アレイで使用する物理ボリュームのサイズを変更する
アレイで使用する物理ボリュームのサイズを変更します。例えば、3つの「100MiB」の物理ボリュームで「RAID 1」アレイを作成しているとします。
この時、論理ボリュームのサイズは約「100MiB」になります。
アレイで使用する物理ボリュームのサイズを「50MiB」に減らすことができます。
この時、論理ボリュームのサイズは約「50MiB」になります。
逆に物理ボリュームに空き容量があるのであれば、アレイで使用する物理ボリュームのサイズを「200MiB」に増やすことができます。
この操作は「アレイの再形成」に該当します。
アレイの種類
この再形成をサポートしているアレイの種類は、以下のとおりです。- RAID 1
- RAID 4
- RAID 5
- RAID 6
- RAID 10
注意事項
物理ボリュームのサイズを変更する際の注意事項は、「論理ボリュームのサイズを一時期に変更する」を参考にしてください。事前にデータのバックアップを取りましょう。
よく分からない場合は、物理ボリュームのサイズは変更しないほうが良いです。
また物理ボリュームのサイズを変更した後、操作内容によってはアレイの同期が行われます。
物理ボリュームのサイズを変更した後に他の操作を行う場合、アレイの同期が完了してから行ったほうが良いでしょう。
コマンドのフォーマット
「mdadm」コマンドのフォーマットは以下になります。mdadm <モード> <論理ボリューム> <物理ボリュームのサイズ>
ショートオプションとロングオプションについて
モードやオプションの記述方法には、「ショートオプション」と「ロングオプション」の2種類があります。どちらを利用しても良いでのですが、ここでは意味が分かりやすい「ロングオプション」を使用します。
モード
モードは、「mdadm」の動作モードを指定します。アレイの再形成(Grow Mode)なので、以下のオプションを指定します。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-G | --grow | --grow |
論理ボリューム
操作対象の論理ボリュームのデバイスファイルを指定します。複数の論理ボリュームのデバイスファイルを指定することはできません。
記述例
/dev/md/RAID1Array物理ボリュームのサイズ
アレイで使用する物理ボリュームのサイズを指定します。指定するサイズの単位は、「KiB」です。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-z | --size | --size=1024 |
単位の指定
単位の指定を省略した場合は、上記でも記述した通り「KiB」が単位になります。以下のように単位を指定することも可能です。
単位の指定 | 単位 | 記述例 | 記述例の説明 |
---|---|---|---|
単位の指定なし(省略) | KiB | --size=32 | 物理ボリュームのサイズに「32KiB」を指定する |
M | MiB | --size=1M | 物理ボリュームのサイズに「1MiB」を指定する |
G | GiB | --size=1G | 物理ボリュームのサイズに「1GiB」を指定する |
利用可能なサイズの最大値を指定するには
アレイで使用する物理ボリュームのサイズを、利用可能な物理ボリュームのサイズにするには、このオプションで以下の値を指定します。値 | 記述例 |
---|---|
max | --size=max |