アレイに物理ボリュームを追加する
アレイに物理ボリュームを追加します。現在のアレイの状態により、「スペアディスク」として追加されるか、アレイに使用される物理ボリュームとして追加されるかが変わります。
注意
この方法による物理ボリュームの追加は、冗長性のあるアレイの種類でのみ行えます。物理ボリュームの追加と再追加
物理ボリュームの追加方法には、通常の追加と再追加があります。違いは、「ライトインテントビットマップ」により差分同期を行うかどうかという点です。
再追加を行えば同期にかかる時間を短縮できますが、再追加できる物理ボリュームには条件があります。
物理ボリュームの追加では、「mdadm」が状況に応じて通常の追加もしくは再追加を自動的に判断し、適切な方法で物理ボリュームの追加を行います。
ユーザーが物理ボリュームの再追加を明示することも可能です。
コマンドのフォーマット
「mdadm」コマンドのフォーマットは以下になります。mdadm <モード> <論理ボリューム> <オプション> <物理ボリューム>
ショートオプションとロングオプションについて
モードやオプションの記述方法には、「ショートオプション」と「ロングオプション」の2種類があります。どちらを利用しても良いでのですが、ここでは意味が分かりやすい「ロングオプション」を使用します。
モード
モードは、「mdadm」の動作モードを指定します。アレイに物理ボリュームを追加する(Manage Mode)ので、以下のオプションを指定します。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-a | --add | --add |
論理ボリューム
操作対象の論理ボリュームのデバイスファイルを指定します。複数の論理ボリュームのデバイスファイルは指定できません。
記述例
/dev/md/RAID1Arrayオプション
以下のオプションを指定できます。オプションは省略することができます。
1.ライトモーストリー
このオプション以降に指定された物理ボリュームは、「ライトモーストリー」が設定されます。ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-W | --write-mostly | --write-mostly |
例えば、以下のようにコマンドを実行したとします。
sudo mdadm --add /dev/md/RAID1Array --write-mostly /dev/sde2 /dev/sdf2
この場合、「/dev/sde2」と「/dev/sdf2」に「ライトモーストリー」が設定されます。
2.ライトモーストリーのクリア
このオプション以降に指定された物理ボリュームは、「ライトモーストリー」の設定をクリアします。ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-w | --readwrite | --readwrite |
例えば、以下のようにコマンドを実行したとします。
sudo mdadm --add /dev/md/RAID1Array --write-mostly /dev/sde2 --readwrite /dev/sdf2
この場合、「/dev/sde2」に「ライトモーストリー」が設定されますが、「/dev/sdf2」に「ライトモーストリー」は設定されません。
物理ボリュームを再追加する際、以前「ライトモーストリー」が設定されていた物理ボリュームだった場合は、「ライトモーストリー」の設定がそのまま引き継がれます。
このオプションを指定することで、「ライトモーストリー」の設定をクリアすることができます。
物理ボリューム
追加する物理ボリュームのデバイスファイルを指定します。複数の物理ボリュームのデバイスファイルを指定することができます。
複数の物理ボリュームのデバイスファイルを指定する場合は、各物理ボリュームのデバイスファイルを、スペースで区切ってください。
/dev/sdd2 /dev/sde2 /dev/sdf2
glob
物理ボリュームの指定は、globに対応しています。例えば上記の記述例は、以下のように記述することもできます。
/dev/sd[d-f]2
/dev/sd[def]2