GTK+4とSDLからMirのバックエンドサポートが外される
「GTK+4」と「SDL」から「Mir」のバックエンドサポートが外されました。- GTK4 Ejects The Mir Backend & Drops The Big GDK Lock
- SDL Now Disables Mir By Default In Favor Of Wayland Compatibility
GTK+4
「GTK+4」は「GTK+3」の次のメジャーバージョンとなるツールキットです。簡潔に言えばGUIを構築するためのライブラリーです。
「Ubuntu」では「GNOME」を採用していることもあり、「GTK+」を主要なツールキットとして採用しています。
さて「GTK+ 3.16」にて、「Mir」の試験的なサポートが追加されました。
SDL(Simple DirectMedia Layer)
「SDL」は、オーディオや入力デバイス、GPUへのローレベルアクセスを提供するライブラリーです。動画再生やゲームなどに必要なマルチメディア環境を統合的に扱うことができます。
バックエンド
上記のようにGUIの構築や画面の描画機能を持つライブラリーでは、それぞれのディスプレイサーバーを個別にサポートする実装が行われています。当時主要なディスプレイサーバーは以下の3種類でした。
- X11(X.org)
- Wayland
- Mir
もちろんどのディスプレイサーバーをサポートするのかはライブラリー次第なのですが、「GTK+」と「SDL」は「Mir」をサポートする実装を行っていました。
Mirのサポートが外される
「GTK+4」では、約6500行あった「Mir」のサポートコードが削除されました。一方「SDL」では、デフォルトで「Mir」のサポートコードが無効化されました。
「SDL」から「Mir」のサポートコードは削除されていませんし、ビルド時の設定で「Mir」のサポートを有効化することもできますが、将来的に「SDL」からも「Mir」のサポートコードが削除されることになるでしょう。
悲しむことはない
今回サポート対象から外された「Mir」は、今までの「Mir」です。以前紹介したように「Mir」は、「Wayland」コンポジターとして再出発することになりました。
現在「Wayland」コンポジターを目指し開発が行われています。
つまり各ライブラリーで「Wayland」のサポートが行われていれば、その実装により、「Wayland」コンポジターになった「Mir」もサポート対象になるということです。