Ubuntu 24.04.1 LTS へのアップグレード提供再開
2024年9月10日、先週水曜日に一時的に無効になっていた Ubuntu 24.04.1 LTS へのアップグレードパスが、再び提供されるようになりました。致命的な問題が見つかった
先週水曜日、Ubuntu 24.04.1 LTS へアップグレードする際に致命的な問題が見つかったため、アップグレードパスの提供が一時的に無効化されました。現在これらの致命的な不具合は解消されており、再びアップグレードパスの提供が再開されました。
主な問題
Ubuntu 24.04.1 LTS へアップグレードした後に、kernel header の依存関係が満たせなくなる問題です。新しいアルゴリズムを導入したが・・・
アップグレードツールの ubuntu-release-upgrader(バージョン:1:24.04.22)は、不要になったパッケージを処理する際、パフォーマンス向上のため新しいアルゴリズムを導入しました。しかしこのアルゴリズムを使用した場合、意図せず APT で削除要求の取り消しに失敗し、しかもその失敗エラーを返さない問題が発生していました。
どうなるの?
この結果、APT で以下のようなエラーメッセージが出力され、パッケージが破損します。linux-headers-6.5.0-1025-gcp : Depends: linux-gcp-6.5-headers-6.5.0-1025 but it is not installable, as APT failed to undo the removal request for linux-gcp-6.5-headers-6.5.0-1025.
ただしこのエラーはアップグレード時に Ubuntu の起動に使用されたカーネルの kernel header がインストールされていた時のみ発生し、アップグレード後のパッケージのインストールやアップデート時にこの問題が表面化します。
Ubuntu 22.04 LTS での対応
APT 2.4.13 でこの問題が修正されました。Ubuntu 23.10 での対応
ubuntu-release-upgrader 1:24.04.23 で以前のアルゴリズムに戻すことにより、この問題が修正されました。この問題に遭遇したら
この問題に遭遇したら、以下のコマンドを実行して破損パッケージの修復を行ってください。
sudo apt install --fix-broken
これで古い kernel header のパッケージが削除され、再び APT が動作するようになります。
もう一つの問題
もう一つの問題は、ubuntu-release-upgrader で kernel header がすべて削除されてしまう問題です。Ubuntu 23.10 からアップグレードする時に発生する問題で、ubuntu-release-upgrader 1:24.04.23 で修正されています。
この問題は致命的な問題ではありませんが、古いカーネルで起動したい時に、DKMS モジュールのいくつかが欠落している可能性があります。
またこの問題は、Ubuntu 24.04 LTS のカーネルやその他すべてのパッケージに影響は及びません。