GRUB2のブートメニューに表示される項目を編集する
GRUB2のブートメニューに表示される項目を編集します。編集する内容は、GRUB2のブートメニューでその項目を選択された際に実行される内容になります。
エントリーの編集について
エントリーの記述内容を間違えると、Ubuntuが起動できなくなるなどトラブルが発生する可能性があります。エントリーの内容は「GRUB2」の「menuentry」の内容になりますが、よく分からない場合はエントリーの内容を変更しないでください。
スクリプトの編集について
スクリプトを編集すると、後で元に戻すことができません。スクリプトを編集する必要性はほとんどありませんし、記述を誤るとGRUB2の動作に支障が出ます。
ここではスクリプトの編集については扱いません。
もしスクリプトを編集する場合は、「/etc/grub.d」フォルダーのバックアップを取るなど、後から自分で元に戻せるようにしておいてください。
1.エントリーの選択
編集したいエントリーを選択します。2.エントリー編集画面の表示
以下のいずれかの方法で、エントリー編集画面を表示します。Editメニュー
「Edit」メニューから「Edit」をクリックします。ツールバー
「Edit」ボタンをクリックします。コンテキストメニュー
選択したエントリーを右クリックし、表示されるコンテキストメニューから「Edit」をクリックします。3.エントリー編集画面
以下のようにエントリー編集画が表示されます。「Options」タブと「Source」タブの2つのタブが表示されます。
Optionsタブ
「Options」タブでは、「Source」のテンプレートを設定します。このタブ内で行った設定が「Source」タブに反映されます。
テンプレートを使用せず「Source」タブに直接設定内容を記述することもできます。
テンプレートは「Type」メニューから選択します。
Sourceタブ
「Source」タブでは、現在のGRUB2の設定内容が表示されます。直接編集することが可能です。
Linuxエントリーのテンプレート
「Options」タブをクリックし「Type」メニューから「Linux」を選択すると、以下の画面が表示されます。テンプレートの概要
このテンプレートは、Linux OSを起動するテンプレートです。Partition
Linuxがインストールされているパーティションをメニューから選択します。表示されるメニューの内容は環境により異なります。
Initial ramdisk
Linux Kernelの初期RAMディスクを指定します。Linux Kernelの起動において、まず初期RAMディスクを起動させる必要があります。
ディスクと表記していますが、実際はただのファイルです。
Linux Kernelの初期RAMディスクは、「/boot」フォルダー以下にインストールされます。
複数のバージョンのLinux Kernelがインストールされている場合、そのバージョンごとに初期RAMディスクが存在します。
利便性のため、インストールされている最新バージョンのLinux Kernelの初期RAMディスクへのソフトリンクが、「/initrd.img」に作成されます。
以下のように「/initrd.img」は最新バージョンのLinux Kernelの初期RAMディスクへのソフトリンクになっています。
Linux image
Linux Kernel本体です。Linux Kernelのイメージは、「/boot」フォルダー以下にインストールされます。
複数のバージョンのLinux Kernelがインストールされている場合、そのバージョンごとにLinux Kernelのイメージが存在します。
利便性のため、インストールされている最新バージョンのLinux Kernelのイメージへのソフトリンクが、「/vmlinuz」に作成されます。
以下のように「/vmlinuz」は最新バージョンのLinux Kernelのイメージへのソフトリンクになっています。
カーネルオプション
カーネルオプションは、「Linux image」に対して設定します。Sourceの例
このテンプレートを利用すると、以下のような「Source」が生成されます。内容は環境により異なります。
set root='(hd0,1)'
search --no-floppy --fs-uuid --set dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
linux /vmlinuz root=UUID=dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
initrd /initrd.img
search --no-floppy --fs-uuid --set dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
linux /vmlinuz root=UUID=dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
initrd /initrd.img
UbuntuのGRUB2が生成するUbuntuを起動するSource
参考までに、Ubuntu 13.04のGRUB2が生成する各OSを起動する「Source」は以下のようになります。内容は環境により異なります。
Ubuntu 12.04.3
insmod part_msdos
insmod ext2
set root='hd0,msdos1'
if [ x$feature_platform_search_hint = xy ]; then
search --no-floppy --fs-uuid --set=root --hint-bios=hd0,msdos1 --hint-efi=hd0,msdos1 --hint-baremetal=ahci0,msdos1 dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
else
search --no-floppy --fs-uuid --set=root dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
fi
linux /boot/vmlinuz-3.2.0-54-generic root=UUID=dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7 ro quiet splash $vt_handoff
initrd /boot/initrd.img-3.2.0-54-generic
insmod ext2
set root='hd0,msdos1'
if [ x$feature_platform_search_hint = xy ]; then
search --no-floppy --fs-uuid --set=root --hint-bios=hd0,msdos1 --hint-efi=hd0,msdos1 --hint-baremetal=ahci0,msdos1 dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
else
search --no-floppy --fs-uuid --set=root dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7
fi
linux /boot/vmlinuz-3.2.0-54-generic root=UUID=dbb52717-6b76-4139-950e-af87fd1091a7 ro quiet splash $vt_handoff
initrd /boot/initrd.img-3.2.0-54-generic
Ubuntu 12.10
insmod part_msdos
insmod ext2
set root='hd1,msdos1'
if [ x$feature_platform_search_hint = xy ]; then
search --no-floppy --fs-uuid --set=root --hint-bios=hd1,msdos1 --hint-efi=hd1,msdos1 --hint-baremetal=ahci1,msdos1 ddaafbc9-d4b0-4d9f-a970-df0b590d9d28
else
search --no-floppy --fs-uuid --set=root ddaafbc9-d4b0-4d9f-a970-df0b590d9d28
fi
linux /boot/vmlinuz-3.5.0-41-generic root=UUID=ddaafbc9-d4b0-4d9f-a970-df0b590d9d28 ro quiet splash $vt_handoff
initrd /boot/initrd.img-3.5.0-41-generic
insmod ext2
set root='hd1,msdos1'
if [ x$feature_platform_search_hint = xy ]; then
search --no-floppy --fs-uuid --set=root --hint-bios=hd1,msdos1 --hint-efi=hd1,msdos1 --hint-baremetal=ahci1,msdos1 ddaafbc9-d4b0-4d9f-a970-df0b590d9d28
else
search --no-floppy --fs-uuid --set=root ddaafbc9-d4b0-4d9f-a970-df0b590d9d28
fi
linux /boot/vmlinuz-3.5.0-41-generic root=UUID=ddaafbc9-d4b0-4d9f-a970-df0b590d9d28 ro quiet splash $vt_handoff
initrd /boot/initrd.img-3.5.0-41-generic
Ubuntu 13.04
recordfail
load_video
gfxmode $linux_gfx_mode
insmod gzio
insmod part_msdos
insmod ext2
set root='hd1,msdos2'
if [ x$feature_platform_search_hint = xy ]; then
search --no-floppy --fs-uuid --set=root --hint-bios=hd1,msdos2 --hint-efi=hd1,msdos2 --hint-baremetal=ahci1,msdos2 eedb111d-e013-4144-820e-6aa2f47818ad
else
search --no-floppy --fs-uuid --set=root eedb111d-e013-4144-820e-6aa2f47818ad
fi
linux /boot/vmlinuz-3.8.0-31-generic root=UUID=eedb111d-e013-4144-820e-6aa2f47818ad ro quiet splash $vt_handoff
initrd /boot/initrd.img-3.8.0-31-generic
load_video
gfxmode $linux_gfx_mode
insmod gzio
insmod part_msdos
insmod ext2
set root='hd1,msdos2'
if [ x$feature_platform_search_hint = xy ]; then
search --no-floppy --fs-uuid --set=root --hint-bios=hd1,msdos2 --hint-efi=hd1,msdos2 --hint-baremetal=ahci1,msdos2 eedb111d-e013-4144-820e-6aa2f47818ad
else
search --no-floppy --fs-uuid --set=root eedb111d-e013-4144-820e-6aa2f47818ad
fi
linux /boot/vmlinuz-3.8.0-31-generic root=UUID=eedb111d-e013-4144-820e-6aa2f47818ad ro quiet splash $vt_handoff
initrd /boot/initrd.img-3.8.0-31-generic