アレイの作成とは
アレイの作成(Create)とは、文字通りアレイを作成することです。アレイを利用は、まずはアレイを作成するところから始まります。
アレイの作成は、まずアレイを構成する物理ボリュームを用意し、どのような種類のアレイを作成するのか、またアレイに設定する情報は何にするのか、事前に決めておく必要があります。
アレイの作成では、メタデータの作成及びメタデータを物理ボリュームに保存する処理がメインとなります。
アレイを作成しただけでは、アレイを利用することはできません。
作成したアレイを構築(Assemble)する必要があります。
アレイの作成(Build)について
アレイの作成には、「Create」と「Build」の2種類があります。「Build」は、メタデータがないアレイを作成します。
従ってユーザーがメタデータ相当の情報を常に把握している必要があります。
メタデータがないため様々な制約があり、積極的に利用するものではありません。
例えば「Build」で作成可能なアレイの種類は以下に限定されます。
- RAID 0
- RAID 1
- RAID 10
- Linear
- Multipath
- Faulty
「Build」については扱いません。
アレイの構築とは
アレイを作成したら、次にアレイを構築(Assemble)します。アレイを構築する際、作成済みのどのアレイを構築するか指定を行います。
また必要であれば、アレイの構築と同時に、メタデータの情報を変更することができます。
アレイの構築だけでは、アプリから論理ボリュームを利用することはできません。
アプリから論理ボリュームを利用するには、アレイを開始する必要があります。
論理ボリュームのデバイスファイルは作成される
アレイの構築が完了すれば、論理ボリュームのデバイスファイルが作成されます。再度構築し直す場合は、一旦アレイを停止する必要があります。
増分構築(Incremental Assembly)について
アレイの構築には、「Assemble」と「Incremental Assembly」の2種類があります。通常利用するのは「Assemble」です。
「Assemble」で物理ボリュームの指定を行う場合、まとめて物理ボリュームを指定する必要があります。
「Incremental Assembly」を利用すると、物理ボリュームの指定をひとつずつ行うことができます。
「端末」で実行するコマンドで表現すれば、 「Assemble」は1行でコマンドを実行する必要がありますが、「Incremental Assembly」は複数回に分けて任意のタイミングで実行することができる、といったところでしょうか。
「Incremental Assembly」はOSの起動時など検出された物理ボリュームを一時的に保持し、アレイを構築する時などに利用されます。
ユーザーが「Incremental Assembly」を利用することもできますが、積極的に利用する必要はないでしょう。
「Incremental Assembly」については扱いません。
アレイの開始とは
アレイを構築したら、アレイの開始(Start/Activate)を行います。アレイを開始すれば、アプリから論理ボリュームが利用できるようになります。
アレイの停止とは
アレイの停止(Stop/Deactivate)とは、アレイの使用を中止することです。論理ボリュームは利用できなくなります。
後で再度論理ボリュームを利用したい場合、「アレイの構築」から作業を行うことになります。
アレイの削除とは
アレイの削除とは、作成したアレイを削除し利用できなくすることです。アレイの削除はメタデータの削除と同意ですから、メタデータを0クリアするなどして削除すれば、アレイの削除は完了です。
「ディスク」等で0クリアフォーマットしてもよいです。
mdadmの動作について
アレイの利用の流れを見ると、構築やら開始やら面倒な手順を踏まなければならないように見えます。「mdadm」は利便性の確保のため、可能な限りそれらの手順をまとめて行ってくれます。
例えばアレイを作成すると、アレイの構築やアレイの開始もまとめて行ってくれます。