CUPS
「CUPS(Common Unix Printing System)」は、プリンターの検出やプリンターの管理、アプリとプリンターの仲介及び印刷など、印刷システムの基盤を提供するソフトウェアです。「Ubuntu」では「CUPS」がデフォルトでインストールされており、「Ubuntu」の印刷システムはこの「CUPS」に支えられています。
ユーザーが直接「CUPS」に触れることはありませんが、「設定」でプリンターの追加や削除を行うと、「CUPS」を通じてそれらの操作が行われます。
またアプリから印刷を行えば、「CUPS」を通じてプリンターに印刷データが送られ、プリンター側で印刷が実行されます。
「Ubuntu」における印刷システムは「CUPS」が中心になっており、ユーザーにとって必須のソフトウェアとなっています。
ネットワーク上で共有されたプリンターを自動的に検出しすぐに使えるようになるのも、一部のプリンターではドライバーがなくても印刷できるのも、「CUPS」のおかげです。
macOSでも採用
「Apple」が開発する「macOS」でも印刷システムに「CUPS」が採用されています。また現在「CUPS」は「Apple」により開発されており、「macOS」に深く関わるソフトウェアでもあります。
CUPSのライセンス
現在「CUPS」本体のライセンスは、以下のライセンスで提供されています。- GPL-2.0 with AOSDL exception
- LGPL-2.0 with AOSDL exception
詳細は「/usr/share/doc/cups/copyright」ファイルを参照してください。
CUPS 2.3からライセンスが変わる
「CUPS 2.3」からライセンスが「Apache License 2.0」に変更されます。「Apache License 2.0」は、ソースコードの公開義務がないなどGPLより緩いライセンスになっています。
なぜライセンスを変えるのか
ライセンスの変更理由に以下の2点が挙げられています。
- SwiftやWebKit、mDNSResponderといったAppleのオープンソースプロジェクトと一貫性を確保するため
- 長年Linux上でライセンスの互換性に関する問題が指摘されており、その問題を改善するため