KDE Plasma 5.15の新機能と変更点
「KDE Plasma 5.15」の新機能と変更点を紹介します。Plasma Widget
「Plasma Widget」に関する変更点です。1.Bluetoothデバイスのバッテリー表示
「Power Widget」にBluetoothデバイスのバッテリー残量を表示できるようになりました。この機能はまだ安定版ではなく、またこの機能を利用するには最新版の「upower」と「bluez」パッケージが必要になります。
2.Wallpaper Pluginのインストールが簡単に
壁紙の設定画面から「Wallpaper Plugin」のインストールが可能になりました。3.デスクトップ上のアイコン表示の調整
デスクトップ上に配置されているアイコンの水平方向の配置間隔が調整され、アイコンサイズを小さくしても十分な間隔が保持されるようになりました。またアイコンの文字列の描画方法が調整され、明るい色の壁紙や多様な色が混在した壁紙でもアイコンの文字列が読み取りやすくなりました。
4.スクリーンリーダーの改善
デスクトップ上に配置されているアイコンの文字列を読み上げるようになりました。5.Notes Widgetに新しいテーマを追加
背景が透過かつ明るい文字色を採用した新しいテーマが「Notes Widget」に追加されました。6.Pager Widgetに折り返し設定を追加
スクロールして仮想デスクトップ一覧の最後に到達した後、折り返すかどうかを設定する機能が「Pager Widget」に追加されました。7.通知ポップアップの改善
通知ポップアップの配置間隔とデザインが改善されました。8.KRunnerの改良
「KRunner」は重複するアイテムを表示しないように改良されました。重複する「Firefox」のブックマークや複数のカテゴリーに存在する同一ファイルは1つのみ表示されるようになりました。
またスタンドアローンで動作する「Search Widget」は、「KRunner」の外観に追従するようになりました。
9.Devices Notifierの改良
すべてのディスクを表示する設定だった場合、ユーザーが不用意にルートパーティションをアンマウントしないように改良されました。システム設定
システム設定に関する変更点です。1.仮想デスクトップ設定画面の改良
仮想デスクトップ設定画面のデザインが見直され、使い勝手の向上や外観に一貫性が向上しました。また「Wayland」をサポートしました。
2.デザインの改良
デジタル時計とフォルダービュー設定画面のUI及びレイアウトが、より共通のスタイルを使用するように改良されました。また多くの設定画面は、アイコンやテキスト下部ボタンの配置に関し一貫性のあるデザインになるように調整されました。
3.デスクトップ効果設定画面の改良
「store.kde.org」から新規にインストールしたデスクトップ効果が、デスクトップ効果一覧に表示されるようになりました。またデスクトップ効果設定画面は「QtQuickControls 2」に移植され、スムーズなデザインになりました。
4.ディスプレイ設定画面の改良
ディスプレイ設定画面では、ネイティブ(本来)の解像度を区別しやすくするため、ネイティブの解像度に星アイコンを表示するようになりました。5.ログイン画面設定の改良
デフォルトの「Breeze」テーマのイメージプレビューは、現在の外観を反映するようになりました。プレビューの背景色はアクティブな配色を採用し、サイズやマージンは途切れなくかつ収まりよく表示されるよう調整されました。
Discover
「Discover」に関する変更点です。1.OSのアップグレード通知と再起動
「Discover」の「Update Notifier Widget」にOSのアップグレード通知が表示されるようになりました。またアップデート適用後PCの再起動が必要な場合は、PCを再起動する「Restart」ボタンが表示されるようになりました。
2.アップデート対象の選択操作
アップデート画面では、今までよりももっと簡単にアップデート対象のソフトウェアの選択解除や再選択が行えるようになりました。3.設定画面の変更
設定(Settings)画面の名称がソース(Sources)に変わりました。またハンバーガーメニューの代わりにプッシュボタンが配置されました。
4.その他の改善
- リポジトリー管理の操作が容易になりました。特に「Ubuntu」ベースのディストリビューションでは、大きく使い勝手が向上します。
- 「Flatpak」から提案されるアプリケーション拡張のインストールがサポートされました。
- ローカルパッケージの扱いが改善され、依存情報の表示やソフトウェアを起動するボタンが配置されました。
- 「Featured」画面で検索を行った場合、アプリのみを表示するようになりました。 またアドオンセクションから検索を行った場合、アドオンのみを表示するようになりました。
- インストール済みアプリの検索では、Snapの場合でも適切に結果が表示されるようになりました。
- 日時の表示はロケールの設定に従うようになりました。
- 「What's New」セクションはそれに関連する情報がない時は、表示されないようになりました。
- アップデート画面では、アプリケーションとPlasmaアドオンが別々の一覧に表示されるようになりました。
ウィンドウ管理
ウィンドウ管理(ウィンドウマネージャー)に関する変更点です。1.ウィンドウスイッチャーの改良
「Alt+Tab」キーを押したときに表示されるウィンドウスイッチャーがスクリーンリーダーに対応しました。またキーボード操作によるアイテムの切り替えにも対応しました。
2.KWinの改善
スクリプト経由でウィンドウを最小化したときに「KWin」がクラッシュしなくなりました。3.デスクトップ効果
ファイルを開く・保存するダイアログボックスのような親ウィンドウを持つダイアログボックスに、ウィンドウを閉じる時のデスクトップ効果が反映されるようになりました。4.Plasma設定ウィンドウの改善
Plasma設定ウィンドウがフォーカスを得たときに、ウィンドウが前面に移動するようになりました。ネットワーク
ネットワークに関する変更点です。1.WireGuard VPNトンネルのサポート
対応する「Network Managerプラグイン」がインストールされていれば、PlasmaはWireGuard VPNトンネルの利用を提案するようになりました。2.接続設定
接続設定に課金接続であることを示す設定を行えるようになりました。Breezeアイコン
Breezeアイコンに関する変更点です。1.デバイスと設定アイコンの改良
様々なデバイスや設定のアイコンが改良されました。2.エンブレムとパッケージアイコン
エンブレムとパッケージアイコンが見直されました。他のアイコンとより一貫性のあるデザインになり、コントラストの調整より見やすさも向上しています。
3.ネットワークアイコン
新規インストール時、「Places panel」のネットワークの場所を表すアイコンに新しいアイコンが使用されます。4.Plasma Vaultアイコン
「Breeze Dark」テーマ使用時、「Plasma Vault」アイコンの見た目が良くなりました。5.Python bytecode向けアイコン
Python bytecode向けアイコンが用意されました。その他
その他の変更点です。1.KSysGuard
「KSysGuard」のメニューバーを非表示にできるようになりました。2.壁紙のアップデート
「plasma-workspace-wallpapers」パッケージに新しい壁紙が含まれるようになりました。3.Waylandのサポート改善
- XdgStable/XdgPopups/XdgDecorationプロトコルが完全に実装されました。
- 仮想デスクトップをサポートしました。
- ドラッグ&ドロップがサポートされました。
4.GTK/GNOMEコアアプリケーションのサポート改善
HiDPIの設定が整数倍ならば、GTK/GNOMEコアアプリケーションにも反映されるようになりました。また「Breeze-GTK」テーマで発生していた見た目上の問題が修正されました。