MATE 1.26がリリースされました
2021年8月10日、18ヶ月の開発期間を経て「MATE 1.26」がリリースされました。MATE
「MATE」は「Ubuntu」の公式フレーバーの1つである「Ubuntu MATE」で採用されているデスクトップ環境です。今後リリースされる「Ubuntu MATE」で「MATE 1.26」が採用されるでしょう。
「MATE 1.26」の新機能と変更点をいくつかピックアップします。
MATE Desktop
全般的な変更点です。1.Waylandのサポート
以下のソフトウェアで「Wayland」がサポートされました。- Atril(ドキュメントビューアー)
- System Monitor(システムモニター)
- Pluma(テキストエディター)
- Terminal(端末)
- その他デスクトップを構成するコンポーネント群
2.通知の改善
デスクトップ上に表示される「通知」画面がハイパーリンクに対応しました。
また通知を抑制する「Do not Disturbアプレット」が追加されました。
3.アプレットの改善
ボリューム関連のアプレットやウィンドウリストのアプレットでは、マウスのスクロールによる操作を無効化するオプションが追加されました。またウィンドウサムネイルの画質が改善されました。
ネットスピードアプレットでは、デフォルトでより多くの情報を表示するようになりました。
また「netlink」がサポートされました。
4.Macroの改善
「Macro」はウィンドウマネージャーです。「Macro」利用時に最小化したウィンドウを復元する際、より安定してウィンドウの位置ずれが起きないように修正されました。
Pluma
「Pluma」はテキストエディターです。「Pluma」に関する主な変更点です。
1.ミニマップに対応
ミニマップはテキストコンテンツを縮小表示し、コンテンツの概要を表示する機能です。「Pluma」でミニマップが利用できるようになりました。
2.新しいグリッドパターン
背景に新しいグリッドパターンを利用できるようになりました。3.並び替えがアンドゥに対応
並び替え(ソートプラグイン)がアンドゥに対応しました。4.行番号表示切り替え
「Ctrl + Y」で行番号の表示。非表示を切り替えられるようになりました。5.プラグインの強化
ソースコードの編集時によく利用される以下の機能がサポートされました。- Bracket completion(対になる括弧を自動的に補完)
- Comment/Uncomment code(コードのコメント化とコメント解除)
- Built-in terminal(埋め込み端末)
- Word completion(単語の補完)
コントロールセンター
「コントロールセンター」に関する主な変更点です。1.ウィンドウの設定画面にオプション追加
「ウィンドウ」の設定画面に新しいオプションが追加されました。2.ディスプレイのスケーリング設定の追加
「ディスプレイ」の設定画面に、ディスプレイのスケーリングを設定する項目が追加されました。電卓
「電卓(Calculator)」に関する主な変更点です。1.精度とパフォーマンスの向上
「GNU MPFR/MPC」ライブラリーを利用するようになり、計算精度及び計算速度が向上しました。2.計算履歴のサポート
直近の計算履歴を保持するようになり、履歴から計算内容を確認できるようになりました。また履歴を表示している時に電卓のウィンドウをリサイズできるようになりました。
Caja
「Caja」に関する主な変更点です。「Caja」はファイルマネージャーです。
1.ブックマークサイドバー
サイドバーにブックマーク一覧を表示するサイドバーを表示できるようになりました。2.ドライブのフォーマット
ドライブをコンテキストメニューからフォーマットできるようになりました。3.Caja Action
コンテキストメニューから任意のプログラムを実行可能な「Caja Action」拡張が、デスクトップの一部になりました。Atril
「Atril」に関する主な変更点です。「Atril」はドキュメントビューアーです。
1.パフォーマンスの改善
検索アルゴリズムを線型探索(linear search)から二分探索木(binary tree search)に変更し、巨大なドキュメントでスクロールする時に従来よりも高速にスクロールできるようになりました。2.メモリー使用量の改善
必要に応じて「EvWebView」を作成するようになり、メモリー使用量が改善されました。Engrampa
「Engrampa」に関する主な変更点です。「Engrampa」はアーカイブマネージャーです。