Tracker
「Tracker」とはファイルのメタデータを解析し、メタデータのデータベースを作成するソフトウェアです。アプリはこのデータベースにアクセスすることで、ファイル名だけでなくファイルのメタデータからもファイルを検索できるようになります。
つまりインデックスサービスですね。
メタデータとは
メタデータとは、JPEGのEXIF情報やMP3のタグ情報、ファイル自身の属性など、ファイルのコンテンツ含めそのファイルが持っている情報のことです。もちろんファイル名もメタデータに含まれます。
通常のファイル検索では、ユーザーが入力した文字列にマッチするファイル名を持つファイルやフォルダーを検索します。
メタデータを利用した検索では、それに加えコンテンツの情報も検索対象になります。
例えば音楽ファイルをアーティスト名で検索できるようになります。
Trackerをデフォルトでインストールするべきか?
「Ubuntu Desktop Team」は、「Ubuntu 18.04」で「Tracker」をデフォルトでインストールすべきかどうか判断を行おうとしています。メリット
「Tracker」を導入することでファイルの検索スピードが向上し、もっと柔軟なファイルの検索を行えるようになります。またフルテキスト検索が行えるようになり、テキストファイルに含まれる文字列を対象にし、検索を実行できるようになります。
さらにメタデータに基づくファイル名の一括変換機能も「Nautilus」から利用できるようになります。
音楽ファイルのファイル名を、アーティスト名を含むファイル名に変換することが可能になります。
加えてアクティビティーから、ファイルやフォルダーを検索できるようになります。
負担の大きいインデックス処理
しかしその一方で別途インデックス処理(ファイルからメタデータを抽出し、その情報をデータベース化する処理)が必要になります。この処理はバックグラウンドで自動的に行われるため、ユーザーがその処理を意識することはありません。
インデックス処理ではファイルの読み込み及び解析、そして解析結果の書き出しが行われます。
そのため大量のファイルが配置されている環境では、インデックス処理が完了するまでCPUの使用率が高くなり、ディスクアクセスが継続的に行われるようになります。
インデックス処理はバックグラウンドで行われるため、ユーザーから見れば急にCPUの使用率が上昇し、ディスクアクセスが継続的に行われている状況になります。
このような状況はユーザーに不安を抱かせます。
またハードウェアリソースを使うということは、ノートPCのバッテリーの消費につながります。
テストの呼びかけ
上記で紹介したようにユーザーへの影響を確認するため、テストの呼びかけが行われています。Trackerのインストール
「Tracker」をインストールするには、以下のコマンドを実行してください。
sudo apt install tracker
インストール後、一旦ログアウトしてから再度ログインしてください。
これで「Tracker」が有効になり、ファイルのインデックスが行われます。
インデックス対象の設定
インデックス対象にするファイルを設定するには、「設定」の「検索」画面を開き、ギアアイコンをクリックします。以下のように、検索対象にするファイルの設定を行うことができます。
PCにどの程度の負荷がかかるのか、パフォーマンスに関するテストを行い、「Install tracker by default in 18.04 LTS?」に報告して欲しいとのことです。