Linux Mint 20.1の新機能と変更点
「Linux Mint 20.1」の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
各エディションの新機能と変更点の詳細は、以下を参照してください。- Cinnamon Edition:New features in Linux Mint 20.1 Cinnamon
- MATE Edition:New features in Linux Mint 20.1 MATE
- Xfce Edition:New features in Linux Mint 20.1 Xfce
各エディションのリリースノートは、以下を参照してください。
- Cinnamon Edition:Release Notes for Linux Mint 20.1 Cinnamon
- MATE Edition:Release Notes for Linux Mint 20.1 MATE
- Xfce Edition:Release Notes for Linux Mint 20.1 Xfce
サポート期間
「Linux Mint 20.1」はLTSリリースであり、2025年までサポートされます。また「Linux Mint 20.1」は、「Ubuntu 20.04 LTS」がベースになっています。
デスクトップ環境
「Cinnamon Edition」ではデスクトップ環境に「Cinnamon 4.8」を採用しています。「MATE Edition」ではデスクトップ環境に「MATE 1.24」を採用しています。
「Xfce Edition」ではデスクトップ環境に「Xfce 4.14」を採用しています。
ウェブアプリ(Web Apps)
様々なウェブサイトをデスクトップアプリのようにデスクトップに統合することができます。つまりウェブサイトのデスクトップアプリ化ですね。
Web Appマネージャー
ウェブアプリを作成するには、Web Appマネージャーを起動します。ウェブアプリの作成は簡単で、複数のウェブアプリを作成できます。
デスクトップアプリのUX
作成したウェブアプリを起動すると、以下のようにデスクトップアプリのようなUXでウェブサイトを利用することができます。ウェブアプリは自身の専用のウィンドウとアイコンを持ち、デスクトップアプリのように扱うことができます。
ウィンドウの切り替えも可能
「Alt + Tab」で表示されるウィンドウスイッチャーでウェブアプリを切り替えることも可能です。パネルにピン留めも可能
ウェブアプリはデスクトップアプリと同じようにパネルに表示され、よく利用するウェブアプリをパネルにピン留することも可能です。アプリケーションメニュー
ウェブアプリはアプリケーションメニューの「Web(ウェブ)」カテゴリーに表示されます。ウェブサイトやウェブサービスの使い勝手を改善
ウェブブラウザーで複数のウェブサイトやウェブサービスを利用する場合、通常はタブでそれらのウェブサイトを切り替えて表示・利用するケースが多いでしょう。ウェブアプリでウェブサイトをデスクトップアプリ化することで、切り替え操作がタブの切り替えからアプリやタスクの切り替えに変わります。
この操作方法のほうが都合が良いケースもあるでしょう。
またウェブサービスによってはウェブサイト経由でサービスを利用できても、Linux向けにクライアントアプリをリリースしておらず、アプリからサービスを利用できないサービスも存在します。
このようなサービスをウェブアプリにすることで、クライアントアプリのようにサービスを利用することもできます。
Hypnotix
「Hypnotix」はM3Uプレイリストに対応したIPTVプレーヤーです。IPTVプロバイダーが提供するTVを視聴できます。
またプレイリストやIPTVプロバイダーがVODセクションを提供する場合、映画の視聴やTVシリーズによる分類も可能です。
デフォルトのIPTVプロバイダー
デフォルトではIPTVプロバイダーに「Free-IPTV」が登録されています。お気に入りへのアクセス(Cinnamon)
頻繁に利用するファイルへのアクセスがもっと簡単になりました。ファイルをお気に入りに追加
頻繁に利用するファイルを右クリックし、表示されるメニューから「Add to Favorites(お気に入りに追加)」をクリックします。パネルからアクセス
ファイルをお気に入りに追加すると、パネルに星アイコンが表示されます。星アイコンをクリックすれば、以下のようにお気に入りに追加したファイルの一覧が表示され、即座にファイルへアクセスできます。
アプリケーションメニューからアクセス
お気に入りに追加したファイルは、アプリケーションメニューの「Favorites(お気に入り)」からアクセスすることも可能です。ファイルマネージャーからアクセス
お気に入りに追加したファイルは、ファイルマネージャーの「Favorites(お気に入り)」からアクセスすることも可能です。またここからお気に入りの管理も可能です。
お気に入りをサポートするアプリ
以下のアプリもお気に入りに対応しています。- Xed(テキストエディター)
- Xreader(ドキュメントビューアー)
- Xviewer(画像ビューアー)
- Pix(画像ビューアー/画像ブラウザー)
- Warpinator(ファイル共有)
また「GTK3」で作られたすべてのアプリでは、ファイル選択ダイアログがお気に入りに対応しています。
Cinnamon 4.8
「Linux Mint 20.1 Cinnamon Edition」ではデスクトップ環境に最新版の「Cinnamon 4.8」を採用しています。パフォーマンスの改善
4Kディスプレイでの描画パフォーマンス向上やウィンドウマネージメントのリソース消費改善、「MozJS78」に基づくJavascriptインタープリターの高速化など、パフォーマンスが改善されています。Cinnamon Spiceのサポート改善
「Cinnamon」に対し前方互換性を確保する仕組みや、異なるバージョンの「Cinnamon」をサポートする仕組み、ネットワーク処理の改善により、Cinnamon Spiceのサポートが改善されています。アプリケーションメニューの検索
アプリケーションメニューでの検索結果は、関連度順に並び替えられるようになりました。suspend-then-hibernateのサポート
「systemd」の「suspend-then-hibernate」の仕組みがサポートされました。その他の改善
その他の改善です。- Flatpakのサポート改善
- 音量OSD(オンスクリーンディスプレイ)がパーセンテージに対応
- メニューを開いた時に常にパネルを表示するオプションの追加
- window-quick-listアプレットがスクロールに対応
- workspace-switcher-appletでスクロール方向の設定が可能に
- マイクをミュートにするキー割り当てのサポート
- nemo-filerollerがZstdをサポート
- nemo-media-columnsがTIFFとPDFページ数に対応
- Nemoが64GBを超えるファイルのサムネイルに対応
プリンターとスキャナーのサポート改善
「Linux Mint 19.3」以前では、プリンターやスキャナーを動かすのにそれぞれのデバイスに対応したドライバーが必要でした。IPPによりドライバーがなくてもデバイスが利用可能に
「Linux Mint 20」ではデフォルトで「ippusbxd」がインストールされており、「IPP over USB」に対応しています。「IPP」のおかげでそのデバイス固有のドライバーがなくてもデバイスの検出が可能になり、ドライバーなしに印刷やスキャンが可能になります。
解決できた問題よりも、新たに発生した問題の方が大きかった
「ippusbxd」により解決できた問題よりも新たに発生した問題の方が大きく、開発チームは「Linux Mint 20.1」で方針を変更しました。「Linux Mint 20.1」では「ippusbxd」が削除され、印刷やスキャンは「Linux Mint 19.3」以前と同じ使い方で利用できるようになりました。
また「Linux Mint 20.1」のリポジトリーでは、「ipp-usb」及び「sane-airscan」を提供しており、プリンターやスキャナーに対応したドライバーがないなどそれらのデバイスがうまく動作しない時は、これらの仕組みを利用してみてください。
HP製最新プリンターとスキャナーのサポート改善
「HPLIP」が「HPLIP 3.20.11」にアップデートされ、HP製の最新プリンターとスキャナーのサポートが改善されています。XAppsの改善
「XApps」の改善点です。ログイン画面の時計フォーマットが設定可能に
ログイン画面(Slick Greeter)で表示される時計のフォーマットをカスタマイズできるようになりました。Xedの改善
「Xed」でソースコード編集時に、自動的にブラケットを閉じられるようになりました。Xviewerの改善
「Xviewer」でマウスホイール(プライマリーとセカンダリー)の振る舞いを設定できるようになりました。Pixの改善
「Pix」はレーティングでフィルタリングできるようになりました。新しい壁紙
「Linux Mint 20.1」には、新しい壁紙が含まれています。その他の改善
その他の改善です。Celluloidでハードウェアアクセラレーションが有効に
「Celluloid」では、デフォルトでハードウェアアクセラレーションが有効になりました。これにより多くの環境で動画再生がスムーズになり、パフォーマンスが改善されCPU使用率が下がります。
ドライバーマネージャーの改善
ドライバーマネージャーは「PackageKit」を使用するようになりました。これによりパッケージの依存関係の解決が強化され、UIが改善されました。