リアルタイムカーネル登場
2024年5月30日、Ubuntu 24.04 LTS でリアルタイムカーネルが登場しました。リアルタイムカーネル
リアルタイムカーネルは、優先度の高いプロセスを低遅延カーネルよりもさらに優先的に処理し、確定可能な応答時間を提供するカスタムカーネルです。リアルタイムカーネルは Canonical/Ubuntu によって公式にサポートされており、最大12年間のサポートを提供します。
リアルタイムカーネルは、データをリアルタイムに処理する必要がある分野など、遅延がミッションクリティカルになる分野で適合するカスタムカーネルです。
特に製造、自動車、通信、組み込みなどの分野で活用されるカスタムカーネルです。
PREEMPT_RT パッチの統合
Ubuntu 24.04 LTS のリアルタイムカーネルは、PREEMPT_RT パッチを統合したカスタムカーネルであり、AMD64 及び ARM64 向けに提供されています。PREEMPT_RT は Linux kernel における事実上のリアルタイム実装であり、応答時間の予測可能性を向上させます。
Linux kernel 6.8 ベースのカーネル
Ubuntu 24.04 LTS のリアルタイムカーネルは、Linux kernel 6.8 ベースのカーネルです。このカーネルには、Raspberry Pi 向けの最適化も含まれています。
Ubuntu Pro から提供される
リアルタイムカーネルは、Ubuntu Pro から提供されます。Ubuntu Pro は Canonical が提供している商用サポートサービスであり、エンタープライズに高度なサポートを提供しています。
ちなみに Ubuntu Pro には無料枠もあり、最大5台のマシンまで無料枠の範囲内で Ubuntu Pro を利用できます。
Ubuntu Pro を契約していれば、以下のコマンドでリアルタイムカーネルを利用できます。
pro attach
pro enable realtime-kernel
pro enable realtime-kernel