もうすぐUbuntu Touch上でAndroidアプリが利用可能に
もうすぐ「Ubuntu Touch」上で「Android」アプリが利用可能になります。この機能は「Ubuntu Touch」ユーザーに長らく期待されていた機能であり、「Anbox」を利用して「Ubuntu Touch」上で「Android」アプリを動かせるようになります。
Anbox
「Anbox」は、コンテナーにAndroid OSを組み込み、ハードウェアアクセスを抽象化し、コアシステムサービスをGNU/Linuxと統合するソフトウェアです。「Anbox」はエミュレーターとは異なり、コンテナーを活用することでよりネイティブな環境で「Android」アプリの動作環境を提供します。
これにより、パフォーマンスや使い勝手を大きく損なうことなく、「Android」アプリを実行できるようになります。
また「Android」アプリはコンテナーにより隔離されるため、「Ubuntu Touch」から完全な制御を行え、また「Ubuntu Touch」に干渉しないセキュリティーを提供します。
Anboxのpre α版のリリースに向けて
「Ubuntu Touch」の開発を行っている「UBports」では今後週数間以内に、「Ubuntu Touch」向けに「Anbox」のpre α版のリリース行う予定です。この時「Anbox」のセットアップ方法も提供されます。
Androidアプリの必要性
「Ubuntu Touch」と「Android」は異なるOSです。そのため「Ubuntu Touch」上で「Android」アプリをそのまま動作させることはできません。
世界的なシェアで見れば「Android」は多くのシェアを獲得しており、「Android」向けのアプリやサービスは非常に充実しています。
「Ubuntu Touch」ユーザーの中には、「Android」で利用しているアプリと同等の機能を持つアプリを「Ubuntu Touch」でも利用したいと考えるユーザーもいます。
しかし「Ubuntu Touch」で同等の機能を持つアプリが提供されていない状況もままあります。
特にプロプライエタリーなサービスと連携して動作するアプリは、「Ubuntu Touch」向けにリリースされていないことが多いでしょう。
このような状況で「Ubuntu Touch」が完全な機能を持ち、「Ubuntu Touch」をメインストリームのモバイルOSとして提供していくためには、「Android」アプリが依存している「Android」のプロプライエタリーサービスを提供し、「Android」アプリを「Ubuntu Touch」上で利用できるようにする必要があります。
少なくとも「Ubuntu Touch」上で同等のアプリが利用できるようになるまで、そして「Ubuntu Touch」向けのアプリが充実するまで、この機能を提供していく必要があります。
もし「Ubuntu Touch」がこの機能を提供しない、あるいはこの流れに乗り遅れるならば、「Ubuntu Touch」はプロプライエタリーソフトウェアの開発者が「Ubuntu Touch」に魅力を感じる市場を形成することはほぼ不可能であり、「Ubuntu Touch」の台頭は望めません。
また「Ubuntu Touch」の開発チームなど第三者がそれらのアプリを開発したとしても、プロプライエタリーサービス側で「Ubuntu Touch」からのサービスの利用を禁止されるなど、良い結果は期待できないでしょう。
これらを踏まえ「Ubuntu Touch」では、「Android」アプリを動作させる「Anbox」の提供が必要であるとの判断を行いました。
実際ユーザーからも長い間期待されていた機能であり、ユーザーの期待と「Ubuntu Touch」が提供する機能の乖離を埋める解決策になるでしょう。