WSL 0.47.1.0の新機能と変更点
「WSL 0.47.1.0」の新機能と変更点をいくつか紹介します。ストアアプリケーション版WSL
ストアアプリケーション版「WSL」の詳細やインストール方法は、以下を参照してください。リリースノート
リリースノートは以下を参照してください。WSLの機能改善や変更
「WSL」に関する機能改善や変更です。1.WSLgの同梱
「WSL」にLinux GUIアプリを動かすための「WSLg」が同梱されるようになりました。「WSLg」は「WSLg 1.0.29」にアップデートされており、「msrdc.exe」を使用するように変更されています。
また「ARM64」では「WSLg」の共有メモリーを利用できるようにするため「virtio」が有効になっています。
2.WSLENVによる環境変数の上書き
「WSLg」で使用される環境変数は「WSLENV」で上書きできるようになりました。3.VHDのマウント
「wsl.exe --mount」のオプションに「--vhd」が追加され、「VHD(Virtual Hard Disk)」形式のディスクイメージファイルを簡単にマウントできるようになりました。4.ファイルシステムの自動判別
「wsl.exe --mount」コマンド実行時に「--type」オプションが指定されなかった場合、マウントするファイルシステムの形式を自動的に判別してマウントできるようになりました。5.マウントポイント名の指定
「wsl.exe --mount」のオプションに「--name」が追加され、マウントポイント名を指定できるようになりました。6.Linux kernel 5.10.60.1にアップデート
「Linux kernel」が「Linux kernel 5.10.60.1」にアップデートされ、以下の改善がなされました。- USB接続の「Arduino」と通信するためのUSBカーネル構成オプションが有効になりました。
- PCI BAR相対アドレスをサポートする「virtio-pmem」が有効になりました。
- 「ARM64」の「Hyper-V」で「vPCI」がサポートされました。
- 「io_uring」がサポートされました。
- 「USB over IP」がサポートされました。
- 「x86_64」で準仮想化スピンロックがサポートされました。
- 「dxgkrnl」ドライバーの不具合が修正されました。
- 「NFSv4.1」のNFSクライアントがサポートされました。
- 「9p」もしくは「fstab」のマウント失敗時に出力されるエラーメッセージが改善されました。
7.ext4ファイルシステムの構築方法の変更
事前にext4でフォーマットされた「VHD」を使用する代わりに、「mkfs.ext4」でファイルシステムを構築するように変更されました。8.スワップファイルの生成方法の変更
今まで独自の方法でスワップファイルを生成していましたが、「mkswap」及び「swapon」でスワップファイルの生成と有効化が行われるように変更されました。これにより改善する問題は、以下を参照してください。
9.MTUの動的変更
「NATネットワーク」の「MTU」を動的に変更するロジックが追加されました。10.Linuxディストリビューションを指定するオプションが省略可能に
「wsl.exe --install」コマンドでLinuxディストリビューションをインストールする際、Linuxディストリビューションを指定する「--distribution」オプションを省略できるようになりました。既存スクリプトとの互換性を維持するため、引き続き「--distribution」オプションは提供されます。
11.WSLのバージョン表示
「wsl.exe --version」コマンドで「WSL」のバージョンを表示できるようになりました。12.Windowsのバージョン表示
「wsl.exe --status」コマンド及び「wsl.exe --version」コマンドで、Windowsのバージョンが表示されるようになりました。
13.ストアページの表示
「wsl.exe --update」コマンド実行時に「WSL」のストアページを起動するように変更されました。
WSLの不具合の修正
「WSL」の不具合の修正です。1.\\wsl$\ 及び \\wsl.localhost\ の不具合修正
「ARM64」で発生する「\\wsl$\」及び「\\wsl.localhost\」に関する不具合が修正されました。2.generateResolvConfが動作しない不具合の修正
「/etc/wsl.conf」ファイルの「generateResolvConf」設定が動作しない問題が修正されました。これにより改善する問題は、以下を参照してください。
既知の問題
既知の問題です。- SSHからの接続などセッションが0のLinuxから「WSL」を起動することはできません。
- コンポーネント版「WSL」がインストールされていない場合、エクスプローラーにLinuxのアイコンが表示されません。