Ubuntu Touchのテストに参加及び協力するには
「Ubuntu Touch」では「OTA(Ubuntu Touchのアップデート)」をリリースする前にユーザーにテストの協力を呼びかけています。「Ubuntu Touch」はこのテストを通じ品質保証(QA/Quality Assurance)を実施しています。
ユーザーにテストに参加して欲しい
どのようなソフトウェアでもそうですが、ソフトウェアにとって品質を確認・確保するプロセスは重要なプロセスとなります。「Ubuntu Touch」は今後も継続的にアップデートがリリースされていきますが、前回のアップデートよりも優れたアップデートを提供していくために、開発チームは多くのユーザーに継続的にテストに参加して欲しいと考えています。
そこで開発チームはテストに参加する方法やテスト方法を上記リンク先で紹介しています。
QA用のTelegram
開発チームはQA用の「Telegram」を用意しており、テストに関する情報をこちらから入手することもできます。テストの呼びかけ
また開発チームは「Ubuntu Touch OTA」のリリース前にテストの呼びかけを実施しています。そちらでもテストに関する情報を取得することができます。
例えば現在最新版の「Ubuntu Touch OTA-19」でもテストの呼びかけが行われました。
「Ubuntu Touch OTA-19」でのテストの呼びかけは、以下を参照してください。
フォーラムでの質疑応答も
開発チームはテストの呼びかけを行う際、それに関連するスレッドをフォーラムに設けています。例えば「Ubuntu Touch OTA-19」のテストに関するスレッドは、以下を参照してください。
1.Ubuntu Touch OTA RC版をインストールする
テストに参加するするにはまず「Ubuntu Touch OTA」のRC版(Release Candidate/リリース候補版)をインストールする必要があります。「Ubuntu Touch OTA RC版」は「Release Candidateチャンネル」から提供されます。
1-1.すでにRelease Candidateチャンネルを利用している場合
すでに「Release Candidateチャンネル」を利用している場合、「System Settings -> Updates」からアップデートを実行し、アップデート後にデバイスを再起動するだけでOKです。1-2.Stableチャンネルを利用している場合
「Ubuntu Touch」をインストールすると、デフォルトのチャンネルが「Stableチャンネル」に設定されます。この場合まず「System Settings -> Updates」からすべてのソフトウェアをアップデートします。
ソフトウェアのアップデートがないことを確認したら画面右上の設定アイコンをクリックし、「Channels(チャンネル)」をクリックします。
チャンネルの選択画面が表示されるので、「Release Candidate」を選択します。
チャンネルを切り替えたらアップデート画面に戻りアップデートを実行し、アップデート後にデバイスを再起動します。
2.テストの実施
テストを実施します。各アップデートのリリース毎に「GitHub」上でテスト項目が公開されます。
2-1.テスト項目の確認
例えば現在開発中の次期アップデート版「Ubuntu Touch OTA-20」では、以下のように各種項目が並んでいます。各項目は4つのカテゴリー(4列)に振り分けられており、それぞれのカテゴリーには以下の意味があります。
To do
「To do」は現在認識されている不具合です。ここには修正がない、もしくは修正予定が定まっていない項目がここに属します。
また不具合かどうかまだ確定していない項目もここに属します。
In progress
「In progress」には、まだ修正されていない不具合、もしくは修正はされてはいるがリグレッションなど他に悪影響を与える項目がここに属します。QA
「QA」にはテスト対象の項目が属します。テスト対象だがまだテストが実施されていない項目がここに含まれます。
言い換えればテストの呼びかけでテスト対象となる項目がここに並びます。
Done
テストが実施され修正が確認された項目がここに属します。2-2.すべての項目がDoneに並ぶことが目標
「QA」では上記すべての項目が「Done」に並ぶことが目標となります。例えば「QA」が実施された例えば「Ubuntu Touch OTA-19」では、以下のようにすべての項目が「Done」に並んでいます。
2-3.テスト項目の種類
「QA」の列に含まれる項目がテスト対象の項目ですが、各項目には3種類のタイプが存在しています。Issue
「Issue」タイプの項目をクリックすると、ページの右側にその追加情報が表示されます。追加情報には不具合の再現手順等不具合に関する概要が表示されます。
加えて右下にある「Go to issue for full details」をクリックすると、不具合に関する詳細情報が表示されます。
Pull request
「Pull request」タイプの項目をクリックすると、ページの右側にその追加情報が表示されます。右下にある「Go to pull request for full details」をクリックすると、プルリクエストに関する詳細情報が表示されます。
Note
「Note」タイプの項目をクリックすると、マージリクエストなど直接詳細情報ページに飛びます。2-4.テスト内容の確認
テスト項目の種類によっては、以下のようにテスト内容が表示されます。Steps to reproduce
「Steps to reproduce」には不具合の再現手順が表示されます。ここに示された手順を実施して問題が修正されているか確認します。
Expected behavior
不具合の再現手順を実施した結果、ここで示されている振る舞いになったらテスト合格です。Actual behavior
不具合の内容です。不具合の修正が不十分な場合、ここで示されている振る舞いになります。
2-5.テストの実施
テスト項目及びその内容を確認したら、テストを実施します。各項目について不明な点がある場合は、各項目にコメントして問い合わせてください。
2-6.テスト結果の報告
テストした結果、問題の有無に関係なくテスト結果を報告します。テスト結果は各テスト項目のコメントで行います。
テスト結果には以下の項目を含めます。
- テストに使用したデバイス
- テストに使用したOSのバージョン
(バージョンは「System Settings -> About -> OS」から確認可) - テスト結果(問題が修正されているかどうか)
- 修正や変更によりリグレッションが起きていないか(副作用がないか)
- 何か他に好ましくない動作に気づいたならその内容
1つのテスト項目に対し十分なテスト結果が寄せられ、不具合が修正されたと判断されれば、その項目は「Done」に移されます。
そうではない場合、不具合の調査が行われます。
テストマネージャーの募集
ところでテストプロセスは複数の開発者およびユーザーが絡むプロセスです。テストプロセスの管理や調整を行うテストマネージャーが募集されています。
QA管理の実務経験がありテストマネージャーに立候補したい場合は、「Telegram」に知らせてほしいとのことです。
Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けのOSであり、ユーザーのプライバシーと自由を尊重するOSです。UbuntuベースのOS
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースで開発されているOSであり、開発は「UBports」コミュニティーにより行われています。モバイルのUXとデスクトップのUX
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。つまり1つのモバイルデバイスで、モバイルのUXとデスクトップのUXを利用することができます。
Ubuntu Touchがサポートしているデバイス
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。Ubuntu Touchインストーラー
「Ubuntu Touch」は「UBports Installer」を利用してインストールします。「UBports Installer」は、「Windows」「macOS」「Linux」に対応しています。
「UBports Installer」の使い方は、以下の動画を参考にしてください。