最大化したウィンドウのタイトルバーとトップパネルが統合可能に
「Ubuntu MATE」は「Unity」ユーザー向けに「Unity」風のUIレイアウトである「Mutiny」を提供しています。「Ubuntu MATE 17.10」の「Mutiny」では、アプリのウィンドウを最大化しても、以下のようにトップパネルとウィンドウのタイトルバーが統合されることはありません。
一方「Unity」では、アプリのウィンドウを最大化すると、以下のようにトップパネルとウィンドウのタイトルバーが統合され、アプリのコンテンツを縦方向により多く表示できる仕組みを提供しています。
これは「Unity」が持つ優れたデザインの1つです。
タイトルバーとトップパネルの統合
「Ubuntu MATE 18.04」の「Mutiny」では、アプリのウィンドウを最大化すると、「Unity」と同じようにトップパネルとウィンドウのタイトルバーが統合され、アプリのコンテンツを縦方向により多く表示できるようになります。
Mutiny undecorated maximised windows
Ubuntu MATE 18.04に向けた作業
「Ubuntu MATE 18.04」に向けた作業の紹介です。MATEデスクトップ環境
「Ubuntu MATE 17.10」リリース後アップストリームの「MATE」では、23回目のポイントリリースが行われました。そのリリースで行われた修正の多くは、すでに「Ubuntu MATE 17.10」に取り込まれています。
また「MATE」を構成する23種のパッケージは「Debian」にアップロードされ、「Ubuntu MATE 18.04」向けに同期されています。
Brisk Menu 0.5.0
先日「Brisk Menu 0.5.0」がリリースされました。「Brisk Menu 0.5.0」は「Ubuntu MATE 18.04」に取り込まれており、「Brisk Menu PPA」を利用することで「Ubuntu MATE 17.10」でも「Brisk Menu 0.5.0」を利用できます。
「Ubuntu MATE 17.10」に「Brisk Menu 0.5.0」をインストールする方法は、以下を参照してください。
Marcoのコンポジット処理がハードウェアアクセラレーションに対応
ウィドウマネージャーである「Marco 1.19」では、「Present Extension」のサポートが行われました。この機能がバックポートされ、GPU及びドライバーが「DRI3」に対応していれば、コンポジット処理時にハードウェアアクセラレーションによる描画が行われるようになります。
これにより3Dの描画パフォーマンスが飛躍的に向上し、特にゲームパフォーマンスの向上やスクリーンのティアリング回避に大きく貢献します。
ウィドウマネージャーの切り替えは、「MATE Tweak」から切り替えることができます。
NVIDIAのプロプライエタリードライバーは対象外
NVIDIAのプロプライエタリードライバーは「DRI3」に対応しておらず、「DRI2」の対応となるため対象外です。一方IntelやAMDのGPUを利用しているユーザーは、この恩恵に与れるでしょう。
DRI3に対応していない環境では
DRI3に対応していない環境では、従来通りソフトウェアによるコンポジット処理になります。HUD(Heads-Up Display)
「HUD」を表示するまでの時間がデフォルトで250msに変更されました。また「Alt」キーを押しっぱなしにした状態では、「HUD」が表示されないように変更されました。
ブランディングとアートワーク
Ubuntu MATE campの内容が反映された6パッケージがアップデートされました。このアップデートには新しい壁紙が含まれており、さらに追加で高品質な写真も含まれています。
新しいMATE Tweak
パネルレイアウトの切り替え処理が煩雑になり、デバッグに多くの時間がかかるようになってきました。そこで「Ubuntu MATE 18.04」では、実装を見直した新しい「MATE Tweak」が採用されます。
今までよりも堅実なパネルレイアウトの切り替え処理が実装された「MATE Tweak」が提供されます。
Ubuntu MATE Welcomeからパネルレイアウトの切り替えが可能に
またようこそ画面(Ubuntu MATE Welcome)からパネルレイアウトを切り替えられるようになります。デフォルトのフォントの変更
日本語、中国語、韓国語向けのデフォルトのフォントが、「Noto Sans」フォントに変わります。Cajaの拡張機能の開発
以下の2種類の「Caja」向けの拡張機能の開発が行われています。caja-eiciel
「caja-eiciel」は、「ACL(Access Control List)」や「xattr」の設定を変更するための拡張機能です。caja-seahorse
「caja-seahorse」は、GnuPGを用いてOpenPGPによるファイルの暗号化と復号化を行うための拡張機能です。これらの拡張機能の導入により、「Caja」の有用性が向上することになるでしょう。
次期Ubuntu MATE WelcomeとSoftware Boutiqueの開発
次期「Ubuntu MATE Welcome」と「Software Boutique」の開発が行われています。HiDPIのサポート改善
「Ubuntu MATE 17.10」で「HiDPI」の設定を行う方法が近々公開される予定です。また「Ubuntu MATE 18.04」に向け、より完全な「HiDPI」のサポートを行うための作業が行われています。