WSL 2とよく寄せられる質問
「WSL 2」とよく寄せられる質問を紹介します。1.WSL 2はHyper-Vを利用しているのか?Windows 10 Homeで利用できるのか?
「WSL 2」は、現在「WSL」を利用可能なすべてのエディション(SKU)で利用可能です。これには「Windows 10 Home」も含みます。
「WSL 2」は仮想化を実現するため「Hyper-V」アーキテクチャーを利用しています。
このアーキテクチャーは「Hyper-V」のサブセットであり、任意のコンポーネントとして提供しています。
このコンポーネントはすべてのSKUで利用可能です。
本件に関する詳細は、今後紹介される予定です。
2.WSL 1は無くなるのか?
現在「WSL 1」を非推奨にする予定はありません。ユーザーは「WSL 1」と「WSL 2」を共存させてLinuxディストリビューションを実行できます。
またユーザーはいつでも、Linuxディストリビューションを「WSL 2」上で動作させるためにアップグレードしたり、逆に「WSL 1」上で動作させるためにダウングレードすることができます。
WSLチームにとって新しいアーキテクチャーである「WSL 2」は、Linux環境をWindows上で実行するための素晴らしい仕組みをユーザーに届ける優れたプラットフォームです。
3.WSL 2とVMWareやVirtualBoxといったサードパーティーの仮想化ツールは実行できるの?
サードパーティー製アプリケーションの中には、「Hyper-V」が使用中だと動作できないアプリケーションがあります。そのため「WSL 2」を使用しているとこれらのアプリケーションは、動作できないということになります。
残念ながらこれには「VMWare」や「VirtualBox」が含まれます。
開発チームはこの課題を解決する方法を調査しています。
例えば仮想化を提供するサードパーティー製のソフトウェアが「Hyper-V」と互換性を持てるように「Hypervisor Platform」と呼ばれるAPIセットを提供する方法があります。
これによりアプリケーションは、「Hyper-V」と互換性のある「Google Android Emulator」のように、エミュレーションに「Hyper-V」を利用できるようになります。
捕捉
「VirtualBox」は「VirtualBox 6.0」以降「Hyper-V」に対応しているとのコメントがあります。「Windows 10 1809」以降を利用し「Windows Hypervisor Platform」機能を有効にしている必要があります。
詳細は「VirtualBox Forums」を参照して欲しいとのことです。
しかし動作しないとの報告もあります。
4.WSL 2でGPUにアクセスできるのか?ハードウェアサポートを拡大する予定はあるのか?
「WSL 2」の初期リリースでは、ハードウェアのアクセスに制限があります。例えば「GPU」や「シリアルポート」、「USB」にアクセスすることはできません。
しかしデバイスにアクセスしたい開発者にとってデバイスサポートの拡大は「WSL」の利用範囲を広げることになるので、本件は優先順位が高い項目です。
その一方で「WSL 1」は「シリアルポート」や「USB」にアクセスできるため、ユーザーはいつでもその目的のために「WSL 1」を利用できます。
5.ネットワークアプリは使えるの?
使えます。システムコールに完全な互換性が確保されるため、一般的にネットワークアプリは、従来より高速にそして期待通りに動作するでしょう。
しかし「WSL 2」は仮想化されたネットワークコンポーネントを利用します。
このため「WSL 2」の初期プレビュービルド版では、仮想マシンと同様の振る舞いを行います。
例えば「WSL 2」はホストマシンと異なるIPアドレスを持ちます。
開発チームは「WSL 2」を「WSL 1」と同様の使い勝手になるように尽力しており、これにはネットワーク周りの改良も含まれています。
「localhost」を利用してすべてのネットワークアプリにLinux及びWindowsからアクセスできるようにするなど、開発チームは可能な限り迅速に改良を行っていく予定です。
ネットワーク周りの詳細や改良に関する詳細は、今後紹介される予定です。