Mir 1.6.0がリリースされました
2019年12月3日、「Mir 1.6.0」がリリースされました。Mirとは
「Mir」は次世代のディスプレイサーバーです。デスクトップやモバイルデバイス、そしてIoTまで、幅広い分野をサポートするディスプレイサーバーです。
デスクトップPCから見れば、既存のXサーバーを置き換えるソフトウェアになります。
「Mir」に関する詳細は、以下を参照してください。
- 公式サイト:Mir Display Server
- ユーザー向けドキュメント:Getting and Using Mir
- 開発者向けドキュメント:Welcome to Mir
- GitHub:MirServer/mir
- コミュニティー:Mir category
グラフィックプラットフォーム
グラフィックプラットフォームのサポートが改善され、グラフィックプラットフォーム起動時のエラーを診断する機能の改善や、新しいグラフィックプラットフォームの開発を支援するツールの改良が行われています。waylandグラフィックプラットフォーム
このグラフィックプラットフォームにより、「Mir」を他のWaylandコンポジターのクライアントとして動作させることができます。「Mir on Mir」も可能です。
このグラフィックプラットフォームを利用するには、以下のように「--wayland-host <wayland-socket>」設定かそれに相当する設定を使用します。
miral-system-compositor
miral-shell --wayland-host wayland-0
egmde-confined-desktop --wayland-host wayland-0
miral-shell --wayland-host wayland-0
egmde-confined-desktop --wayland-host wayland-0
ホストされたセッション間を切り替えるには、「Ctrl + Alt + PageUp」キーか「Ctrl + Alt + PageDown」キーを使用します。
また「wayland」グラフィックプラットフォームは、「Ubuntu Touch」のグラフィックスタックを「mirclient」から「Wayland」へ移行させるのに必要なグラフィックプラットフォームです。
加えて「Unity 8」を「unity-system-compositor」のクライアントとして動作させることも可能です。
DispmanXグラフィックプラットフォーム(開発中)
「Raspberry Pi」向けの「dispmanx」グラフィックプラットフォームでは初期作業が行われ、「Mir 1.6.0」に取り込まれています。「Mir」で「dispmanx」グラフィックプラットフォームをサポートするには、まだ作業が必要です。
また現状このグラフィックプラットフォームを利用するには、ドライバースタックを同梱した特別なシステムイメージが必要です。
引き続きこのグラフィックプラットフォームをサポートするための作業が行われています。
Wayland
「Wayland」周りの実装では、パフォーマンスの改善や不具合の修正が行われています。Arch
「Arch」では、パッケージ(GMockとMesa IIRC)のアップデートにより、「Mir」をビルドできない問題が発生していました。この問題が修正されました。
IoT向けホワイトペーパー
「Canonical」は、スマートディスプレイデバイスを「Mir」を利用して構築するホワイトペーパーの案内を以下で行っています。変更点の詳細
「Mir 1.6.0」の変更点の詳細です。
ABI summary:
Enhancements:
Bugs fixed:
- mirserver ABI bumped to 52
- mirplatform ABI bumped to 17
Enhancements:
- [mirclient] Drop some more mirclient support: infrastructure, unit-tests
- [Wayland] Avoid unnecessary calls into Window Management (Fixes #1049)
- [graphics-platforms] Improve diagnostics by running the platform probe even when manually selected. (Fixes #1045)
- [graphics-platforms] Provide a generic way to handle the Wayland buffer consumption
- [graphics-platforms] tests: Add basic manual platform test harness
- [graphics-platforms] Add “Wayland platform”
- [graphics-platforms] Initial rpi-dispmanx platform
- Drop the --wayland-socket-name (redundant) configuration option
- New mir_demo_client_wayland_egl_spinner in mir-tests-tools package
- New miral-system-compositor in mir-demos package
Bugs fixed:
- Crashes & lockups caused by thread-unsafe code. (Fixes #1106)
- Mir crashes when surface sets parent to null. (Fixes #1053)
- Fix build against GMock/GTest ≥ 1.9
- Fix build on Arch (Fixes #1084)