Build 17666のWSLに関する変更点
2018年5月9日にリリースされた「Build 17666」の「WSL」に関する変更の紹介です。WSLとは
「WSL」は、「Windows」上でLinuxバイナリーを動作させるための仕組みです。「Windows」上で「Ubuntu」や「openSUSE」などLinux環境を構築し、「Windows」からLinuxの実行ファイルを利用することができます。
「WSL」及びLinuxディストリビューションのインストール方法は、以下を参照してください。
- WindowsストアからUbuntuをインストールするには
- WindowsストアからopenSUSE Leap 42をインストールするには
- WindowsストアからSUSE Linux Enterprise Server 12をインストールするには
- Windows Server 2016にUbuntuをインストールするには
- Kali Linuxをインストールするには
- Debian GNU/Linuxをインストールするには
リリースノート
変更点の詳細は、リリースノートを参照してください。今回コンソールに関する変更点はありません。
既知の不具合
既知の不具合の紹介です。1.一部のAMD製チップセット搭載機でWSLが起動しない
一部のAMD製チップセット搭載機で「WSL」が起動しない問題が報告されています。問題の内容は以下を参照してください。
WSLの機能の改善や変更
「WSL」に関する機能の改善や変更です。1.エクスプローラーからWSLの起動が可能に
エクスプローラーのコンテキストメニューから「WSL」を起動できるようになりました。エクスプローラーで「Shift」キーを押しながら右クリックすれば、「WSL」を起動するメニュー項目が表示されます。
「WSL」を起動し、選択されたフォルダーをカレントディレクトリ―にします。
これにより改善する問題は、以下を参照してください。
- `Open on Bash` context menu item.
- "Bash Here" Context Menu in Windows Explorer
- Starting bash in folder issue
相互運用時の使い勝手が大きく改善します。
2.mount propagationフラグのサポート
スレーブなど「mount propagation」フラグがサポートされました。3.シェルなしに単一バイナリーを実行するオプションのサポート
「wsl.exe」がシェルなしに単一バイナリーを実行するオプション(--exec)をサポートしました。4.ディストリビューションを選択するオプションのサポート
「wsl.exe」がシェルなしにディストリビューションを選択するオプション(--distribution)をサポートしました。WSLの不具合修正
「WSL」に関する不具合の修正です。1.SOCK_NONBLOCK指定時の不具合修正
「SOCK_NONBLOCK」指定時のUNIXソケットの不具合が修正されました。これにより改善する問題は、以下を参照してください。
- Calling shutdown(fd, SHUT_WR) for one end of a non-blocking socket pair (AF_UNIX) does not lead to reading EOF at the other end.
- socketpair() syscall ignores non-blocking request (SOCK_NONBLOCK, O_NONBLOCK)
2.NETLINK利用時にハングアップする不具合の修正
「NETLINK」利用時にハングアップする不具合が修正されました。これにより改善する問題は、以下を参照してください。
3.ftruncateでinotifyイベントが発生しない問題の修正
「ftruncate」で「inotify」イベントが発生しない問題が修正されました。これにより改善する問題は、以下を参照してください。