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Ubuntu mdadm その21 - RAIDレベルの変更について・ライトインテントビットマップの設定について・データレイアウトの変更について・ クリティカルセクションとバックアップファイルについて・ アレイの再形成の注意事項

RAIDレベルの変更

  RAIDレベルを変更することができます。


  この再形成をサポートしているアレイの種類は、以下のとおりです。

  RAID 0

    以下のRAIDレベルに変更が可能です。

  • RAID 4
  • RAID 5
  • RAID 10(Near レプリカ数2)

  RAID 1

    以下のRAIDレベルに変更が可能です。

  • RAID 5

  RAID 4

    以下のRAIDレベルに変更が可能です。

  • RAID 0
  • RAID 5

  RAID 5

    以下のRAIDレベルに変更が可能です。

  • RAID 0
  • RAID 1
  • RAID 4
  • RAID 6

  RAID 6

    以下のRAIDレベルに変更が可能です。

  • RAID 5

  RAID 10

    以下のRAIDレベルに変更が可能です。

  • RAID 0

ライトインテントビットマップの設定

  「ライトインテントビットマップ」の設定(有効や無効)を変更することができます。


  この再形成をサポートしているアレイの種類は、以下のとおりです。

  • RAID 1
  • RAID 4
  • RAID 5
  • RAID 6
  • RAID 10

データレイアウトの変更

  アレイの「データレイアウト」を変更することができます。


  この再形成をサポートしているアレイの種類は、以下のとおりです。

  • RAID 5
  • RAID 6

クリティカルセクションとバックアップファイル

  アレイの再形成中に障害が発生した時に備え、「mdadm」はバックアップファイルの仕組みを提供しています。


  クリティカルセクションとは

    クリティカルセクションとは、アレイの再形成中に障害が発生すると2度と復旧できない処理またはデータのことです。
    アレイの再形成中、物理ボリュームではデータの再配置や上書き等が行われます。
    このデータの処理単位のことをセクションといい、このセクションが障害により失われるとデータは失われます。

  バックアップファイルとは

    「mdadm」ではこの状況に対応するため、セクション内のデータをバックアップファイルに保存します。
    障害が発生した場合、後でアレイを構築する時にこのバックアップファイルを指定し、アレイの再形成を続行します。

  バックアップファイルの保存先

    バックアップファイルの保存先には以下の2種類があります。

  • スペアディスク
  • ユーザーが指定する

  スペアディスクに保存する

    アレイにスペアディスクが存在する場合、「スペアディスク」をバックアップファイルの保存先にすることができます。

    ただし 「スペアディスク」を設定できないアレイの種類、あるいは、 「スペアディスク」が設定されていないアレイはもちろんのこと、再形成の内容によっては「スペアディスク」を保存先にすることはできません。

    例えば以下の再形成では、「スペアディスク」を保存先にすることはできません。

  • 物理ボリュームの数を減らす
  • データレイアウトを変更する
  • チャンクサイズの変更
  • RAIDレベルの変更

    この場合、ユーザーがバックアップファイルの保存先を指定する必要があります。

  ユーザーが指定する

    ユーザーがバックアップファイルの保存先を指定することができます。
    もし障害が発生した場合、アレイの復旧にこのバックアップファイルが必要になります。
    どこに保存したか覚えておきましょう。

    バックアップファイル自身は通常のファイルですが、再形成を行うアレイの論理ボリューム上に保存しないでください。
    またすでに存在するファイルを指定しないでください。

アレイの再形成の注意事項

  アレイの再形成に関する注意事項です。


  バックアップを取る

    アレイの再形成中に障害が発生しても良いように、重要なデータのバックアップをとっておきましょう。

    ここで言う障害とは、PCのシャットダウンやハードウェアの故障、ソフトウェアのバグやユーザーの操作ミスなどが含まれます。

  時間がかかる

    アレイの再形成の内容によっては、再形成完了までに時間がかかります。
    できればアレイ作成時に後で再形成しなくても済むよう、どのようなアレイを作成するのか十分検討することをおすすめします。

  論理ボリュームにアクセスしないようにする

    論理ボリューム上のパーティションは予めアンマウントし、論理ボリュームにアプリ等がアクセスしないようにしておきます。

  ライトインテントビットマップを無効にする

    アレイの再形成の内容によっては、「ライトインテントビットマップ」が有効になっているとアレイの再形成を行うことができません。

    事前に 「ライトインテントビットマップ」を無効にしておく必要があります。

  再形成の内容によっては複数の手順が必要

    再形成の内容によっては複数の手順が必要で、アレイの構造や「mdadm」の操作に慣れていないと、難しく感じるかと思います。

    例えば、「RAID 0」アレイを「RAID 5」アレイに再形成すると、データレイアウトが「Parity Last」になります。

    「RAID 5」アレイはパリティーブロックを分散させ信頼性を向上させる目的があるので、このデータレイアウトを「Left Symmetric」に変更したくなるかと思います。
    データレイアウトの変更は、別途コマンドを実行する必要があります。

    また「RAID 5」アレイに再形成後、アレイは「デグレードモード」での動作になるため、物理ボリュームを追加し再同期を行う必要があります。
    これも別途コマンドを実行する必要があります。

    さらに「ライトインテントビットマップ」を有効にしたい場合、これも別途コマンドを実行する必要があります。

  アレイの状況によって指定するオプションや手順が異なる

    同じ再形成の内容でも、アレイの状況によって指定するオプションや手順が異なる場合があります。

  よく分からない場合は再形成しない

    アレイの再形成後にアレイの構造がどうなるのかよく分からない場合や、トラブルが発生した時にどう対処すればよいのか分からない場合は、アレイの再形成は避けたほうが良いでしょう。

    最悪の場合、操作ミス等によりアレイの復旧ができなくなったり、データが失われる可能性があります。


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