YunitがDebian unstable向けにUnity 8パッケージを提供
「Yunit」は、「Unity 8」を開発するプロジェクト及びコミュニティーです。紹介当時は「unity8org」という名称でしたが、投票の結果名称が「Yunit」に変更されました。
さて「Yunit」が約2ヶ月の作業を経て、「Debian unstable」向けに「Unity 8」パッケージの提供を開始しました。
このリポジトリーは、「Debian unstable」(64bitのみ)向けに提供されています。
Unity 8をインストールするには
すでに「Debian unstable」を利用しており、デスクトップ環境に「GNOME」をインストールしている場合、以下の手順で「Unity 8」をインストールできます。他のデスクトップ環境でも同様の手順でインストール可能ですが、未テストであるとのことです。
「端末」を起動しrootになってから、以下のコマンドを1行ずつ実行時します。
wget -qO - http://archive.yunit.io/yunit.gpg.key | apt-key add -
echo 'deb http://archive.yunit.io/debian/ unstable main' > /etc/apt/sources.list.d/yunit.list
apt update
apt upgrade
apt install unity8-desktop-session unity8-greeter
echo 'deb http://archive.yunit.io/debian/ unstable main' > /etc/apt/sources.list.d/yunit.list
apt update
apt upgrade
apt install unity8-desktop-session unity8-greeter
インストール時にディスプレイマネージャーの選択画面が表示されたら、「lightdm」を選択してください。
インストール完了後、PCを再起動してください。
捕捉
パッケージ名に「unity8」が含まれているため、ここでは「Unity 8」として紹介しています。既知の問題
既知の問題です。Unity 8のグリーターからGNOME Waylandセッションを起動できない
ログイン画面にて、Unity 8のグリーターからGNOME Waylandセッションを起動できません。この問題は現在修正中です。
Libertineコンテナーが動作しない
Libertineが依存するLXDがDebianで提供されていないため、Libertineは動作しません。VirtualBoxで動作しないかも
VirtualBoxでは、「Unity 8」が動作しないかもしれません。開発チームのテスト環境はVirtualBox環境ですが、環境によっては動作しない可能性があります。
もしログイン画面が表示されないなど問題が発生した場合は、仮想マシンの設定から「3Dアクセラレーションを有効化」をオフにし、再度試してみてください。
なぜDebian?
元々「Unity 8」は、「Ubuntu Desktop」の次期デスクトップ環境として採用される予定でした。にも関わらず何故真っ先に「Ubuntu」ではなく「Debian」向けにパッケージを提供するのか、そう疑問に思う人は多いでしょう。
プロジェクトの最初の段階において、開発チームはYunit及びYunitが依存するすべてのソフトウェアを確実に把握する必要がありました。
DebianはUbuntuのベースとなるディストリビューションであり、Ubuntuと類似した環境であるため、ソフトウェアの把握を行う環境として完璧な選択肢であるとのことです。
Ubuntuで利用できるようになるの?
Ubuntu向けにパッケージを提供する計画があり、直近の計画では「Ubuntu 16.04」へパッケージをバックポートする予定であるとのことです。また「Ubuntu 16.04」へバックポートすることで、「UBPorts」が「Ubuntu Touch」を15.04から16.04へ移行する手助けにもなるとのことです。
Unity 8をインストールしてみた
Debian unstable(sid)にUnity 8をインストールしてみました。ログイン画面
ログイン画面は「lightdm」に変わり、Unity 8グリーターを採用しているため、デザインも異なっています。ランチャー
左側一番上のアイコン(Debianアイコン)をクリックすると、以下のようにアプリケーションランチャーが表示されます。もちろんアプリの検索も可能です。
情報の表示やショートカット
インジケーターをクリックすると、以下のように右側にバーが表示され、各種情報や機能へのショートカットが表示されます。「Ubuntu Budgie」の「Raven」のような機能ですね。
ウィンドウ切り替え
マウスカーソルを画面の右端に持っていくと、以下のようにアプリのウィンドウを切り替えることができます。システム設定
システム設定のデザインも大きく変わり、レスポンシブデザインになりました。ウィンドウのサイズに応じて、UIのデザインが変わります。
スマフォでよく見かけるデザインですね。
デスクトップモード
右側のバーからデスクトップモード(Desktop Mode)のオン・オフを切り替えられます。デフォルトではデスクトップモードがオンになっています。
デスクトップモードをオフにすると、スマフォやタブレットのようなデザインに変わります。
アプリのウィンドウが全画面で表示されます。