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Ubuntu 26.04 その32 - Ubuntu 26.04 LTS の新機能と変更点・既知の問題

Ubuntu 26.04 LTS の新機能と変更点・既知の問題

リリースノートから、Ubuntu 26.04 LTS の新機能と変更点を紹介します。


リリース情報

Ubuntu 26.04 LTS のリリース情報は、以下を参照してください。

  • Ubuntu 26.04 LTS がリリースされました・ディスクイメージのダウンロード

Ubuntu 26.04 LTS のリリースノートは、以下を参照してください。

  • リリースノート:ReleaseNotes

ここでは主に Ubuntu Desktop の内容を中心にピックアップします。

Ubuntu やシステム全般

Ubuntu やシステム全般に関する内容です。

Ubuntu のサポート期間

Ubuntu 26.04 LTS は5年間のサポート期間が提供され、2031年4月までサポートされます。
またLTSリリースの Ubuntu は、Canonical が提供する商用サポートサービス Ubuntu Pro の対象になります。

  • Ubuntu Pro

Ubuntu Pro を導入することで、Ubuntu 26.04 LTS のサポート期間を最大15年間に延長することもできます。
Ubuntu Pro が提供するサポートサービスの内一部のサービスは、無料で利用できる無料枠もあります。

システム要件

Ubuntu Desktop 26.04 LTS を快適に利用するには、以下のハードウェアスペックが必要です。

  • 2GHz以上のデュアルコア CPU
  • 6GB 以上のメモリー
  • 25GB 以上のストレージ 

ハードウェアスペックが不十分な PC には、軽量な公式フレーバーである Xubuntu や Lubuntu を利用してください。

ツールチェーンのアップデート

ツールチェーンがアップデートされました。

  • glibc 2.43(ISO C23 サポート)
  • LLVM 21
  • Rust 1.93.1
  • Zig 0.15.2
  • .NET 10

OpenJDK

デフォルトの OpenJDK に OpenJDK 25 が採用されました。

OpenJDK 25 は、AMD64、ARM64、S390X、PPC64EL の各アーキテクチャにおいて TCK(Technology Compatibility Kit)認証を取得しています。
この認証により、OpenJDK 25 が Java の標準仕様に準拠しており、他の Java 実装との相互運用性が保証されます。

.NET

Ubuntu 公式リポジトリーから .NET 10 をインストールできるようになりました。
端末から以下のコマンドを実行すれば、 .NET 10 をインストールできます。

sudo apt install dotnet10

.NET 8 や .NET 9 が必要なユーザーは、.NET Backports PPA を導入し、.NET Backports PPA から .NET 8 や .NET 9 をインストールできます。

  • .NET Backports

.NET Backports PPA から提供される .NET のメンテナンスはベストエフォートであり、アップストリームのサポート期間に準じる点は留意ください。

また Snap 版 .NET も利用可能です。



NetCoreDbg

Snap Store に NetCoreDbg が登場しました。
これにより Ubuntu に簡単に .NET デバッガーをインストールし、利用できるようになりました。
NetCoreDbg は、ブレークポイント、ステップ実行、変数の確認といった機能を提供する、.NET アプリケーション向けクロスプラットフォームデバッガーです。



MSBuild Structured Log Viewer

Snap Store に MSBuild Structured Log Viewer が登場しました。
MSBuild Structured Log Viewer は、MSBuild のバイナリーログファイルからビルド実行の情報を取得し、ビルドプロセスの可視化や問題の調査及び解析が可能です。



Rust と cargo-auditable

Launchpad 上でビルドされる Rust パッケージは、オプトインで cargo-auditable がサポートされました。

cargo-auditable を有効にすれば、バイナリーのコンパイルに使用された依存関係の情報を含む JSON 形式のメタデータが、バイナリーのヘッダーセクションに埋め込まれるようになります。

Rust クレートで CVE(脆弱性)が発見された時に、このメタデータはを活用することで、ユーザーやシステム管理者は即座にバイナリーが影響を受けていないかどうかを確認することができます。

例えば sudo-rs では、以下のようなメタデータが含まれています。

{
"format": 1,
"packages": [
{
"name": "glob",
"source": "crates.io",
"version": "0.3.2"
},
{
"name": "libc",
"source": "crates.io",
"version": "0.2.174"
},
{
"name": "log",
"source": "crates.io",
"version": "0.4.27"
},
{
"dependencies": [0, 1, 2],
"name": "sudo-rs",
"root": true,
"source": "local",
"version": "0.2.8"
}
]
}

Ubuntu では以下の Rust パッケージで cargo-auditable が有効になっています。

  • alacritty
  • bat
  • du-dust
  • eza
  • fd-find
  • hyperfine
  • ripgrep
  • sd
  • sudo-rs

Rust パッケージの開発者には、cargo-auditable の有効化が推奨されます。
cargo-auditable の説明については、以下のドキュメントを参照してください。

  • Cargo-Auditable

fwupd

fwupd はデバイスのファームウェアをアップデートするソフトウェアです。
例えば PC の UEFI ファームウェアのアップデートがこれに該当します。

ストレージが TPM によるディスク全体の暗号化(FDE)を使用して暗号化されている場合、ファームウェアをアップデートする前に、リカバリーキーの確認画面が表示されるようになりました。

これはファームウェアのアップデート後に PC を再起動した時に、リカバリーキーが要求されるケースがあるためです。

パスワードフィードバックの有効化

sudo-rs でパスワードフィードバックがデフォルトで有効になりました。
パスワードフィードバックの設定変更含め詳しい内容は、以下を参照してください。

  • sudo 実行時にパスワードフィードバックの表示へ

TPM/FDE のサポート改善

TPM によるディスク全体の暗号化(FDE)が改善され、TPM/FDE を利用可能なハードウェアで扱いやすさが改善されました。

  • Ubuntu Desktop Installer は TPM/FDE を利用したいユーザーに、従来よりも分かりやすい案内と事前準備機能を提供するようになりました。
  • PIN 機能が完全に統合され、PIN 機能を利用しやすくなりました。
  • システム全体で、ユーザーに表示するメッセージの分かりやすさが向上しました。
  • ファームウェアの更新などユーザーが重要な操作を行う時に、リカバリーキーの画面を表示するなど、セキュリティーが強化されました。 

TPM/FDE 機能にはまだいくつか制限が残っています。
TPM/FDEに関する制限は、以下を参照してください。

  • Limitations of TPM-backed full disk encryption

systemd

systemd 259.5 が採用されました。

  • systemd v259

cgroup v1 がサポートされなくなり、System V サービススクリプトが非推奨になりました。

  • cgroup v1 support has been removed
  • Legacy System V service scripts are deprecated

暗号ライブラリーのアップデート

暗号ライブラリーがアップデートされました。

  • OpenSSL LTS 3.5.6 
  • GnuTLS 3.8.12
  • NSS 3.120
  • libgcrypt 1.12.0
  • libsodium 1.0.18 (libsodium 1.0.21 由来のセキュリティー修正含む)

NVIDIA CUDA Toolkit がインストール可能に

Ubuntu 公式リポジトリーから NVIDIA CUDA Toolkit をインストールできるようになりました。
以下も参考にしてください。

  • NVIDIA CUDA のサポートと Ubuntu 公式リポジトリーから NVIDIA CUDA を提供

CUDA ランタイムのインストールも簡単に

Ubuntu をターゲットにする開発者は CUDA ランタイムへの依存を宣言するだけで、簡単に CUDA ランタイムのインストールを指定できるようになります。

インストール環境と互換性を提供

Ubuntu はサポートされている幅広い NVIDIA GPU 対し、CUDA ランタイムのインストールと互換性を管理及び提供します。

NVIDIA CUDA Toolkit をインストールするには

NVIDIA CUDA Toolkit をインストールするには、端末から以下のコマンドを実行してください。

sudo apt install cuda-toolkit

AMD ROCm がインストール可能に

Ubuntu 公式リポジトリーから AMD ROCm 7.1.0 をインストールできるようになりました。

  • ROCm 7.1.0 release notes

2種類のメタパッケージ

Ubuntu では、AMD ROCm のライブラリーセットをインストールしやすいように、以下の2種類のメタパッケージを提供しています。

  • rocm
  • rocm-dev

エンドユーザー向けアプリの依存関係で AMD ROCm を指定する場合は、メタパッケージではなく必要なパッケージのみを直接指定しましょう。

rocm メタパッケージ

rocm はバイナリーやヘッダー含めすべてのAMD ROCm のソフトウェアスタックをインストールするメタパッケージです。
rocm をインストールする場合、端末から以下のコマンドを実行してください。

apt install rocm

rocm はすべてのAMD ROCm のソフトウェアスタックをインストールするため、巨大なパッケージセットになります。
ベンチマークやテストなどフルセットの機能が必要な場合かつ、インストールサイズが問題にならない環境で推奨されます。

rocm-dev メタパッケージ

rocm-dev は AMD ROCm 対応アプリの開発に必要な開発用ライブラリーとヘッダーファイルのみをインストールします。
rocm-dev をインストールする場合、端末から以下のコマンドを実行してください。

apt install rocm-dev

AMD ROCm の Canonical によるテスト

AMD ROCm は Canonical の CI/CD や autopkgtests で定期的にテストされており、加えて llama.cpp や pytorch、Blender、Lemonade Server などユーザー空間で動作するアプリでもテストしています。

テスト対象の GPU

現在 Canonical の  CI/CD でテスト対象になっている GPU は以下の一部ですが、今後対象が拡大される予定です。

GFX ISA Hardware Family CI Status
gfx908 Instinct™ MI-100 YES
gfx90a Instinct MI-210, MI-250
gfx942 Instinct MI-300, MI-325
gfx1030 Navi21 / Radeon™ RX6900 Series, Pro V620
gfx1100 Navi31 / Radeon RX7900 Series
gfx1101 Navi32 / Radeon RX7700 Series
gfx1151 Strix Halo / Ryzen AI MAX 300 Series (Radeon 8040S, 8050S, 8060S) YES
gfx1200 Navi48 / Radeon RX9060
gfx1201 Navi44 / Radeon RX 9070XT, AI PRO R9700 YES

ただし現時点で gfx908 と Blender との組み合わせでテストに失敗しています。

  • AMD ROCm fails Blender tests on gfx908

この問題は現在調査中です。

利用可能な AMD ROCm ライブラリー

利用可能な AMD ROCm ライブラリーの一覧です。
ソースパッケージ名で列挙しています。

  1. amdsmi
  2. hipblas
  3. hipblas-common
  4. hipblaslt
  5. hipcub
  6. hipfft
  7. hipify
  8. hiprand
  9. hipsolver
  10. hipsparse
  11. miopen
  12. pkg-rocm-tools
  13. rccl
  14. rocblas
  15. rocalution
  16. rocm-cmake
  17. rocm-core
  18. rocdbgapi
  19. rocfft
  20. rocm-hipamd
  21. rocminfo
  22. rocm-llvm
  23. rocm-smi-lib
  24. rocprim
  25. rocr-runtime
  26. rocrand
  27. rocsolver
  28. rocsparse
  29. rocthrust
  30. roctracer

Lemonade Server をインストールするには

Lemonade Server はローカルで動作する推論サーバーです。
LLM や AI モデルを実行できます。

  • Lemonade Server

AMD の GPU や NPU、CPU を幅広くサポートしています。
またフロントエンドアプリから利用できるようにするため、幅広く利用されているの API を提供しており、Ollama に似た仕組みを持っています。

Snap 版をインストールするには、端末から以下のコマンドを実行してください。

sudo snap install lemonade-desktop

deb 版をインストールするには、端末から以下のコマンドを実行してください。

sudo apt install lemonade-desktop

Linux kernel 7.0

安定版の Linux kernel 7.0 が採用されました。

Rust が本格採用に

今まで Rust による実装は試験的な導入でしたが、Rust が本格採用になりました。

  • rust: conclude the Rust experiment

Intel Core Ultra Series 3 のサポート改善

Intel Core Ultra Series 3(Panther Lake)のサポートが改善され、Intel Xe3 内蔵 GPU 及び NPU(Neural Processing Unit)向けの最適化が含まれています。

cgroupfs のマウントオプション

cgroupfs は以下のマウントオプション付きでマウントされるようになりました。

  • nsdelegate
  • memory_recursiveprot
  • memory_hugetlb_accounting

IgH EtherCAT モジュールと Generic ドライバーの統合

IgH EtherCAT モジュールと Generic ドライバーが統合されました。
これらのモジュールは産業向け EtherCAT ネットワークにリアルタイム性能を提供します。

  • Integrate IgH EtherCAT master

リアルタイムカーネルが利用可能に

PREEMPT_RT パッチがアップストリームに取り込まれため、Ubuntu 公式リポジトリーの main リポジトリーからリアルタイムカーネルを利用できるようになりました。
つまり Ubuntu Pro を利用していなくても、誰でもリアルタイムカーネルを利用できるようになりました。

ライブパッチの ARM64 対応

Linux kernel のライブパッチサービスが ARM64 アーキテクチャーでもサポートされました。

ZFS のアップデート

ZFS が最新版の ZFS 2.4.1 にアップデートされました。

  • zfs-2.4.1

Ubuntu kernel は予め ZFS カーネルモジュールを同梱しており、すぐに ZFS を利用できるようになっています。

DOCA-OFED カーネルモジュール

DOCA-OFED カーネルモジュールが Ubuntu の generic カーネル含め一部の Ubuntu kernel で利用できるようになりました。

その他の変更点

前バージョンの Ubuntu 25.10 では、Linux kernel 6.17 が採用されていました。
Linux kernel 6.17 以降から Linux kernel 7.0 までの Linux kernelの変更点は、以下を参考にしてください。

  • Linux 6.18
  • Linux 6.19
  • Linux 7.0 

Ubuntu Desktop

Ubuntu Desktop の変更点です。

GNOME 50

Ubuntu Desktop 26.04 LTS ではデスクトップ環境に最新版の GNOME 50 を採用しています。


GNOME 50 の新機能と変更点は、以下を参照してください。

  • GNOME 50 リリース・GNOME 50 の新機能と変更点

システムモニターアプリの変更

システムモニターアプリが Resources に置き換えられました。
Resources はシステムモニターアプリのようにシステムリソースをモニタリングするアプリです。


CPU やメモリー、GPU、ネットワーク、ストレージ、電力使用量など、システムリソースの使用状況を確認できます。

プロセスではアプリ単位でプロセスを確認することもできます。
 

GPU では GPU の使用量に加え、動画エンコード及び動画デコード時の使用量や、GPU メモリーの使用量も確認できます。


他にも NPU(Neural Processing Unit)の利用状況の表示や、CPU/GPU/メモリーのクロック数の表示など、ハードウェアの利用状況を把握するのに役立ちます。

GNOME Shell のグローバル検索から Snap アプリの検索が可能に

GNOME Shell のグローバル検索から Snap アプリの検索が可能になりました。


検索結果から Snap アプリをクリックすればアプリセンターが起動し、アプリの詳細情報やアプリのインストールが可能です。


この機能の有効・無効を切り替えるには、「設定」アプリの「検索」設定画面で「アプリセンター」の有効・無効を切り替えてください。


GNOME Shell のグローバル検索からウェブ検索が可能に

GNOME Shell のグローバル検索からデフォルトのウェブブラウザーでウェブ検索が可能になりました。


検索結果結果をクリックすれば、ブラウザーで検索を実行します。


この機能の有効・無効を切り替えるには、「設定」アプリの「検索」設定画面でウェブブラウザーの有効・無効を切り替えてください。


Yaru テーマのアップデート

Yaru テーマはアップストリームの GNOME テーマに近いデザインに変更されました。
多くのアイコンのデザインが変更されています。


  • Ubuntu Yaru theme suite

Snap アプリとデスクトップの連携強化

XDG Desktop Portal を使用している Snap アプリでは、デスクトップとの統合・連携機能が強化されました。

  • XDG Desktop Portal

ユーザーは Snap アプリのアクセス権限を完全に管理でき、Snap アプリは隔離された環境の外側にあるリソースへシームレスにアクセスできるようになりました。

これにより Snap アプリは他のデスクトップアプリでシステム上の任意のファイルやディレクトリーを開けるようになりました。
例えば Snap アプリからファイルマネージャーを利用して、ファイルの場所に関係なく任意のファイルを開くことができます。
これはドラッグ&ドロップでも同様です。

また、カメラや通知、USB など XDG Desktop Portal を利用してこれらの機能にアクセスできます。

Snap アプリの XDG Desktop Portal のアクセス権は、「設定」アプリの「アプリ」設定画面で制御できます。


ターミナルアプリにカラーパレットの追加

ターミナルアプリ(Ptyxis)に、視認性に優れた Ubuntu カラーパレットが追加されました。


このカラーパレットは Ptyxis 50.1-1ubuntu2 で利用可能であり、Ubuntu 26.04 LTS のリリース後すぐに、このバージョンの Ptyxis をアップデートで提供する予定です。

Ubuntu Insights が設定アプリに統合

Ubuntu Insights はソフトウェアのエラー報告や、システムのレポートやレポートプレビューを行う仕組みです。
Ubuntu Insights の設定機能が設定アプリに統合されました。


Ubuntu Insights の設定は、「プライバシーとセキュリティー」設定画面の「テレメトリー」設定画面にあります。
この設定画面は従来の診断パネルを置き換えています。

Ubuntu Insights の同意機能の実装

Ubuntu アップグレード後に、Ubuntu Insights によるシステム情報の収集の同意を求める確認画面が表示されるようになりました。
この確認画面は、Ubuntu Insights の同意設定がまだ行われていない場合、またはその他の理由で再確認が必要と判断された場合にのみ表示されます。

指紋認証の改善

libfprint ライブラリーは、SDCP(Secure Device Connection Protocol)を使用するドライバーや、多数の新しいデバイスをサポートするようになりました。
SDCP を使用するドライバーは、ベンダー独自の TOD(Touch OEM Driver)ドライバーが該当します。

  • libfprint
  • Secure Device Connection Protocol
  • TOD 

画像読み込みのサンドボックス化

今まで画像ファイルの読み込みに gdk-pixbuf ライブラリーでは、ライブラリーに内蔵された画像パーサーを使用していましたが、Ubuntu 26.04 LTS では内蔵画像パーサーの代わりに glycin 画像パーサーを使用するようになりました。

  • glycin

glycin は画像の読み込みをサンドボックス化するため、従来の内蔵画像パーサーでよく発見された特定の種類の脆弱性を回避でき、セキュリティーが向上しています。

これにより gdk-pixbuf ライブラリーを使用している Ubuntu 向けアプリ(約700パッケージ)は glycin を使用することになるため、それらのアプリでセキュリティーが向上します。

GNOME オンラインアカウントから Google Drive のサポート削除

GNOME オンラインアカウントから Google Drive のサポートが削除されました。
これによりデスクトップとの連携機能が利用できなくなり、例えばファイルアプリから Google Drive をマウントできなくなりました。

これは機能の実現に必要な libgdata がメンテナンスされておらず、セキュリティーリスクがあったため、削除されました。

引き続きウェブブラウザーから Google Drive へアクセスすることは可能です。

PreLogin と PostSession スクリプトの非サポート

PreLogin と PostSession スクリプトはサポートされなくなりました。
これは GNOME で X11 をサポートするコードの削除と共に削除されました。

  • PreLogin/PostSession session scripts are still needed and used in Wayland, but were dropped in X11 cleanup
  • PreLogin/PostSession session scripts are still needed and used in Wayland, but were dropped in X11 cleanup 

これらのスクリプトは企業環境において、以下の用途で利用されることがあります。

  • サーバーへのログイン時及びサーバーからのログアウト時、ユーザーのホームディレクトリーと同期する
  • ログアウト後に機密データを削除する

引き続き相当の機能を利用したい場合は、PAM セッションモジュールを実装してください。
これまで GDM の PreLogin、PostLogin、PreSession、PostSession スクリプトから実行していた処理は、代わりに pam_exec モジュールから実行可能です。

  • PAM configuration files 
  • pam_exec

NVIDIA GPU の不具合修正

NVIDIA GPU を搭載した PC の Wayland セッションで、サスペンドから復帰した時に、画面の表示が乱れたりフリーズすることがありました。
この現象はプライマリー GPU に NVIDIA GPU を使用しているデスクトップ PC でよく起きる現象です。

この不具合が修正され、サスペンドから復帰した時に発生する画面表示の乱れやフリーズが解消されました。

  • [nvidia] Screen freeze or corrupted/missing textures when switching users, switching VTs or resuming from suspend

Ubuntu Desktop Installer がスクリーンリーダーに対応

Ubuntu Desktop Installer がスクリーンリーダーに対応しました。

  • Screen reader enabled during install but not enabled after install
  • Screen reader too incomplete in installer 

ボリュームのマウント位置の変更

今まで /media ディレクトリー内にマウントされていたボリュームは、/run/media ディレクトリー内にマウントされるようになりました。

  • Merge udisks2 from Debian Unstable for resolute

これにより以下の利点が得られるようになりました。

  • 読み取り専用のルートファイルシステムのサポート改善
  • 他の Linux ディストリビューションやアップストリームのデフォルト設定と足並みが揃えられる
  • /run は tmpfs 上に構築されており、別途クリーンアップ処理が不要である 

シェルスクリプト等でボリュームのマウント先を /media で決め打ちしている場合、このような処理は動作しなくなるため、修正が必要になります。

cgroup v1 の非サポート

systemd 259 で cgroup v1 はサポートされません。

アップグレード不可

cgroup v1 を使用している Ubuntu のインストール環境は、Ubuntu 26.04 LTS へアップグレードできません。

コンテナーの制限

cgroup v1 を使用しているホスト環境で、Ubuntu 26.04 LTS のコンテナーワークロードは実行できません。

同様に Ubuntu 26.04 LTS のホスト環境は、cgroup v1 を必要とするコンテナーワークロードは実行できません。
例えば Ubuntu 18.04 LTS より前のバージョンを実行するケースが該当します。

Ubuntu 既知の問題

Ubuntu の既知の問題です。

mkdir で ACL が適切に継承されない

mkdir で ACL(POSIX Access Control List)が親ディレクトリーから適切に継承されない場合があります。
ディレクトリーに ACL が設定されており、mkdir -p でディレクトリーパスを指定してディレクトリーを作成すると、作成されたディレクトリーは ACL を適切に継承しません。
この結果、ディレクトリーは本来よりも緩く広範なアクセス権が設定されてしまう場合があります。

  • mkdir creates child directories with setuid+sticky bits (mode 05775) when parent has default POSIX ACLs
  • acl: FTBFS in resolute due to mkdir ACL and permission issues 

この問題は Rust 版 coreutils 由来の問題であり、Ubuntu 25.10 でも発生します。

rust-coreutils の脆弱性

現在以下の rust-coreutils 脆弱性が明らかになっています。
事前に脆弱性の評価と、必要に応じて対応策や回避策を検討しておきましょう。

  • CVE-2026-35341
  • CVE-2026-35344
  • CVE-2026-35345
  • CVE-2026-35348
  • CVE-2026-35350
  • CVE-2026-35351
  • CVE-2026-35352
  • CVE-2026-35354
  • CVE-2026-35357
  • CVE-2026-35359
  • CVE-2026-35360
  • CVE-2026-35363
  • CVE-2026-35364
  • CVE-2026-35367
  • CVE-2026-35368
  • CVE-2026-35370
  • CVE-2026-35371
  • CVE-2026-35373
  • CVE-2026-35374
  • CVE-2026-35377

Ubuntu Desktop 既知の問題

Ubuntu Desktop の既知の問題です。

ライブセッションがローカライズされない

ライブセッションを起動する際、最初に言語選択画面が表示されます。
しかし各言語でローカライズされたライブセッションで起動せず、英語環境でデスクトップが起動します。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。

  • Live Session is not localized

ローカライズされていなくても日本語など英語以外の言語でインストールすることも可能ですが、その場合は言語パックのダウンロードにインターネット接続が必要になります。

スクリーンリーダーの無効になっている

インストーラーはスクリーンリーダーをサポートしています。
しかしスクリーンリーダーが必要なユーザーにとって、インストーラーのアクセシビリティー設定画面でスクリーンリーダーが有効になっていないと、操作が難しくなります。

この状況でスクリーンリーダーを有効にするには、Super + Alt + S キーを押してください。
Super キーとは Windows キーや Commandキーのことです。

OEM インストールの非サポート

現時点でまだ OEM インストールはサポートされていません。

  • OEM install missing on 24.04

GTK 4 アプリが正常に表示されない

3Dアクセラレーションを有効にした VirtualBox や VMWare 環境で、デスクトップの壁紙含め GTK 4 アプリが正常に表示されません。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。

  • Rendering issues in virtual machines (GTK ngl backend)

以前のデザインの Ubuntu フォントをインストールしても反映されない

以前のグリフデザインの Ubuntu フォント(ubuntu-fonts-classic)をインストールしても、UI に Ubuntu フォントが反映されません。

この現象を回避するには Tweaks(gnome-tweaks)をインストールしてフォント設定を開き、インターフェースのテキスト設定で Ubuntu を選択してください。

この不具合の詳細は、以下を参照してください。

  • Installing fonts-ubuntu-classic does not result in an Ubuntu font being used

TPM/FDE の既知の問題と制限

TPM/FDE(TPM を利用したディスク全体の暗号化)に関する既知の問題と制限です。

サポート対象外と判断されてしまう

TPM/FDE がサポートされているシステムであるにも関わらず、TPM/FDE に対応していない判断されてしまうことがあります。

キーボードレイアウトの問題

起動時に表示される PIN もしくはパスフレーズを入力する画面では、システムでカスタムキーボードレイアウトを設定していても、キーボードレイアウトが正しく反映されないことがあります。
この問題に対応するには、snapd 2.75 にアップデートしてください。

PIN やパスフレーズを変更できなくなる

もし PIN やパスフレーズを忘れてしまいシステムをリカバリーキーで起動した場合、PIN やパスフレーズを変更したり削除できなくなります。
もしそうなった場合、それ以降システムの起動では、リカバリーキーを使用してシステムを起動しなければならなくなります。

ディスクの再暗号化は非サポート

現在ディスクの再暗号化はサポートされていません。

自己修復機能や修復オプションが利用できない

インストール後にシステムが正常に動作しなくなった場合に利用できる自己修復機能や修復オプションは提供されていません。

一部のドライバーがない

TPM/FDE では Snap で Linux kernel がインストールされます。
この Linux kernel に、ある特定のハードウェア機能をサポートするためのカーネルモジュール(ドライバー)が含まれていない可能性があります。

例えば NVMe RAID を利用するために必要な vmd カーネルモジュールは含まれていません。
もしカーネルモジュールの不足により特定のハードウェア機能が動作しない場合は、その機能を予め BIOS/UEFI で無効にしておいてください。

ハードウェア機能を無効化できない場合、そのハードウェア機能はインストール後の Ubuntu Desktop では利用できません。

ちなみに NVIDIA GPU ドライバーは Linux kernel に含まれていないドライバーですが、TPM/FDE 環境で利用可能になっています。
また他のサードパーティー製のドライバーを DKMS を利用してインストールすることはできません。

その他 FDE の不具合

その他 FDE(Full Disk Encryption)に関する不具合の一覧は、以下を参照してください。

  • Search all bug reports

Raspberry Piの既知の問題

Raspberry Pi 固有の既知の問題です。

GNOME 初期セットアップの問題

タイムゾーンの入力ドロップダウンが不安定な動きをすることがあります。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。

  • Time zone suggestion wobbles when search input is typed

また最後に予め有効なホスト名が設定されていても、ホスト名を変更しないとセットアップを続行できません。

  • Cannot not change the hostname

ネットワークの問題

Ubuntu Server を起動する際、cloud-init 設定ファイル(ブートパーティションにある user-data)で、SSH キーのインポートやパッケージのインストールなど、ネットワーク接続に依存する設定が含まれている場合、 ブートパーティションにある network-config で optional: false の設定を持つネットワークインターフェースが少なくとも一つは必要です。

  • Setting "optional: true" to overcome he timeout "Job systemd-networkd-wait-online" does no longer work with latest noble image

また cloud-init がネットワーク接続が有効になる前に処理を実行してしまう問題があります。

  • Rpi resolute dailies fail to use network resources

crda パッケージの削除

Ubuntu 22.04 LTS で crda パッケージが削除されました。
これにより WiFi の規制ドメインの選択を /etc/default/crda 経由で行えなくなりました。

Ubuntu Server では

Raspberry Pi 向け Ubuntu Server では、netplan の regulatory-domain 設定で WiFiの規制ドメインの設定を行ってください。

  • Need option to specify wifi regulatory domain

Ubuntu Desktop では

また Raspberry Pi 向け Ubuntu Desktop では、Raspberry Pi の起動パーティション内にある cmdline.txt ファイルを開き、カーネルコマンドラインに以下の設定を記述してください。

  • cfg80211.ieee80211_regdom=カントリーコード

カントリーコードは、希望するカントリーコードを指定してください。

dmesg にログが大量に出力される

Ubuntu Server で規制ドメインが設定されている時に、WiFi の AP へ再認証を行う際、dmesg にログが大量に出力されます。

  • brcmfmac: brcmf_set_channel: set chanspec 0x100c fail, reason -52

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