RAID 10のデータレイアウト
データレイアウトとは、データを保存するデータブロックの配置方法のことです。どの物理ボリュームに各ブロックをどのように保存するのか、ユーザーが指定することができます。
「RAID 10」のデータレイアウトには、以下の種類があります。
- Near
- Far
- Offset
「RAID 10」ではブロックの配置方法に加え、レプリカ数も同時に指定します。
レプリカとは
レプリカとは、データブロックのコピーのことです。「RAID 10」は「RAID 1」と「RAID 0」の組み合わせなので、「RAID 1」の部分でレプリカが作成されます。
レプリカ数とは
レプリカ数とは、レプリカの数のことです。すなわち同じ内容のデータブロックの数のことです。
例えば「レプリカ数」が「2」だった場合、同じ内容のデータブロックが2つ存在することになります。
補足
以下のイメージは、「RAID 10」アレイを「sda」「sdb」「sdc」「sdd」の順番で作成した時のイメージです。レプリカ数は「2」です。
Near
一般的に利用されるデータレイアウトです。これにレプリカ数「2」を指定した使い方が多いでしょう。
言葉が示す通り、レプリカは連続的に配置されます。
Far
言葉が示す通り、レプリカはなるべく離れた位置に配置されます。「Near」と比較しシーケンシャルリードのパフォーマンスに期待できますが、ランダムライトに対しては物理ボリュームのシークタイムに影響を受けやすくなります。
Offset
「Offset」はレプリカの保存位置を1つずつずらしながら保存します。「Far」の欠点であるランダムライトに対する物理ボリュームのシークタイムの影響を軽減します。
ただし「Near」や「Far」と比較すると、信頼性が少しだけ落ちます。
NearとFarの組み合わせ
「Near」と「Far」は組み合わせて利用することができます。例えば「Near」のレプリカ数を「2」、「Far」のレプリカ数を「2」にすると、合計4つのレプリカで「RAID 10」を作成することができます。
どれを選べばよいか
パフォーマンスを優先するなら「Offset」の選択が良いでしょう。そうでなければ、バランスが良い「Near」の選択が良いでしょう。