コンソールのカラースキームを簡単に変更できるツールのリリース
以前紹介したように、コンソールのカラースキームが新しくなりました。コンソールのカラースキームが新しくなっても既存の環境では、従来のカラースキームがそのまま採用されます。
そのため新しいカラースキームに変更するためのツールを後日リリースするとのアナウンスがありました。
そして2017年8月11日に、公式からコンソールのカラースキームを簡単に変更できるツールがリリースされました。
「ColorTool」はMITライセンスで提供されるオープンソースのソフトウェアです。
現状ソースコードのみ提供されており、「ColorTool」を利用したいユーザーはまず自分で「ColorTool」をビルドする必要があります。
ここでは「ColorTool」のビルド方法と利用方法を紹介します。
1.ColorToolをビルドするには
「ColorTool」をビルドする方法です。1-1.Visual Studioのインストール
「ColorTool」をビルドするには、開発環境が必要です。事前に「Visual Studio」をインストールしておきましょう。
「Visual Studio」は以下からダウンロードできます。
「Visual Studio」には複数のエディションがありますが、無償で利用できる「Visual Studio Community 2017」でOKです。
1-2..NET Framework 4.7開発ツール
「Visual Studio」インストール時、「.NET Framework 4.7開発ツール」にチェックを入れ「.NET Framework 4.7開発ツール」もインストールしておきます。すでに「Visual Studio」をインストール済みなら、「Visual Studio Installer」を起動し、「.NET Framework 4.7開発ツール」をインストールしてください。
1-3.ソースコードのダウンロード
以下のサイトにアクセスし、「ColorTool」のソースコードをダウンロードします。ます。
ページ右上に「Clone or download」ボタンがあるので、これをクリックすればZIP形式でソースコードをダウンロードできます。
1-4.ColorToolのビルド
ダウンロードしたZIPアーカイブを展開すると、「console-master\console-master\tools\ColorTool」フォルダー内に「build.bat」が見つかります。「build.bat」をコマンドプロンプトから実行します。
以上でビルドは完了です。
「ColorTool」の実行ファイルが、「console-master\console-master\tools\ColorTool\ColorTool\bin\Debug\colortool.exe」に生成されます。
1-5.カラースキーム定義ファイルのコピー
カラースキームを定義したファイルが「console-master\console-master\tools\ColorTool\schemes」にあります。「schemes」をフォルダーごと、生成した実行ファイルがある「console-master\console-master\tools\ColorTool\ColorTool\bin\Debug」フォルダー内にコピーします。
これで「ColorTool」の準備は完了です。
2.ColorToolの使い方
「ColorTool」の使い方です。3種類の使い方があります。
いずれもカラースキームの適用先が異なるだけです。
補足
「ColorTool」ではオプションにカラースキーム定義ファイル名を指定します。このファイル名の拡張子は省略可能です。
2-1.コンソールウィンドウのプロパティーにカラースキームを適用するには
コンソールウィンドウのプロパティーにカラースキームを適用する方法です。以下のコマンドを実行します。
colortool カラースキーム定義ファイル名
ここでは例として、「campbell」を適用してみます。
以下のコマンドを実行します。
colortool campbell
以下のようにカラー一覧が表示され、コンソールウィンドウのプロパティーにカラーが反映されます。
設定を保存するには
この変更を保存するには、コンソールウィンドウのプロパティー画面を開き、「OK」ボタンをクリックします。プロパティー画面を表示するには、コンソールウィンドウのタイトルバーを右クリックし、表示されるメニューから「プロパティ」をクリックしてください。
2-2.カラースキームをデフォルトのカラースキームとして適用するには
デフォルトのカラースキームとして適用するには、以下のコマンドを実行します。
colortool -d カラースキーム定義ファイル名
これでデフォルトのカラースキームが変更されます。
現在開いているコンソールウィンドウのカラースキームは変更されませんが、新たに起動したコンソールウィンドウのカラースキームは、指定されたカラースキームが反映されます。
2-3.カラースキームをコンソールウィンドウ及びデフォルトとして適用するには
カラースキームをコンソールウィンドウ及びデフォルトとして適用するには、以下のコマンドを実行します。
colortool -b カラースキーム定義ファイル名
カラースキームの定義ファイルについて
「ColorTool」では、カラースキームを定義した定義ファイルを指定して、カラースキームを変更します。この定義ファイルには、 以下の8種類のカラースキームがデフォルトで用意されています。
- campbell-legacy
- campbell
- cmd-legacy
- deuteranopia
- OneHalfDark
- OneHalfLight
- solarized_dark
- solarized_light
上記のカラースキームの内、新しく採用されたカラースキームは、「campbell」です。
また従来使用されていたカラースキームは、「cmd-legacy」です。