ライトモーストリー
「ライトモーストリー(write-mostly)」は、データを読み込む物理ボリュームを制御する仕組みです。パフォーマンスが大きく異なる物理ボリュームが混在したアレイで有効な仕組みです。
ここでいうパフォーマンスとは、データの読み込み/書き込み性能のことです。
例えばSSDとHDDの組み合わせが該当します。
対象となるアレイの種類
ここでの内容は、以下のアレイの種類が対象になります。- RAID 1
データを分散して読み込むとパフォーマンスが落ちる
「RAID 1」アレイは、データを分散して読み込み、データの読み込みパフォーマンスを向上させる仕組みがあります。アレイを構成する物理ボリュームのデータの読み込みパフォーマンスにそれほど差異がなければ、データを分散して読むことでパフォーマンスの向上が見込めます。
しかしSSDのような圧倒的なパフォーマンスを持つ物理ボリュームとHDDを混在してアレイを作成した場合、データを分散して読み込むより、SSDの物理ボリュームからデータを読み込んだほうがパフォーマンスが高くなります。
データの読み込みを分散してHDDから読み込むと、逆にパフォーマンスが落ちてしまいます。
データを読み込む物理ボリュームを制御する
そこで「MDドライバー」はこのような状況に対応するために、データを読み込む物理ボリュームを制御できるようになっています。この機能のことを「ライトモーストリー(write-mostly)」といいます。
意訳すれば、「主に書き込み用」と言った感じでしょうか。
「ライトモーストリー」を使用すれば、データを読み込む際、特定の物理ボリュームから積極的にデータを読み込むようになります。
上記の例では、HDDに「ライトモーストリー」を指定します。
こうすることでデータの読み込みはSSDから行われるようになります。
まとめると
データの読み込みが遅い物理ボリュームに対して「ライトモーストリー」を指定します。複数の物理ボリュームに「ライトモーストリー」を指定することができます。
ただし最低でも「ライトモーストリー」が指定されていない物理ボリュームが1つ必要です。
データを読み込む際、「ライトモーストリー」が指定されていない物理ボリュームから、データを読み込みます。
ただし必要に応じて、「ライトモーストリー」が指定されている物理ボリュームからデータの読み込みを行う場合もあります。