Mir 0.31.0のリリースに向けて
「Mir」の開発チームは、「Mir 0.31.0」のリリースに向けた作業を行っています。「Mir 0.31.0」の主な変更点を紹介します。
MirAL version 2.0
「MirAL(Mir Abstraction Layer) version 2.0」ではAPIの整理が行われ、「libmiral」のABI互換性が失われています。そのため「Ubuntu 18.04」が、「MirAL 2.0」を採用する良い機会となりました。
APIの整理により「MirAL」を利用するサンプルも簡素になりました。
Waylandのxdg-shellサポート
「Wayland」サポートの改良作業が引き続き行われています。「xdg-shell V6 (unstable)」サポートがデフォルトで有効になりました。
「Wayland」の「xdg-shell」サポート作業はまだ完了していませんが、開発チームは「xdg-shell V6 (unstable)」サポートがデフォルトで有効にするのに十分な出来であると判断しています。
その他
「VMware」上で「Mir」を起動する時に発生する以下の問題が修正されました。- [vmware] mir 0.26 failing with nested server in protobuf when bringing up NestedDisplay [CHECK failed: (index) >= (0)]
- KMS platform - fallback if crtc mode invalid
また以下の対応により、「Unity 8」クラッシュ時のデバッグが今までよりも容易になりました。
- QtMir shell dies on Mir-on-X when mapping AnonymousShm file
- Software cursor: throw exception for zero sized cursor image
Mir 0.31.0 RC版登場
以下のOS向けに「Mir 0.31.0 RC版」がリリースされました。Ubuntu
「Ubuntu」の以下のバージョンでは、「Release Candidate」PPAから「Mir 0.31.0 RC版」をインストールできます。- Ubuntu 16.04
- Ubuntu 17.10
- Ubuntu 18.04
インストール方法は以下の通りです。
sudo add-apt-repository ppa:mir-team/rc
sudo apt install mir-demos
sudo apt install mir-demos
Fedora
「Fedora」の以下バージョンでも、「Mir 0.31.0 RC版」をインストールできます。- Fedora 26
- Fedora 27
- Fedora 28
インストール方法は以下の通りです。
sudo dnf copr enable ngompa/mir-prerel-fedora
sudo dnf install mir-demos
sudo dnf install mir-demos
mir-desktop-sessionは含まれていない
以下の理由により、「mir-desktop-session」のリリースは見送られました。本件は現在作業中であり、次回アップデート時にリリースされる予定です。