仮想マシン用のイメージは必要か
「Ubuntu Desktop」の仮想マシン用のイメージを「Virtualbox」及び「VMWare」向けに公式に提供してみてはどうか提案が行われています。このイメージはすでに「Ubuntu Desktop」が(OEM)インストールされている仮想マシン用のイメージであり、「Ubuntu Desktop」のインストール作業なしにすぐに「Ubuntu Desktop」を利用できます。
「Ubuntu Japanese Team」が提供している仮想ハードディスクイメージみたいなものをイメージすれば分かりやすいかと思います。
現状公式から仮想マシン用のイメージは提供されておらず、そのようなイメージは自分で作成するか第三者が作成したイメージを利用する必要があります。
なぜ必要なのか?
イメージの必要性や利用場面に関し、以下の内容が挙げられています。- Ubuntuを初めて利用するユーザー向けのドキュメントテストがより簡単になる
- 不具合の再現にクリーンな環境をすぐに用意できる
- デスクトップ及びアプリケーションの手動・自動テスト
- アプリの移植や新バージョンへの対応などUbuntu向けの開発が簡単になる
- 多くのユーザーがイメージを要求している
懸念や疑問
本提案に対し、以下の懸念や疑問が挙げられています。- 具体的な使用事例
- イメージをどうやってサポートするのか・していくのか
- Ubuntuの評判に対するリスク
とりあえずイメージの具体的な使用事例や需要予測に関しては横においておくとして、サポートに関し開発チームは、仮想マシン及びホストOSのバグに対し十分なトラブルシューティングのスキルを有しておらず、ユーザーに十分なサポートを提供できない懸念が指摘されています。
サポートに対する懸念
「Virtualbox」や「VMWare」は、「Ubuntu」の開発チームとは異なる組織で開発されているプロダクトであり、またそれらが動作する「Windows」や「macOS」も「Ubuntu」の開発チームとは関係しません。例え「Virtualbox」を「Linux」ホスト上で動作させていたとしても、それが「Fedora」だとしたら「Ubuntu」の開発チームでサポートすることはできません。
また「Ubuntu」ユーザーは、それらに関する十分なスキルを持ったユーザーばかりではなく、多くのユーザーは、ゲストOS、仮想マシン、ホストOSの違いを気にかけることがありません。
例えば「VMWare」の仮想マシン内で「Ubuntu」を利用しているユーザーが、「VMWare」本体、あるいは「Windows」ホストOS上で動作がおかしい問題を、「Ubuntu」の問題と誤認し「Ubuntu」にサポートを求めてくる可能性もあります。
またユーザーの中には、ホストOS含め仮想マシン全体に対するサポートを求めてくるユーザーもいるでしょう。
Ubuntuの評判に対する懸念
仮想マシンで起こる様々問題はユーザーに不満を募らせることになります。そしてそれが「Ubuntu」に関係しない問題であっても、その矛先が「Ubuntu」に向けられる可能性もあります。
「Ubuntu」に関係せず「Ubuntu」の開発チームではどうしようもない問題であるにも関わらず、それらの問題のせいで「Ubuntu」の評判が下がるのは開発チームとして看過できないでしょう。
何か良いアイデアを
これらは懸念であって、本提案に対する反対意見ではありません。予め予測できるリスクに対し、前向きなアイデア(回避策や解決策)を募集しています。