Linux Mint月刊ニュース
「Linux Mint」開発チームは、Linux Mint月刊ニュースにて「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。1. ディスクイメージのセキュアブート対応
前回紹介したようにUbuntuの「shim-signed」がアップデートされ互換性が失われたため、UEFIセキュアブート環境で既存の「Linux Mint」のディスクイメージから「Linux Mint」を起動できない問題がありました。「Linux Mint」開発チームはこの問題に取り組み、ディスクイメージの生成ツールとフレームワークを修正し、先日リリースされた「LMDE 6」と「Linux Mint 21.2 Cinnamon Edge Edition」から再びUEFIセキュアブートに対応できるようになりました。
また従来よりもディスクイメージの生成にかかる時間が短縮され、作業も簡略化されました。
加えて「LMDE」と「Linux Mint」のディスクイメージの内部構成の差異も小さくなり、幅広いBIOS及びUEFIの実装をサポートできるようになり、どちらのディスクイメージでも同じ方法でPCを起動できるようになりました。
2. GTK 4/libAdwaitaで開発されたアプリとその対応
開発チームは「LMDE 6」の開発時に「GTK 4」及び「libAdwaita」で開発されたアプリに遭遇しました。これらのアプリは「GNOME」向けにデザインされており、テーマをサポートしていません。
そのためアプリのUIは他のアプリと大きく異なり、デスクトップ上で他のアプリと親和性のあるUIを提供できません。
そこで開発チームはこの課題に対処するため、「GTK 4」及び「libAdwaita」で開発されたアプリを「LMDE 6」から除外し、「GTK 3」で開発された同アプリにダウングレードしました。
今回の対応は一時的な回避策であり、次期メジャーバージョンの「Linux Mint 22」に向けて今後の対応方針を決定することになります。
3. LMDE 6とLinux Mint 21.2 Cinnamon Edge Editionのリリース
上記でも紹介しましたが、「LMDE 6」と「Linux Mint 21.2 Cinnamon Edge Edition」がリリースされました。それぞれのリリース情報は、以下を参照してください。
「LMDE 6」では「Linux kernel」に「Linux kernel 6.1」を採用し、「Linux Mint 21.2 Cinnamon Edge Edition」では「Linux kernel 6.2」が採用されています。
またブートマネージャーの「GRUB2」がアップデートされており、UEFIセキュアブートにも対応しています。
どちらのリリースにも「Linux Mint 21.2」で実装された新機能や変更点が取り込まれています。
「Linux Mint 21.2」の新機能や変更点は、以下を参照してください。
4. LMDE 5のサポート終了日
「LMDE 5」のサポートは2024年7月1日に終了します。サポート終了日以降でも引き続きリポジトリーにアクセスすることは可能ですが、不具合の修正やセキュリティーアップデートは提供されなくなります。
サポートが終了する前に「LMDE 6」へアップグレードしてください。
「LMDE 5」から「LMDE 6」へアップグレードする方法は、以下を参考にしてください。