Apache Log4j2の脆弱性(CVE-2021-44228)
2021年12月9日、「Apache Log4j2」でリモートコードを実行可能な脆弱性情報が公開されました。最新情報を入手するには
本脆弱性及び「Ubuntu」の対応に関する最新情報は、以下を参照してください。今回紹介する内容は2021年12月17日時点の情報です。
またアップストリームによる本脆弱性の説明は、以下を参照してください。
脆弱性の概要
構成やログメッセージ、及びパラメーターで使用される「Apache Log4j2」の「JNDI」機能が、細工された「LDAP」及びその他「JNDI」に関連するエンドポイントから適切に保護されていません。「Apache Log4j2」のメッセージのルックアップ・置き換え機能が有効になっている環境では、攻撃者はログメッセージやログメッセージのパラメーターを細工することで、LDAPサーバーから任意のコードを読み込ませ、そのコードを実行することができます。
CVE
本脆弱性には脆弱性を一意に識別する以下の「CVE」が割り当てられています。Ubuntuの対応
本脆弱性に対する「Ubuntu」の対応です。影響を受けるUbuntuのバージョン
本脆弱性に影響を受ける「Ubuntu」のバージョンは以下のとおりです。- Ubuntu 21.10
- Ubuntu 21.04
- Ubuntu 20.04 LTS
- Ubuntu 18.04 LTS
- Ubuntu 16.04 ESM
Apache Log4j2 2.15.0で修正
アップストリームでは、本脆弱性を「Apache Log4j2 2.15.0」で修正しています。「Ubuntu」では「Ubuntu」のバージョンにより、アップストリームのバージョンをベースに本脆弱性に対応するケースと、別の手段で本脆弱性に対応するケースに別れます。
Ubuntuのバージョン | パッケージのバージョン |
---|---|
Ubuntu 21.10 |
apache-log4j2 2.15.0-0.21.10.1 |
Ubuntu 21.04 | apache-log4j2 2.15.0-0.21.04.1 |
Ubuntu 20.04 LTS |
apache-log4j2 2.15.0-0.20.04.1 |
Ubuntu 18.04 LTS | apache-log4j2 2.10.0-2ubuntu0.1 |
Ubuntu 16.04 ESM | apache-log4j2 2.4-2ubuntu0.1~esm1 |
Ubuntu 14.04 ESM | 調査中 |
そのためパッケージバージョンだけを見て本脆弱性の対応の有無を判断することはできません。
上記にもあるように「Ubuntu 20.04 LTS」以降では「Apache Log4j2 2.15.0」をベースに本脆弱性に対応し、それ以外では別の手段で本脆弱性に対応しています。
アップデートのリリース
2021年12月14/15日、「Ubuntu 18.04 LTS」から「Ubuntu 21.10」向けに、本脆弱性に対応した「Apache Log4j2」がリリースされました。詳細は以下を参照してください。
- Apache Log4j2に任意コード実行の脆弱性(CVE-2021-44228)・Ubuntuの対応とアップデートのリリース
- Apache Log4j2にDoSの脆弱性(CVE-2021-45046)・セキュリティーアップデートのリリース
「ソフトウェアの更新」等パッケージをアップデートするソフトウェアから「Apache Log4j2」をアップデートしてください。
バイナリーの互換性について
「Apache Log4j2 2.15.0」は以前のバージョンとバイナリー互換があると考えられているため、「Ubuntu 20.04 LTS」以降では本脆弱性の対応と共に「Apache Log4j2 2.15.0」へメジャーアップデートされました。ただし「Ubuntu 18.04 LTS」では、大幅なメジャーアップデートは影響範囲が広く、リグレションのリスクを回避するため、影響を受ける以下のクラスを削除することで本脆弱性に対応しています。
- java/org/apache/logging/log4j/core/lookup/JndiLookup
これにより「JNDI」のルックアップが無効化されます。
WAFによる緩和策の導入
以下で「WAF(Web Application Firewall)」による脆弱性の緩和策の導入が紹介されています。- Protection against CVE-2021-45046, the additional Log4j RCE vulnerability
- CRS and Log4j / Log4Shell / CVE-2021-44228
apache-log4j1.2について
「apache-log4j1.2」は本脆弱性(CVE-2021-44228)に影響を受けません。しかし類似した脆弱性があり、そちらは「CVE-2021-4104」として報告されています。
詳細は以下を参照してください。