アレイのホームホストを変更する
アレイ作成時に設定した「ホームホスト」を変更します。「ホームホスト」はアレイ作成後に変更することができます。
「ホームホスト」の変更は、アレイの構築時に行います。
注意
「設定ファイル」にアレイの情報を記述しており、かつ「ホームホスト」の記述を行っている場合、アレイの情報を変更後の情報に更新する必要があります。アレイの名称とホームホストについて
メタデータ上では、「アレイの名称」と「ホームホスト」に区別はありません。メタデータでは両方をまとめて、「アレイの名称」という括りになっています。
これらを区別して利用しているのは、「mdadm」です。
またこれらを区別するために、「mdadm」は「アレイの名称」と「ホームホスト」を「:」で区切っています。
32文字を超えないように
メタデータ上では、「アレイの名称」と「ホームホスト」に32バイトの領域が割り当てられています。従って、「アレイの名称」の文字数 + 「:」 + 「ホームホスト」の文字数が32文字を超えないようにしてください。
「:」は1文字としてカウントします。
ホームホストが変更できないバグ(2014/3/30)
Ubuntu 13.10の「mdadm」では、「ホームホスト」を変更しても指定した「ホームホスト」が反映されないバグがあります。「mdadm」は、ユーザーが「ホームホスト」の変更を指定した場合、ホームホストの情報を更新した上で、アレイの名称の変更処理に合流します。
しかしその合流が行われていないため、「ホームホスト」が反映されなくなっています。
このバグはすでに報告されています。
コマンドの例
本来であれば、以下のコマンドで「ホームホスト」の変更が可能です。赤字の箇所が設定の変更に関するオプションです。
sudo mdadm --assemble /dev/md/RAID1Array /dev/sdd2 /dev/sde2 /dev/sdf2 --update=homehost --homehost=MyHost
回避策
「ホームホスト」の変更はアレイの名称変更でも行えるため、アレイの名称の変更方法を利用して「ホームホスト」を変更します。アレイの名称の変更は、「アレイの名称を変更する」を参考にしてください。
ここではこの方法を利用して「ホームホスト」を変更します。
アレイのホームホストを変更するコマンドの例
アレイの「ホームホスト」を変更するコマンドの例です。環境について
以下のアレイを作成した環境でコマンドを実行しています。ホームホストに指定できる特別な値について
「ホームホスト」には、以下の値を指定することができます。値 | 概要 | 記述例 |
---|---|---|
<system> | デフォルトのホームホストを設定する | --homehost="<system>" |
この値を指定するときは、記述例のように必ず値を「"」で括ってください。
1.アレイのホームホストの確認
比較のため現状の「ホームホスト」を確認します。赤字の箇所が「ホームホスト」です。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --detail /dev/md/RAID1Array/dev/md/RAID1Array:
Version : 1.2
Creation Time : Fri Mar 28 18:56:37 2014
Raid Level : raid1
Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Raid Devices : 3
Total Devices : 3
Persistence : Superblock is persistent
Update Time : Sun Mar 30 12:25:30 2014
State : clean
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0
Name : vb-ubuntu1310:RAID1Array (local to host vb-ubuntu1310)
UUID : 3988f620:ab3db7cb:21dbecf2:ec71fff4
Events : 38
Number Major Minor RaidDevice State
0 8 50 0 active sync /dev/sdd2
1 8 66 1 active sync /dev/sde2
3 8 82 2 active sync /dev/sdf2
Version : 1.2
Creation Time : Fri Mar 28 18:56:37 2014
Raid Level : raid1
Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Raid Devices : 3
Total Devices : 3
Persistence : Superblock is persistent
Update Time : Sun Mar 30 12:25:30 2014
State : clean
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0
Name : vb-ubuntu1310:RAID1Array (local to host vb-ubuntu1310)
UUID : 3988f620:ab3db7cb:21dbecf2:ec71fff4
Events : 38
Number Major Minor RaidDevice State
0 8 50 0 active sync /dev/sdd2
1 8 66 1 active sync /dev/sde2
3 8 82 2 active sync /dev/sdf2
2.コマンドの実行
ここでは例として「ホームホスト」を「MyHost」に変更します。「アレイの名称」は変更しないため、既存の 「アレイの名称」と同じ 「アレイの名称」を指定しています。
アレイを停止し、アレイを構築します。
コマンドのオプションについては、「アレイの設定を変更する」を参考にしてください。
赤字の箇所が設定の変更に関するオプションです。
sudo mdadm --assemble /dev/md/RAID1Array /dev/sdd2 /dev/sde2 /dev/sdf2 --update=name --name=RAID1Array --homehost=MyHost
3.アレイの構築と開始完了
コマンドを実行すると、以下のようにアレイの構築と開始が完了します。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --assemble /dev/md/RAID1Array /dev/sdd2 /dev/sde2 /dev/sdf2 --update=name --name=RAID1Array --homehost=MyHost
mdadm: /dev/md/RAID1Array has been started with 3 drives.
mdadm: /dev/md/RAID1Array has been started with 3 drives.
4.アレイのホームホストの確認
「ホームホスト」を確認します。赤字の箇所が「ホームホスト」です。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --detail /dev/md/RAID1Array
/dev/md/RAID1Array:
Version : 1.2
Creation Time : Fri Mar 28 18:56:37 2014
Raid Level : raid1
Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Raid Devices : 3
Total Devices : 3
Persistence : Superblock is persistent
Update Time : Mon Mar 31 20:39:41 2014
State : clean
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0
Name : MyHost:RAID1Array
UUID : 3988f620:ab3db7cb:21dbecf2:ec71fff4
Events : 38
Number Major Minor RaidDevice State
0 8 50 0 active sync /dev/sdd2
1 8 66 1 active sync /dev/sde2
3 8 82 2 active sync /dev/sdf2
/dev/md/RAID1Array:
Version : 1.2
Creation Time : Fri Mar 28 18:56:37 2014
Raid Level : raid1
Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Raid Devices : 3
Total Devices : 3
Persistence : Superblock is persistent
Update Time : Mon Mar 31 20:39:41 2014
State : clean
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0
Name : MyHost:RAID1Array
UUID : 3988f620:ab3db7cb:21dbecf2:ec71fff4
Events : 38
Number Major Minor RaidDevice State
0 8 50 0 active sync /dev/sdd2
1 8 66 1 active sync /dev/sde2
3 8 82 2 active sync /dev/sdf2
「ホームホスト」が変更されたことが分かります。