CanonicalがBlenderの商用サポートを提供
2021年6月23日、「Canonical」が「Blender」の商用サポートの提供を発表しました。Blender
「Blender」はオープンソースで開発されている3D CG作成アプリです。モデリングやリギング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、合成にモーショントラッキング、そしてビデオ編集など3D CGの作成に必要な一連の機能を提供しています。
また2Dアニメーションの作成機能も提供しています。
非常に著名なアプリであり、利用者も多いのではないでしょうか。
Canonical
「Ubuntu」ユーザーにとってはお馴染みの企業ですね。「Canonical(Canonical Ltd.)」は「Ubuntu」プロジェクトを支援する企業であり、広範に渡り「Ubuntu」プロジェクトを支えています。
「RHEL(Red Hat Enterprise Linux)」で言うところの「Red Hat, Inc.」、「Windows」で言うところの「Microsoft」と言えば分かりやすいでしょうか。
ただ「Microsoft」とは大きく性質が異なります。
パートナーシップの締結
「Blender」は過去数年間業界から多大な支援を受けてきましたが、約20年間に渡り商用サポート契約を提供する機会はありませんでした。商用サポート契約の提供は、企業が「Blender」の採用を検討する際、重要な判断材料の1つとなります。
「Blender」と「Canonical」は商用サポート契約に関しここ数ヶ月間幅広く議論し、パートナーシップの締結に至りました。
Blender LTSの商用サポート提供
「Canonical」は「Blender LTS」の商用サポートを提供し、商用サポートを契約した顧客に包括的な技術サポートを提供します。またサポート対象OSは、「Linux」「Windows」「macOS」です。
商用サポートでは「Canonical」のエンジニアが顧客と直接連携し、課題の解決に取り組みます。
商用サポートは「Ubuntu Advantage」を通じて提供されます。
独立性の維持と収益の分配
「Canonical」が窓口となり「Blender」の商用サポートを提供しますが、「Blender」の独立性は引き続き維持されます。また「Canonical」が商用サポートで得た利益は「Blender」にも分配されます。
「Blender」ではそこで得た収益を「Blender」のコア開発及びLTSのパブリックサポートに投資します。