Linux Mint月刊ニュース
「Linux Mint」開発チームは、Linux Mint月刊ニュースにて「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。アップデートマネージャーの改善
「アップデートマネージャー」の改善が進められています。アップデートに消極的なユーザーの存在
「Linux Mint」開発チームの調査によると、「Linux Mint」ユーザーの中にはソフトウェアのアップデートを積極的に実施しないユーザーや、さらにサポート期間が過ぎた「Linux Mint」を利用しているユーザーが見受けられます。この状況はセキュリティーリスクになっており、開発チームはこの状況を改善するためユーザーにソフトウェアのアップデートを促す改善を行っています。
アップデートの実施日時からユーザーにアップデートを促す
「アップデートマネージャー」ではユーザーがソフトウェアのアップデートを見落とすことがないように、アップデート状況を追跡する機能を検討しています。この機能では最後にアップデートを実施した日時はいつなのか、そしてシステムでアップグレードされたパッケージの最終日時はいつなのかを追跡し、アップデート可能なソフトウェアを列挙するだけでなく、アップデートの日時に関する情報も扱えるようになります。
「アップデートマネージャー」は日時に関する情報からユーザーにアップデートの実施を積極的に促せるようになります。
ユーザーによってはこの通知が煩わしく感じるかもしれません。
しかしユーザーのワークフローから最適な通知方法を検出し、またこの機能を設定で調整できるようになる予定です。
開発チームは現在この機能の開発方針を検討している最中ですので、今後もっと具体的な案が紹介されると思います。
不具合の修正
昨日以下のアップデートがリリースされました。- xapp
- warpinator
- nemo
- cinnamon-menus
- nemo-dropbox
- nemo-media-columns
- nemo-python
このアップデートには多数の変更と不具合の修正が行われています。
ログイン時間の短縮
高速なPCでは「xapp」コンポーネントによりログイン時間が1秒余計にかかる可能性がありました。これはインジケーターやQtアプリと「systray」との互換性を確保するためであり、ログイン時に自動起動するアプリが起動する前にシステムトレイを適切な位置に配置する必要があります。
これを確実に実施するためにセッションの処理が一時的に保留されます。
この機能の設計が見直されセッションを保留しなくなり、1秒の遅延が解消されました。
お気に入りの問題の修正
お気に入りの使い勝手に関する多くの問題や不具合が修正されました。Nemoの不具合修正
「Nemo(ファイルマネージャー)」のウィンドウをリサイズした時に、アイテムの配置場所等の再計算処理が蓄積していくケースがあります。この時フォーカスの設定に遅延が発生します。
この問題が修正されました。
また「Nemo」やその拡張機能においてメモリーリークが発生する不具合も修正されています。
ファイル操作及びサムネイル管理の改善
「Nemo」のファイル操作及びサムネイル管理のパフォーマンス及び安定性が向上しています。デスクトップ
デスクトップではボールドフォント(太字のフォント)に関する不具合や、アイコンの並び替えに関する不具合が修正されています。これによりUXが改善されます。
LUKS環境で発生するPlymouthの不具合修正
「LUKS(暗号化ボリューム)」環境で発生する「Plymouth」の不具合が修正されました。そのアップデートが本日リリースされました。
Cinnamonの改善
「Cinnamon」に関する改善です。メモリーリークに対する回避策の導入
ここ数年間「Cinnamon」自身にメモリーリークは見つかっていません。しかし不具合報告の情報不足により原因が特定できないケースがあるとは言え、「Cinnamon」でメモリーリークが発生しているかのように見える現象のほとんどは、GPUドライバーやハードウェアに起因するものです。
「Cinnamon」自身は多くのGPUドライバーに依存して動作しています。
「Cinnamon 5.0」では「システム設定」から「Cinnamon」が利用可能なメモリーの最大容量を指定できるようになります。
「Cinnamon」のメモリー使用量が設定された最大値に達すると、「Cinnamon」が再起動します。
この時セッションやアプリのウィンドウが失われることはありません。
シェル自身を再起動するイメージです。
スパイスの管理改善
従来の「Cinnamon」では、スパイス(アプレット、デスクレット、機能拡張)のインストール済みタブとダウンロードタブ内に表示されるスパイスの情報が、同一スパイスであっても表現が異なることがありました。スパイスのインストール済みか否かに関わらず、すべてのスパイスで同一の名称、アイコン、説明を表示するようになりました。
またスパイス製作者の名前やスパイスを一意に識別するユニークIDなどスパイスの詳細情報を表示する機能の実装や、ZIPアーカイブで提供されるサードパーティー製のスパイスをGUIから簡単にインストールできるようにする機能の実装が進められています。