トリプルバッファリングの導入によるGNOMEのパフォーマンス改善
「Ubuntu(Canonical)」の開発者は「Ubuntu 22.04 LTS」で「GNOME」にトリプルバッファリングを導入し、「GNOME」のパフォーマンスを改善しました。GNOME
「GNOME」はデスクトップ環境であり、デスクトップのデザインや機能を提供するソフトウェアです。デスクトップ環境はユーザーが日々直接触れるデスクトップインターフェースになります。
「Ubuntu」ではデスクトップ環境に「GNOME」を採用しています。
描画が今までよりもスムーズに
トリプルバッファリングの導入により、今まで発生していた描画のカクつきやラグが改善され、描画がスムーズに行われるようになりました。今回改善された描画のカクつきは、GPUがアイドル状態(低クロック)になっている時に発生していた現象であり、トリプルバッファリングの導入によりGPUがアイドルになるタイミングを調整しています。
これによりフルフレームレートになるまでGPUが活用されるようになり、描画のカクつき改善につながっています。
ダブルバッファリングとトリプルバッファリングの動的切り替え
今回トリプルバッファリングの導入により従来のダブルバッファリングがなくなるわけではありません。必要に応じてダブルバッファリングとトリプルバッファリングが動的切り替わるようになっています。
単純なレンダリングで完結する場合、ダブルバッファリングが使用されます。
アップストリームへの取り込みはこれから
今回の修正はまだアップストリームの「GNOME」には取り込まれていません。早くても「GNOME 44」以降で取り込まれることになるでしょう。
そうなれば「Debian」や「Fedora」など、「GNOME」を利用可能な他のディストリビューションでもこの改善を利用できるようになるでしょう。