動作可能に
今まで動作しなかったモジュールやコマンドレットの多くが「.NET Core」上動作するようになりました。2.テスト対象のLinuxディストリビューション拡大
テスト対象のLinuxディストリビューションが増えました。MacOSのサポート
「MacOS 10」でも「PowerShell Core」が利用可能です。AppImageで提供
「AppImage」は、Linuxアプリを丸ごとパッケージングし、アプリをポータブルに実行できる仕組みです。アプリのインストールを行うことなく、直接アプリを実行できます。
また特定のディストリビューションに依存しないアプリの配布が可能になります。
ユーザーはダウンロードしたファイルに実行権限を付け、そのファイルを実行するだけで「PowerShell Core」が利用できます。
3.利用状況の収集
「Application Insights」を利用してOSのプラットフォーム($PSVersionTable.OSDescription)情報や「PowerShell」の正確なバージョン($PSVersionTable.GitCommitId)を収集するようになりました。これは「PowerShell」の利用状況を把握し、機能の改善や追加など今後の方針や既存の対応作業に優先順位を付けるためです。
プライバシーポリシーは、以下を参照してください。
利用状況の収集を止めるには
利用状況の収集を止めるには、「$PSHome/DELETE_ME_TO_DISABLE_CONSOLEHOST_TELEMETRY」ファイルを削除してください。「Ubuntu」では、以下のファイルを削除すれば良いです。
- /opt/microsoft/powershell/6.0.0-beta.1/DELETE_ME_TO_DISABLE_CONSOLEHOST_TELEMETRY
4.約3週間ごとにリリース
β版は約3週間ごとにリリースされる予定です。つまり今から約3週間後にβ2がリリースされる予定です。
5.UNIXコマンドでglobが利用可能に
UNIXコマンドでglobが利用可能になりました。例えば「ls "*.txt"」のような記述が可能です。
6.対話型シェルの指定
対話型シェルを指定する「-i」オプションが利用可能になりました。PowerShellのアップデート
「Microsoft」のリポジトリーを利用している場合、「ソフトウェアの更新」から「PowerShell」をアップデートできます。PowerShellのインストール
「PowerShell」を新規にインストールする場合は、以下を参考にしてください。上記の方法で「PowerShell」をインストールすれば、次回以降「ソフトウェアの更新」から「PowerShell」をアップデートできるようになります。